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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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大臣の秘密

「くそっ、もう少しで任務成功だったのに……」


「いや、かなり無理あったでしょ」


 覧は呆れ口調だ。


「これじゃあ、王子様に合わせる顔がない」


 オスネは泣きじゃくり始めた。


「このままだと、私はクビだ。せっかく、頑張って、王子様のお付きになのに……」


「そうか、そんなに仕事が大切だったんだね」


 僕は大臣に同情する。


「仕事? あんなストレスのかかる仕事、大切なわけあるかー」


「じゃあ、お金のため?」


「慎ましく暮らせば、一生暮らせる貯金があるわ!!」


「え? じゃあ、なんで仕事してるの?」


 意味が分からない。


「私が好きなのは、王子様だー」


 閑静な住宅街の真ん中で愛を叫ぶ大臣。



「どういうこと、覧?」


「愛だよ、愛」


 あ……い……?


「あ……言っちゃった……サイレントフィールドの効果も切れた住宅街のど真ん中で」


 我に返り顔を赤く染め上げる大臣。


「え? じゃあ、大臣は王子様のことが好きだったの?」


 あんなに乱暴な王子様のことが?


 ちょっと、待って。それって、ボーイズラブ? 


 いや、大臣はおじさんだから、おっさんずラブ?


「誰が聞いてるかわからないこの状況で、王子様に顔向けできない。今ここで、私の命、王子様に捧げます」


 短剣を取り出す大臣。


「ちょっと、待った。はやまっちゃダメだ、大臣」


 僕は急いで短剣を取り上げる。


「何をするのですか?」


「王子様に説明すれば、きっとわかってくれるよ」


「王子様は私の特技を知らないのです。もし、800だと思ってたステータスが、38だとばれたら、私は、クビです」


「いや、そんなことないんじゃないかな? 僕達が王様に言わなければ、ばれないよね?」


「そうかもしれません。ですが、サイレントフィールドの効果が切れた住宅街で王様の愛を叫んでしまいました。職務を乱用して、王子様の側にいたということが住民の誰かから密告されれば、王子様のおそばにもいられません」


 そこまでは僕達にもフォローできないか……


「ちなみに、大臣、自分の好きだって思いは王子様に伝えたの?」


 覧が尋ねる。


「え?」


「王子様に自分の思いを伝えたか……って覧は訊いてるんだよ」


「私なんかが、大臣に自分の思いを伝えるなど、もってのほかで……」


「大臣、身分や性別を言い訳にしていない?」


「いや、そんなことは……」


「もし、王子様が好きなら、身分も外聞も関係なしに、シンプルに好きって伝えたほうがいいよ」


「僕もそう思う」


「でも、私のステータスをみたら、ダウゴ王子様は……」


「あのね、かっこよく見せたいって気持ちも分かるんだけど、大臣はもっと自分を出していいと僕は思う」


「そうそう、告白したらどう? 本当のステータスの告白と、愛の告白」


「いいね、そのアイディア。さすが覧。王子様、器量があるから、ステータスの件は許してくれると思うし」


「許してくれるでしょうか?」


「きっと、許してくれるよ。大臣、嘘で自分を武装するって、きっと辛かったと思うんだ」


「それは……」


「最初に会った時から、無理してる感がひしひしと伝わってきたから。本当に知られたくないことは話す必要ないけど、もう、僕達にばれちゃったんだから、大臣はもっと自分をさらけ出していいと思うよ」


「ですが……」


「もし、今回の任務失敗で、クビになってしまうなら、愛の告白もラストチャンスじゃない。本音で正直に話すことが大事だと僕は思うよ」


「びの様……」


 顔を赤らめ、見つめてくる大臣。


 いや、僕に顔を赤らめさせても困るんだけどな……


「はい、正直に話してみます。ありがとうございます」


 ギュッ


 大臣に力いっぱい抱擁された。


 おじさんに好かれてもな……


 ぼんっ


 ……という音とともに、大臣が煙に包まれる。


 ごほっごほっ。


 ハグされながら、僕は、大臣と一緒に煙に包まれたので、顔をそむけた。


 ある程度煙が収まったところで、もう一度大臣と向き合う。


「え?」


 僕は、目を疑った。


「あれ? 隣に住んでる、お姉さん?」


「ああ、魔素切れでございますね」


 煙からあらわれたのは、隣に住むそばかすが多いお姉さんだった。


「これもばれちゃいましたか……」


「これも……って、どういうこと?」


嘘八百万(やおよろずのうそ)は姿形も変えることができるのです」


「じゃあ、本当の姿って……」


「この姿です」


「でも、さっきはおじさんの姿で……」


「ですから、あの姿は仮の姿です。MPの消費が激しいから、カノンを使ってないと元に戻っちゃうんです」


「じゃあ……」


「この姿が本当です」


 えーーーーー!!


 上から下までみると、手にしているものは短剣ではなく、杖で、姿も大臣の服ではなく、ネグリジェであった。


 ん? ちょっと待てよ。


 じゃあ、さっきの大臣は、自分の杖で首を切ろうとしてたってこと?


 最初から、自害するつもりはなかったってこと?


「こら、ネグリジェおばけ、びの君から離れろ!」


 覧が、僕と大臣の中に割って入る。


「ちょっと待って。じゃあ、大臣は王子様と結婚できるんじゃない?」


「王子様が同性愛者であればですけど」


 顔を赤らめさせるネグリジェお姉さん。


「ちょっと待って。同性愛者……ってことは……」


 あまりのことで、脳の処理が追い付かない。


「ダウゴ王子様って……」


「え? 女性ですよ?」


 当たり前の口ぶりをする大臣。


 あの力にものを言わす王子様が、女性?


「だって、王子様でしょ? 王子様ってことは……」


「歴代の王様はみんな女性です。ですから、女性であるダウゴ王子様は、王位第一継承者です」


「いや、ボク、王子様が『俺も男だ』……って言ってたの覚えてるよ……」


「王子様は、男の中の男に憧れていますから……」


「じゃあ、本当に、王子様は……」


「女性です」


 これがいわゆる、カルチャーショックというやつか……



ちなみに平時のオスネのステータス

 オスネ  LV8 身長:164cm 体重:秘密

 HP:38(+8)

 MP:38(+8)

 天職:ペテン師 レア度:☆

 筋力:38(+8)

 体力:38(+8)

 耐性:38(+8)

 敏捷:38(+8)

 魔力:38(+8)

 魔耐:38(+8)

 運 :38(+8)

 特技等:嘘八百万 レア度:☆☆☆

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