表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/104

覧、増強の能力を見極める

「ひっく、ひっく……貴女の能力、いただいたの。100倍にしてお返しするの……ウォータースラッシュなの」


「フリーズ・アイス」


「ウォータースラッシュを凍らせるとは、貴女、頭いいの」


 水の刃は覧の体に触れる直前で凍り止まる。


「敵に褒められても、嬉しくないけどね。今度はボクの番……ステータスチェック」


「え? なんなの?」


 攻撃が来ると思った増強は、呆気にとられている。


 なんで、ここでステータスチェックなんだ? 覧。


 増強(増強) LV100 身長:秘密 体重:秘密

 HP:1200(+0)

 MP:1200(+0)

 種族:魔王

 筋力:1200(+0)

 体力:1200(+0)

 耐性:1200(+0)

 敏捷:1200(+0)

 魔力:1200(+0)

 魔耐:1200(+0)

 運 :1200(+0)

 技能等:赤い手(ハンド・レッド)・秘密


「やっぱり、そういうことか……」


「ひっく、ひっく……この期に及んでステータスチェックとは……貴女の頭、どうかしてるの?」


「いや、これでいいんだ。予想通り、増強の能力は、ステータスを相手の100倍にすることだった」


 覧は、片方の口角だけをつりあげた。


「ひっく、ひっく……まさか、わたくしの能力を調べるためにステータスチェックしたの?」


 目を見開く増強。


「そりゃあ、キデギスさんも、自分の能力の100倍だったら、肌でわかるでしょうね。勝てないって。ね? キデギスさん?」


 え? キデギス?


「まったくだ」


 2階に居たドラゴンを倒したのだろう。


 僕の隣にはキデギスがいた。


「ひっく、ひっく……キデギス? 貴女は、死んだはずなの」


 キデギスの加勢に恐怖で顔を歪ませる増強。


「覚えていてくれるとは意外だね」


「ひっく、ひっく……何でここにいるの?」


「増強、お前を倒すためだけに、地獄の底から戻ってきぞ」


「ひっく、ひっく……性懲りもなく、なんでわたくしをいじめるの?」


「いじめる? 私を殺そうとしたくせに、なんだ、その言い草は?」


「ひっく、ひっく……それは、貴女がわたくしをいじめたからなの」


「問答無用。増強、そのクビ、頂戴する」


 キデギスは、増強との会話を強制終了させ魔法剣を構えた。


「ひっく、ひっく……全てのステータスが9999のお前は、近寄ったらダメなの」


 増強は覚えている。以前、自分が能力を発動させた相手のステータスを。


「あっれー? 百倍にして返せばいいじゃない? ハンドレッドだっけ? なんで、その能力をキデギスに使わないの?」


 大げさに質問する覧。


 あ、これ、こたえ知っててわざと訊いてるな。


「ひっく、ひっく……それは……」


 言葉を濁す増強。


「あ、わかった。すぐには解除できないんでしょ? その赤い手の能力」


 覧はすべてお見通しといったようにウィンクをした。


「ひっく、ひっく……なぜ、それを知っているの?」


「推論だよ」


「ひっく、ひっく……推論? ただ、それだけでわたくしの能力を見破ったの?」


「うん。だって、おかしいもん。キデギスと対峙した時、すぐに赤い手の能力を解除して、キデギスに触れば、ステータスは999900だよね?」


 確かにその通りだ。


 僕だってそうする。


「でもそれをしなかった。なぜなら、その能力はすぐに解除できないからだ」


「ひっく、ひっく……その通り、この能力は解除できないの」


「へえ、認めるんだ?」


「ひっく、ひっく……だから、許してほしいの……」


 増強は、目の前で祈るように手を胸の前に組み、懇願してきた。


「もしかして、命乞いをして、時間稼ぎをしてるのかな?」


「ひっく、ひっく……何言ってるの?」


 増強は時間稼ぎという言葉にピクリと反応したが、冷静に訊き返した。


「その能力、何か解除条件があるんでしょ? 聞いたよ、キデギスから。最初キデギスと互角だったのに、その後、キデギスの手を触ったら、急に強くなったって。その解除条件は時間なのかな……って思っただけ。でも、その反応からするとビンゴみたいだね」



「ひっく、ひっく……ちょっと違うの」


「違うって、何が?」


「ひっく、ひっく……わたくしは赤い手と増鏡(ますかがみ)という2つの能力を使って……」


「あ、その説明、長びかせて、時間稼ぎをしようとしてるでしょ? そうはいきません」


 覧は、増強が自分の能力を説明しようとした途端、話をぶった切った。


 そつがないというか、何というか……


「ひっく、ひっく……まさか、わたくしの能力がここまで見破られるとは思ってなかったの」


 増強は、部屋の奥の方へ逃げようとする。


「逃がすか。稲妻斬り」


 キデギスは増強に、自分の剣に電気を纏わせ、増強へと斬りかかる。


「ひっく、ひっく……ウォーターウォールなの」


 はっはっはっ、この前、覧との対戦の時、キデギスは、ウォーターウォールごと斬って……


 ざっばーん。


 フロアの床から津波のような大量の水があふれ出て、天井までの壁を作った。


 強すぎる。


「さっきの威力と全然違うじゃないか」


 こんなの反則だ。


「ひっく、ひっく……キデギス相手なら、全力の二重攻速(ダブルバインド)で魔法を唱えないと、こっちがやられてしまうの」

 

ダブルバインド……ってなんだ?


いや、そんなことよりも、天井にたたきつけられたキデギスはどうなったかを確認しないと……


僕は、キデギスの安否を確認する。


天井に体がめり込んでいて、落ちて来そうにない。


「大丈夫、キデギス?」


僕は大声でキデギスに呼びかけたが、キデギスは気絶してしまったのか返事もなかった。


ステータス9999のキデギスさえ、手も足も出ない。


僕達が勝てるわけないじゃないか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ