覧VSスライム3匹
「それじゃあ、狩りを始めようか」
「待ってました!」
「まずは、ボクが魔法の威力を試すから、びの君は、少し下がっていて」
「うん、わかった」
覧は、茂みに隠れ、モンスターの気配を探る。
「索敵能力発動」
覧は、目を閉じ、魔法に集中し始めた。
「……半径12メートル以内に、3体のモンスター確認」
おお、本格的だ。
「動きから察するに、同じモンスターだよ。ボクが倒す予定だけど、びの君も一応気を付けて」
「了解」
「ステータスチェック」
スライムLV1
HP:5(+0)
MP:7(+0)
種族:モンスター
筋力:5(+0)
体力:7(+0)
耐性:5(+0)
敏捷:7(+0)
魔力:5(+0)
魔耐:7(+0)
運 :5(+0)
技能等:なし
「ふむふむ、知能がないモンスターだと、隠そうとしないからステータス情報は駄々洩れか。身長と体重がないのは気になるけど、それも知能が低いせいなのかな?」
覧の声のした方向に1匹のスライムはにじり寄っている。
「覧、独り言、スライムにも聞こえてたみたいだよ」
「とりあえず、身体強化を……オフェンスアップ、ディフェンスアップ、スピードアップ」
「覧、なんか、闘気を纏ってるけど、それって……」
「ああ、身体強化。練度があがると、最大3分間発動して、基礎値の5倍になるんだって」
えっと……
覧の場合、どうなるんだ?
「びの君、難しい顔してるから言っておくけど、ボクの場合、12の5倍で60位だね」
「5倍? すごいじゃないか、覧」
「それは、練度の高い人の話ね」
「じゃあ、今の覧は?」
「2倍くらいにはなるんじゃないかな?」
「覧、危ない」
僕との話に気をとられた覧。
後ろから、スライムが飛び掛かってくる。
「えいっ、えいっ」
覧は僕の言葉に反応し、即座に振り返って、スライムを相手にパンチを繰り出した。
格闘経験のない覧は、動きがぎこちなく、まるで、小さい子どもがお遊戯をしているようだ。
いや、覧は、実際に子どもなんだけど。
パンチは何発かスライムへとあたり、スライムは急に虚空へと姿を消した。
「倒すと、どこかに消えちゃうのか」
覧は感心している。
感心している覧に、他のスライムがにじり寄ってきた。
「覧、次、来てるよ」
「オッケー、次は魔法だ」
おお、ついに、覧の魔法がマギカで……
覧の魔法が間近で見られる。
「ファイヤーボルト」
覧は近寄ってきたスライムに魔法を浴びせる。
スライムは火の攻撃を浴びながらも、怯まずに覧に体当たりを仕掛けてきた。
「うん、モンスターを火だるまにしても、火だるまになったままモンスターにが捨て身で体当たりしてくる時もある……と」
「覧、スライム突進してきてる」
「わかってるよ」
わかってるよと言いながら、なぜか防御もせずに、攻撃をくらう覧。
「うわ、スライムの火だるま攻撃で4もダメージ食らうんだ……他の大きなモンスターだったら、ボクなんか一発KOだよ……やっぱり、火はボク向きじゃないな……」
「覧、冷静に分析している場合じゃないと思うよ」
スライムはなおも果敢に覧に攻撃しようとする。
「ウォータースラッシュ」
覧の水の刃で真っ二つになるスライム。
「うん、こっちの方がボクにあってる」
「すごい」
……というより、怖い。
その技、剣で切ったかのような切れ味なんですけど……
「覧、後ろから、また一匹」
「よし、それなら、ウォーターとウィンドウを合成した氷魔法、フリーズ・アイス」
覧が呪文を唱えると、スライムはかっちかっちに氷漬けになり、数秒後虚空へと消えていった。
「すごいじゃないか、覧」
「えへへー」
「ところで、合成魔法って何?」
「ああ、2つの魔法をほぼ同時に使って、合体させる魔法のことだね」
「フリーズ・アイスって言ったっけ? それも、合成技なの?」
「そうだよ。技名は、ボクが命名したんだ」
「どんな技なの?」
「氷でモンスターを凍らせる技だね。ボクの今の魔力だと、-30℃位までしかいってないはずだよ」
「合成技ってことは、何の魔法と何の魔法を合体させたの?」
「水魔法と風魔法だね。今回は水魔法のウォーターで水を出して、その後、風魔法のウィンドウで水から熱エネルギーを奪って凍らせたんだ」
「その魔法があれば敵なしじゃないか」
「うーん、どうだろう。合成魔法はMPの減りがはやいから、使いどころが難しいかも。今のところ、改良の余地がありすぎるね」
「へー、そうなのか」
魔法も万能じゃないってことか……
「ふー、MP使い過ぎちゃったから、少し休憩しようか」




