第十三話 境遇
今日は長野県諏訪市の花火を見に行ってたので、短いですが、読んで貰えると嬉しいです。めちゃ綺麗でした!
「長いこと拘束してしまって申し訳ないね、君たちも、教室に戻りなさい」
三人は、渡り廊下を渡り、別棟から校舎へ戻ってきた。
ノアは、教室に戻れと言われても、自分のクラスがどこにあるのか、分からないことを思い出し、カトレアに聞くことにした。
「…………そういえば、僕のクラス 1-B なんだけど……場所わからなくて、アッシュフォードさん、一年生だよね? その……場所、教えてくれないかな…」
「……ベルク、なんでまだ、私に対してビクビクしてるのよ! ワトールとは、親しげに喋ってるじゃない!」
「ル、ルークとは、幼馴染なんだ……だから」
「……へぇ、幼馴染ね…」
カトレアは、少し目を伏せ、ノアと、ルークを交互に見やる。
「いいな……」
小さな声でカトレアが呟いた
「? ……アッシュフォードさん今なにか言いましたか? すみません、聞こえなくて……」
「何でもないわ、気にしないで」
「……あと、アッシュフォードだと長いでしょ、カトレアで良いわ」
「ありがとう、アッs…………カトレア……さん」
「…………まぁ、良いわ……それと、教室には私が案内するから」
「! ありがとう!」
ノアが礼を言ったあと、ふとカトレアは、ノアの後ろにいる男に目を向ける。
「…………ワトール、なんの顔よそれ……」
そこには、無表情、いやもしかしたら少し笑ってるのかもしれない、それでいて目だけが怒っているような。そんな表情をしたルークが居た。
「ん? 変な顔してたか?」
ルークは、自分の頬をスッ…っと撫でる、すると、その目から怒りの色が抜ける。
「…………いや、アンタは、いつもそんな感じの顔だったわね。もっと笑顔の練習したほうがいいと思いますよ。ワトール先輩」
「貴重な意見、ありがとう。カトレア」
そうしているうち、階段に着いてしまった。
ルークは、三階、ノアたちは、二階へ行かなければならない。
「またね、ノア。授業ちゃんと聞くんだよ?」
「うん! ありがとうルーク、またね!」
「…………カトレアも、しっかりやれよ?」
「わかってるわよ! さっさと行きなさい!」
ルークは、ニコッと笑って階段を登っていった。
それを見送り、カトレアとノアも、教室へ向かった。教室へ向かっている間、二人に会話は無かった。
しばらくすると、1-Bというプレートがみえた。教室の前に着くとカトレアが、こう言っていた。
「そうだ、ベルク。教室の奴らが何言ってきても、無視しなさい」
「?……わかった……」
─ガラッ─
「おっ! カトレアお嬢がお見えになったぞ!」
「よぉ〜カトレア! 竜に吹き飛ばされたんだって? アッシュフォードの名が廃るねぇ」
「アッシュフォードさん、戦士兵から防衛兵に異動になったんですって? 痴女に逆戻りね! 可哀想に〜」
教室に入った瞬間、次々と飛んでくる言葉にノアは、思わず足を止めた。
(これが、いつものことなのか……?)
カトレアが先ほど言っていた。
『教室の奴らが何言ってきても無視しなさい』
その意味をノアは、ようやく理解した。
そんなノアを他所にカトレアは、何も言わず、澄ました顔で自分の席へ歩いていく。
それでも、カトレアの関節が白くなっている手をノアは、見逃さなかった。
カトレアちゃんは、5人の賢者、うち一人の末裔です。




