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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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占い師のエキゾチックお姉さんにみてもらう

「おはよう、覧」


 僕は床に這いつくばりながら、覧に挨拶する。


「おはよう、びの君、どうしたの? 芋虫のように床に這いつくばって……」


「体中が痛い」


「何だって!? こんな酷いこと、一体どこの誰がやったんだ?」


「いや、これ、覧のせいだよね?」


「びの君に、なんて酷いことをするんだ」


 とぼけているけど、やったのは、間違いなく、目の前にいる覧だからね?


 昨日、大臣と別れた瞬間、覧が僕におしおきしたんだからね?


 なんで、自分で認めないんですかね、覧さん?


「可哀そうな、びの君。今、ボクが優しく、かいがいしく、介抱してあげるからね」


 僕に抱き着きいたあと、慈愛に満ちた眼で僕を見つめる覧。


 ああ、なんて素晴らしい義妹なんだ……って、違う違う。


 僕におしおきしたのも覧だし、僕を介抱するって言ってるのも覧。


 結局、覧の自作自演じゃないか。


 危ない、危ない、騙されるな僕。


「いや、そう思うのであれば、昨日、おしおきをしなければ……」


 這いつくばりながら、不満を漏らす。


 そもそも僕はムフフな会議に出たいと思っただけなのに、何であんなおしおきを受けなければならないんだ。


「あれ? まだ、足りない? おしおき」


 えー、さっきまでの慈愛に満ちた目をした覧はどこにいったの?


 目は怒って……いや、殺意に満ちている。


「あれ? なんで、びの君黙ってるの? まだ、足りないか聞いているだけなんだけどな」


 まずい、覧は本気だ。


「反省いたしました。今後、一人でどこかに行こうなどとは思いません」


「よかった。びの君は反省したんだもんね?」


「もちろんです」


「じゃあ、今日は、昨夜大臣に紹介された占い師兼お祓い屋さんに一緒に行こうね」


 覧は、青いロリータ服を身にまとい提案する。


「いや、僕、全身がズタボロで……」


「あれ? びの君、一人でお留守番する気なのかな? あれ? それって、もしかして、ボクが居ない間にお城へ行く気なのかな? それって、反省していないってことかな? えっと……拷問大辞典は……っと」


 提案ではなく、強要だった。


「あ、そうだ、覧、占い師兼お祓い屋さんに行こう。僕、占い師兼お祓い屋さんに行きたくて行きたくて仕方なかったんだ」


「うんうん、人間素直が一番だよ。占い師のところに行けば、びの君のレベルが上がらない原因がわかるかもしれないんしね」


 覧はパチンと手を叩いて、僕に満面の笑みを向けてきた。


「わかるといいね」


 その前に、占い師のところまでたどり着けるかどうかが問題だけど。


「ついでに、アンティーク屋さんにも寄って、五円玉を売った時の残りのお金をもらわなきゃ。為替手形を忘れずに持っていないといけないね」


 僕と覧は準備をし、家を出た。


 全身痛いのに、残りのお金を持って帰れるかな?


 …………


 ……


 大臣からきいた占い師兼お祓い屋さんに行ってみると、そこには、水晶をもち、ベールで口元を隠した、エキゾチックな占い師の人が椅子に腰かけていた。


「朝からすごい行列だ」


 僕と覧は、行列の最後に並ぶ。


「効果ありそうだね」


 覧と話していると、僕達の前に並んでいた剣士のお姉さんが僕達にはなしかけてきた。


「あら? あなたたちは、このお店はじめて?」


「ええ、そうなんです」


「呪われた剣を装備してしまって困っていたんだけど、ここの占い師兼お祓い屋さんにお願いしたら、すぐに解呪してくれたんだ。このお店は国のお墨付きだよ」


「へー、そりゃすごいや」


「ちなみに、お姉さんは、今日は何をしに来たの?」


「あはは……今度は、盾が呪われていて……」


「その呪いを解いてもらうの?」


僕は尋ねた。


「そういうこと」


 呪われている装備もあるのか……


 今度、装備するときは気をつけないと……って、僕、今のところ装備ができないんだった。


 当分は気にしなくてもよさそうだな。


 …………


 ……


「さすが、プロ。こんなにも簡単に呪いを解いてくれるなんて」


 さっき並んでいた剣士風のお姉さんが店から出てきた。


 とても爽やかな笑顔だ。


「次の方、入ってくるでありんす」


 呼ばれて中に入る、僕と覧。


「そなた、ついていないでありんすね?」


 部屋にはいるなり、開口一番そう尋ねられた。


「え? どうして分かったの」


「そなたを見ていればわかるでありんす」


「ちょっと、待った。びの君、これ、コールド・リーディングじゃない?」


「コールド・リーディング?」


「そう、例えば、びの君のお父さんは死んでいませんね? ……って言われたら、びの君はなんて答える?」


「うん、死んでないよ」


「でも、『死んでいませんね?』って、二つの意味があるよね?」


「二つの意味?」


「否定していて、『死んでない』って意味と、『死んでしまって、この世にいない』って意味」


「本当だ」


「じゃあ、『ついていませんね』には、どのような二つの意味があるのか、答えるでありんす?」


 尋ねたのは、占い師だった。


「運がない人は、言葉通り、『ついていない』という意味で、運のある人は、『悪い憑き物がついていない』という意味じゃないかな?」


「おほほ、面白い考え方でありんすね」


「そんなこと言って、びの君からぼったくる気でしょ?」


 占い師に探りをいれる覧。


「びの? そなたが勇者びのでありんすか?」


「え? そうだけど……」


「びの、そなた、ついているでありんす」


「いや、さっきはついてないって言ってたよね?」


 やっぱり、偽物占い師なのか?


「ついてるから、ついてないのでありんす」


「どういうこと?」


「憑き物がついているから、運がついていないということでありんす」


「憑き物? 僕に?」


「そうでありんす。びの、装備が装備できない呪い……いや、レベルが上がらない呪いでありんすかね? 心当たり、ありんすか?」


「呪いがかかっている心当たりは、ありまくりです」


 僕はキメ顔をつくりながらこたえた。


「それはさぞかしお困りでありんすな?」


「そうです、お困りです」


 僕は占い師に救いを求める。


「呪いを解くお祓いなら、わたしに任せるでありんす」


「え? 解いてくれるんですか?」


「わたしを誰だと思ってるでありんす?」


「知らないです」


「呪いを解いて、解いて、解きまくる。わたしの右に出るものはいない。王宮御用達のお祓いのプロでありんす」


「おー、プロさん、よろしくね」


「いや、プロは名前じゃないでありんす」


「びの君、プロって、専門家ってことだよ」


 ああ、そっちのプロか。


「とにかく、よろしくね」


「わかったでありんす」


 お祓いのプロは、大量の塩を用意し始める。


「ソルトスラッシュ」


 ぐは。


 ……って、これ、大量の塩をかけられるだけだよね?


 全身ずぶ濡れ……ならぬ、ずぶ塩になる僕。


「ソルトパンチ」


 ぐはっ。


 ……って、これ、岩塩でお腹を殴られるだけだよね?


「ソルト蹴り」


 ぐはっ!


 ……って、これ、岩塩で作られた靴でお腹を蹴られるだけだよね?


「ソルトビーム」


 ぐはっ!!


 ……って、これ、岩塩をただただお腹に投げつけられるだけ……


 なんで、ボディばかり狙うの……と思った瞬間、僕は意識を失った。


「びの君、びの君」


 誰かに呼ばれて、目を覚ます。


「あれ、覧?」


「良かった、起きた」


「あれ? 僕、何してたんだっけ?」


「びの君は、お祓いされてたんだよ。途中で気を失ったけど……」


「そうだ、お祓い!! お祓いは終わったの?」


 僕は尋ねた。


「うむ、お祓いは無事、終わったでありんす」


「本当?」


「間違いなく、びの殿のステータスは元に戻ったでありんす」


「ありがとうございます、ありがとうございます」


 僕は、何度も占い師さんにお礼をする。


「本当に大変だったでありんす」


 大変って……ただただ塩をかけていただけの気がするけど。


「お祓いが終わったってことは、レベル上げもできるし、装備もできるんだよね?」


 僕は、占い師さんに確認をした。


「いやー、びの殿のステータスは、元に戻ったでありんす」


「ん? 何か、返事おかしくない? レベル上げも装備もできるんだよね?」


「びの殿のステータスは、元に……」


「いや、それは、何回も聞いてるから」


 それ以上のことを言及しない占い師。


「ダメだったみたい……」


「え?」


「何重にも複雑に呪いが施されていて、祓えなかったでありんす」


「あんだけ、痛い思いしたのに?」


「いやー、びの殿のステータスは元に戻ったでありんすよ」


「いや、それ、ステータスがほぼ1に戻っただけだよね?」


「ちなみに、その呪いはボクにもかかってるみたいで、ボクもレベルがあがらないみたいなんだ……」


「嘘でしょ?」


 僕達は、本当に魔王達を倒せるのであろうか……


 旅乃 びの(たびの びの)LV1 身長:172cm 体重:59kg

 HP:1

 MP:1

 天職:特になし

 筋力:1

 体力:1

 耐性:1

 敏捷:1

 魔力:1

 魔耐:1

 運 :-1

 技能等:言語理解【日常会話・超簡単な読み】レア度:なし

 折り紙付き折り レア度:なし


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