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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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覧、大凶の能力に気付く

2020年6月19日、分かりづらい表現に気付いたので、加筆修正しました。

申し訳ないです。(内容に変わりはないです)

「はい、以上、素晴らしい過去でした。この後、家族みんなで、花火をするんだよね? 覧ちゃん?」


「人の心をもてあそぶなっ、大凶」


 ボクは、睨みつける。


「そういえば、覧ちゃん、愛しのびの君の姿がさっきから見えないよね?」


「それがどうかした?」


「びの君は大好きな女神カシズとどこか遠いところにでも、イっちゃったのかな?」


 びの君が?


 もしかして、ここにいる大凶は、時間稼ぎのためにボクと戦っていたってこと?


 つまり、ここにいる大凶は偽物で、本物の大凶は女神カシズに化けていて、びの君を誘惑しているということか?


 びの君が女性と二人きりのシチュエーション?


 まずい、まずい、まずい、まずい。


 ボクがいないのだ。


 びのは手玉に取られる。


 そして、絶対に騙される。


「ふふふ……心を読むまでもなく、表情にでてるよ、覧ちゃん。でも、青ざめた覧ちゃんも可愛いなー」


 ついさっき、びの君に幻覚魔法をかけたなら、そんなに遠くには行ってないはず。


「あれー? 覧ちゃん、なんで覧ちゃんはまだ自分がジオフの世界にいるって思ってるの?」


 ここは、ジオフの世界じゃない?


 じゃあ、ここは?


 まさか、幻覚の世界?


「ふふふ……過去をみたせいで混乱している、可愛い覧ちゃんに問題です。さて、ここはどこでしょう? ①覧ちゃんたちがいた世界 ②ジオフの世界 ③覧ちゃんの心の中の世界――」


 まさか、ボクの心の中の世界?


 いや、それなら、びの君の姿が見えないというのはおかしい。


 ボクの心の中は、いつ、いかなる時でも、びの君のことで頭がいっぱいだからだ。


 ……ということは、ここは……


「――④びの君の心の世界」


 目の前に、何かを探してキョロキョロするびの君の姿があった。


「びの君!!」


「ねえ、俺が、可愛くて愛おしい覧ちゃんを黙ってびの君と覧ちゃんを引き合わせるなんてことすると思う?」


 ボクとびの君を黙って引き合わせるなんてこと、このドS女はしないだろう。


「邪魔だ」


 大凶の体を振りほどこうと必死にもがく。


「そんなに行きたいなら、どうぞ」


 やけにあっさりとした展開だ。


 何故、大凶はこんなにもあっさりとしているんだ?


 何を狙っている? 


 もしかして、もう既に、びの君との舞台は整っているのか?


 そう思った瞬間、ボクの目の前に大きな鏡のようなものが立ちはだかった。


「覧ちゃんって、マジックミラーって知ってるかな? こちら側は見えるんだけど、あちら側から見えないっていう鏡なんだけどね。覧ちゃんの目の前にあるのは、そのマジックミラーを強化したものだ。中からは見ることも聞くこともできるんだけど、外からは見ることも聞くこともできない。俺以外はな」


 マジックミラー?


 もしかして、すでにボクは蚊帳の外だとでもいいたいのか?


 あれ? もしかして、さっきから……



「ま……まさか……大凶、お前の能力は……」


 その先を思い描いた瞬間、ボクのMPが0になる。


 そういうことかっ!!


 大凶の能力は時を戻す能力でも、ボクが恐怖することでステータスが青天井になる能力でもない。


 何で気付けなかったんだ?


 あんなにもヒントはあったのに。


 大凶の本当の能力は――


「あ、ようやく気付いたね。俺の能力。さすが、頭のいい覧ちゃん。ご褒美に、そのお口を塞いじゃおうかな? 窒息するまでチューでもしちゃおうかな?」


 いいながら、マジックミラーにキスをする大凶。


 バカにして……


「ここから出せ」


「ダメだ。覧ちゃんはその特等席でじっとしていな」


 くっ、なんとかしないと……


「なんとかねー。できるといいね、覧ちゃん」


 また心を読まれた。


「さて、改めて舞台が整ったところで、主役の再登場だ。俺の能力を知った前と後じゃ、感じ方が違うんじゃないかな?」


びの君……


「さあ、劇の幕開けだ。乱入やお触りは禁止だぜ、お客様」


 大凶は、パチンと指を鳴らした。


 その音と同時に、びの君が姿を現す。


 早くびの君に大凶の能力を伝えないと。


「びの君、びの君!!」


「叫んでもいいけど、声は届かないよ。それは、覧ちゃんが一番良く分かってるんじゃないの?」


「大凶ー!!」


「あ、言うまでもないことだけど、俺はマジックミラーをすり抜けられる。出入りも自由だからな」


 私の目の前でマジックミラーをすり抜け、ボクに抱き着く。


「離れろ!!」


「鏡に分断されて、ざまーないねー、覧ちゃん。まあ、MPがない魔法使いが喚いたところで、ただの幼女だぜ? まあ、覧ちゃんの喚いた顔も最高なんだけど、びのに会わすわけにはいかねえから、そこでおとなしく、歯噛みでもしてな」


「この変態!!」


「最高の褒め言葉だ。覧ちゃんは、そこで女神カシズに化けた変態な俺とびの君がいちゃいちゃラブラブする場面を、見守っててね」


「びの君ー!!」


「まあ、そんなに騒ぎたてなさんな。覧ちゃんには、俺がいいことを教えてあげるから」


「お前なんかに、教えてもらうことなんかない」


「まあ、聞いとけって、実は――」


 ボクの耳元であることを告げる大凶。


 ウソ……でしょ……


 お願い。嘘であって欲しい。


「くくく……嘘じゃなく、真実だぜ。おかしいと思わなかったか?」



 そういえば、思いあたる節はあった。


 あったけど……


 そんなの、信じたくない……


「覧ちゃんのそういう絶望する表情も、俺、大好きだぜ」


「だいきょーーーーーう!!」


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