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入学日前日

文章書くの難しいですね…

 ある朝、家のチャイムが鳴る。ドアを開けると、眼鏡をかけた仙人のような男と、少し癖のある黒髪を、雑に縛った目つきの悪い男が、春の風に髪を揺らし立っていた。

 明日僕は、国立竜災(こくさいりゅうさい)防衛学園(ぼうえいがくえん)に入学する。

 生徒として…そして、防衛隊の一人として。

 二人の男を見る。一人は知っている学園長のオズワルド・クレイン先生だ。もう一人は…


「すまんの、急に押しかけてしまって、早速じゃが…紹介しよう、彼が、明日から君が所属する聖刻竜災(せいこくりゅうさい)防衛隊ぼうえいたい、第三部隊の隊長、エドワード・レインじゃ。」


 !?


 まさか、明日から自分が、所属する部隊の隊長が、直接家まで来るとは、思っていなかった!


「おっ、、、お、お世話になります!ノア・ベルクです!」


 思わず声が裏返る。そんな僕の様子を見て、クレイン先生は、相好を崩した。


「エドワードは、見た目に似合わず優しい男じゃそう緊張しなくとも大丈夫じゃよ。」


 そんなクレイン先生の言葉に、レイン隊長は眉をひそめ。呆れたような怒ったような視線をクレイン先生へ向けていた。


「……はぁ」


 レイン隊長は小さくため息をつくと、僕へと視線を戻した。


「紹介にあったようにエドワード・レインだ、明日から、お前も防衛隊の一員だ、学業との掛け持ちで忙しいだろうが、魔女はいつ襲撃してくるかわからない、今から気を引き締めておけよ。」


「は、はい!」


 背筋が伸びる。

そうだ、気を引き締めなければ…

 僕が防衛隊に入る理由は、妹を、シェリーを助けるためなんだから。

 

「おお、そうじゃ忘れておった、ノア、入学前にお主に、渡さなければならない物があるんじゃよ」


 クレイン先生は、懐から細長い木の箱を取り出し手渡してきた。

 箱の中は、


「杖…?」


「はっはっは、ノア、それは杖ではないよ、それは…」


「…学園長、ここは私が説明します」


 なんだか、怒っているような…


「お前は、何の説明も受けていないのか?防衛隊に入るための講習があっただろ!?」


──あった…受けたしっかりと。そのうえで、これは杖にしか見えない………なんならただの木の枝にしか見えない!!!


「まさか、【縁筆(えんぴつ)】…ですか……?」


 講習であった棒状のもので支給されるのは、縁筆しか無かった…はず…


「そうだ。お前…ちゃんと聞いて無かったのか?俺たちの武器である縁筆は、文字通り使用者と縁を結び、その者にしか使えなくなる、言うなれば相棒だ!」


 それを聞いて思い出した、確かに僕はこの木の枝を選んだ気がする…


「それを、お前…学園長!コイツは本当に己の縁筆と縁を結んだのですか!?」


「はっはっはっ、あぁ、ノアはしっかり縁を結んでおるよ」


 そう、ノアはしっかりと、事前準備は済ませてあった…


 縁筆との縁結びの儀とは、防衛隊に所属するものならば誰もが行う最初の儀式だ。

 自らの手で選んだ一本の縁筆を手に取り、己の血を飲ませることで、強固な縁を結ぶ。

 そうして、縁筆は己だけの武器になる。


 確か、縁筆は、縁を結ばない限りはただの木の棒と変わらない。逆に言えば、縁さえ結んでしまえば、防衛隊員でなくても、使えてしまう武器である。


と、そう教わった。ちゃんと覚えている。


……たぶん。


「はぁ…お前は、本当にコイツを選んだんだな?」


「…はい」


「間違いなく?」


「…はい」


「はぁ…」


 レイン隊長は、ため息をつくと、しばらく僕と縁筆を交互に見つめていた。


「それなら、明日……いや、今日から、今この瞬間から大切にしろ。わかったな?」


「はい!」


 僕は両手で縁筆を握りしめた。


コイツが、明日から僕と一緒に戦う相棒…


 そして僕は、国立竜災防衛学園に生徒として入学し聖刻竜災防衛隊に所属する。


今から、ドキドキしている…


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