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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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覧、大凶のステータスをチェックする

「うわー、サンダーでやられたー…………なーんてな?」


 大凶に耳元で囁かれ、ボクは後ろを振り返った。


 いつだ? いつ、氷の中から出てきた?


 氷の中にいたのは、分身じゃなかったはずだ。


 超速で移動した?


 いや、そんなことはないはずだ。


 時間を止めたのか?


 いや、もし、時間を止めて中から出たのであれば、ボクの氷の一部が割れているはず。


 ボクの氷にひび一つつけずに抜け出すことは不可能。


 じゃあ、なぜボクの後ろに大凶が立っている。


 もしかして、時間を戻したのか…… 


 時間を戻してボクの攻撃を受けなかったことにしたのか?


 それなら、理論上氷の牢獄から出ることは可能……だけど、時間を戻す相手、どうやって倒す?


 いや、それより、まずは距離をとらないと……


 『距離をとれ』と体に命じるのだが、恐怖に満ちたボクの体はがちがちに震えて、一向に動こうとしない。


「ははは、覧ちゃん、お前可愛いなー。お前が俺をがちがちに凍らせたのに、今はお前ががちがちに震えてるじゃないか」


 ボクを馬鹿にしてくる大凶に、ボクは一言も言い返せない。


 ペロッ。


 耳がぬるっとした。


「ボクの耳を舐めるなー」


 反射的に後ろを振り返り、裏拳をかます。


「おー、怖い怖い」


 大凶はボクの拳をひょいとかわし、心にもないことを言い始める。


「ふざけるなっ」


 ボクは震える体を押さえつけ、なんとか大凶と距離をとった。


「絶対凍結」


「また、絶対凍結かよ……バカの一つ覚えみたいに」


「うるさい、ボクに倒されろ」


「それはできないな」


 何故だ? 何故、またボクの後ろにいる?


 さっきまで目の前にいたのに……


「時間を戻したんだよ」


 やはりか。


「だが、そんな魔法は理論上作れないはず……」


 大凶の特殊技能か?


「教えなーい。あは、もっと、俺に恐怖しな、覧ちゃん」


 くっ、どういうことだ?


 酔狂は酔えば酔うほど強くなってたけど、もしかして大凶の場合、ボクが恐怖すればするほど、攻撃力や防御力が、青天井で強くなるということか?


「んー? 恐怖すれば恐怖するほど強くなるというのは、惜しいかな」


 隠されたら意味がないけどステータスチェックを…………って、え? ボクの心を読んだ?


「あは、心を読んだのは、正解。そんなことより、しないの? ステータスチェック。可愛い覧ちゃんが見たいって言うなら、今回だけ特別に、みせてあげる」


 え?


 大凶(だいきょう)LV666

 HP:6(+0)

 MP:666(+0)

 種族:魔王

 筋力:8,000,000(+0)

 体力:8,000,000(+0)

 耐性:8,000,000(+0)

 敏捷:8,000,000(+0)

 魔力:8,000,000(+0)

 魔耐:8,000,000(+0)

 運 :8,000,000(+0)


 800万って、桁が違い過ぎる……



「あはは、その絶望に染まった顔も可愛いなー、覧ちゃん。お姉さん、色々いたずらしちゃおっかなー?」


 くっ、ボクが恐怖したから、ステータスが青天井したってことか……


 魔耐がこんなにあるんじゃ、ボクの最高魔法は効かないかもしれないけど、時間稼ぎくらいなら……


「絶対凍……」


「その攻撃は、もう飽きた」


 また、ボクの背後に……


「ほら、覧ちゃん、動かないの」


 大凶に後ろから抱きつかれて羽交い絞めされ動くに動けない。


「このくまさんポシェットの中には、俺のために準備してきたクスリやらおもちゃやらが入ってるんでしょ? ああ、もう、こんなの、いりません。ポイッ」


 ガッシャ―ン


 しまった、MPポーションが割られた。


 このMP残量ではきつい。


「へー、あのおクスリがないと、覧ちゃんは、きついんだ?」


 また、ボクの心を読んで……


「あれ? この水の入った容器、すごい強力な魔素だね」


 しまった。チートアイテムが奪われた。


「チートアイテム?」


 また、心を読んで……って、しまった。


「ああ。だから、さっき、あんなに強い氷魔法ができたのか……」


 元の世界のミネラルウォーターが……


「へー、このチートアイテムの名前、ミネラルウォーターって言うんだ……」


 またボクの心を読んでいる。


「この世界では見かけない素材だね。異世界のものだから、この世界に漂流した時に、たくさんの魔素を含んだんだね。こんだけ豊富な魔素があれば、そりゃ当然水系の魔法を多用するはずだよね、覧ちゃん」


 くっ、ボクの心を読まれてしまうとは……


「このお水もいりません」


 バンッ


 大凶は片手でペットボトルを宙に投げ、パンチ一発でペットボトルを破裂させた。


 


「そういえばさ、覧ちゃんは、覧ちゃんのパパとママの研究を奪っちゃったんだって?」


 どうして、そのことを……


「10歳でそのパパとママの研究を成功させた覧ちゃんは、ノーベル賞として1億円を手にいれたんだよね? その代償として、覧ちゃんのパパとママに捨てられたんだよね?」


 お前が知っている?


 お父さんとお母さんに捨てられたことは、びの君にさえ話していないのに……


「養護施設に引き取られ、死んだ目をしたままの覧ちゃん」


「やめろ……」


「摂食障害を起こしたり、自傷行為を起こす覧ちゃんを施設から引き取ったのが、今の、びのの両親」


「やめろ……」


 もしかして、大凶は、相手の記憶を読み取ることもできるのか?


「読み取るだけじゃなかったりして」


 それだけじゃないだと?


 読み取ること以外にできること……もしかして、記憶を見せたり、他のこともできたりするというのか?


 「はい、大正解」

 

 大凶の声を聞いた瞬間、意識がフェードアウトした。



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