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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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覧、挑戦状の暗号を解読する

 お城では、王子様が待っていた。


「おう、お前らがモタモタしてるから、魔王の一人、近況から挑戦状が届いてしまったじゃないか」


 いや、僕達、ここの世界について、まだ、一週間経ってないんだけどな……


「どうするんだよ?」


 城へ着くと、ダウゴ王子が激しく僕達を責め立てた。


「どうしましょう?」


 お伺いを立てる僕。


「俺が知るかよ」


「王子様、我々に力を貸してくださいませんか?」


 口を挟んだのは覧だった。


「貸してもいいけど、何を貸せばいいんだ?」


 とりあえず、知恵ではないな。


 確信をもって、心の中でつっこむ。


「軍の指揮権です。とりあえず、代表の人と話をさせてください」


「まあ、非常事態だ。いいだろう」


「ありがとうございます。早速、作戦をたてたいのですが……」


「こちらへ。作戦会議室で大佐がお待ちです」


 大臣が道案内をしてくれた。


「お待ちしていたのであります、勇者びのと覧様」


 僕達が部屋に入ると、大佐は敬礼をしてくれた。


「私、大佐なのでありますが、私より上の階位のものがこの前の討伐で亡くられて、成り上がりましたので経験は浅いのでありまして……」


「挨拶はいいから、早速本題に入る」


 覧は、慌てたそぶりも見せず、冷静な対応をする。


「もう、知っているかと思うが、本日、魔王の一人、近況から勇者びのへ挑戦状が届いた。そこで、大佐の知恵と力を借りたい。よろしくお願いする」


 いつもとは全然違う姿を見せる覧。


 メイルを着ているから、本当の軍人みたいだ。


「まずは、ボクの意見を述べる。何かあったら、その都度意見を述べてほしい」


「わかりました」


 少し緊張した面持ちで大佐はこくりと頷いた。


「それでは、まず、目的地からだ」


「目的地が分かったのでありますか?」


 驚きながら、大佐が問う。


「おそらくね」


「私には、まったく分からなかったであります」


 僕もまったくわからなかったのであります。


「目的地は『大樹の城』だ」


「大樹の城でありますか?」


「ああ。ここから近いのか?」


「大樹の城なら、ここから西に歩いて2時間ほどで行けるでありますが、どうして大樹の城なのありますか?」


「説明が逆になってしまったね。すまない。この挑戦状に暗号として書いてあるんだよ」


「暗号だって!!」


 僕は思わず大声を上げてしまった。


「うん、暗号。びの君でも解けるんじゃないかな?」


 覧に促され、もう一度挑戦状をみかえす。


 勇者様へ


 大変お世話になっております、勇者様。

 今、話題の魔王の一人さ。

 自分、もしかして、怖くて怯えてるん?

 勇者ともあろうお方が、まだ、一体も魔王を倒してないっしょ?

 のう、わっち暇やねん。頭脳勝負しようよー。

 城には、何人で来てもいいしね。

 老若男女問わず、大人数で攻めても問題ないからっ。

 人数少なくても、大丈夫やよ。

 殺し合いやけど、体力勝負やなくて、頭脳勝負やから、頭のいい者集めて来い。

 いい勝負しようぜ。


 あ、そうそう、うち、そんなに気が長くない。

 次の満月までに、勇者が指定の場所に来ないのであれば、こちらから、攻めさせてもらうよ。

 この町の関係ない人間を殺されたくなかったら、指定の場所まで来なさい。

 ほなな                          

 近況


「どこにも書いてないじゃない」


「まあ、暗号だからね。」


「暗号って、どうやって解けばいいの?」


「違和感を感じるところに注目していくととけることが多いね」


 違和感? そういえば、字体が一行ずつ異なっているな。


「まるで、色々な人が書いたような怪文書にしかみえないけど……」


「おお、いいねびの君。他に何か違和感を感じない?」


 他? まだ何かあるのかな?


 挑戦状とにらめっこするが、めぼしい違和感を感じない。


「ギブアップ。時間もないし、答えを教えてよ、覧」


「注目すべきは、一行目と、五行目の文章だね。ボク達、魔王のお世話なんかしてないのに、『大変お世話に』って、おかしいし、『のう、わっち』も、何か変じゃない?」


「あ、言われてみればそうだね」


 これから敵対する勇者に対し、お世話になっているなんて、言わないだろうし、『のう』なんて表現しないだろう。


「だから、ボクはこの文そのものが暗号だと思った」


「なるほど。……で、どうやって解読するのさ?」


「それは、文頭の頭文字を読んでいくんだよ」


「頭文字? 大・今・自・勇・の・城・老・人・殺・い……って、なにこれ?」


「違うよ、びの君、最初の1文字だけ読むの」


「『た・い・じ・ゆ・の・し・ろ・に・こ・い』でありますな?」


「その通り」


「おおー、さすが、覧様であります」


 大佐は覧をほめちぎる。


「おそらく、決戦の場は、大樹の城で間違いないだろう」


「それでは、我ら城の兵士と魔王討伐ギルド全員総出で大樹の城へ向かうのであります」


「いや、行くのは、精鋭のみに絞りたい」


 覧は、扉からでようとする大佐を止めた。


「それはなぜでありますか?」


「理由は2つある」


「1つ目の理由は、この城の警備が手薄になるということ。ボク達が大樹の城に間に合わなかった時、あるいは推理が見当はずれだった場合、この町は魔王に襲われることになる」


「手紙は城に届いたのでありますし、もし、何かの不手際やトラブルがあった場合、襲われる可能性はありますな」


「2つ目の理由は、近況の挑戦状には、人数が多くても構わないと書いてある。おそらく何か目論見があるのだろう」


「目論見ですか? どんな目論見でしょうか?」


「それは今の時点では分からない。が、推測することはできる」



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