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『旅野びの』と『戻衛覧』の異世界漂流記 ~ステータスがファンタスティック~  作者: いたあめ(しろ)


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びのと覧、家に到着する

「あ、ここだよ」


「ふー、やっと着いた」


 覧のガイドで、家へと着く。


 おお、屋根の色、赤というより、紅色の屋根だ。


 大きい!


 これ、絶対、4人家族向けだよね?



 魔法ギルドと不動産屋さんで、お金を払ったから、途中からバッグの重さは軽くなったけど、

 それでも、移動はつらかった。


「やっと着いたね。ボクたちの『愛の巣』に」


「いや、覧、僕はオテモ様じゃないからね? 『愛の巣』じゃないでしょ?」


「あ、ごめん、『愛の巣』って、さすがに古めかしい言い方だよね」


 いや、ネーミングのことは何一つ言及していないんだけど……


「それじゃあ、最初からやり直すよ」


「僕の話、聞いてる?」


「びの君、やっと着いたね。ボクたちの『愛の巣・フロンティア』に」


「『愛の巣』に『フロンティア』つけただけじゃないか。……というより、愛の巣から離れようか、覧」


「もう、びの君、ノリ悪いよ。新婚さん夫婦ごっこしてるのに」


「そういう、リアルなおままごとはやめようね」


 中学校2年生と小学生6年生がすると、シャレにならない。


 そして、誰かに誤解でもされたら、通報されてしまう。


「えー、いいじゃん。ぶーぶー」


「ほら、ふざけてないで鍵をあけて」


「はーい」


 覧はしゅんとしながら銀色の金属製ウォード錠の鍵を取り出し、


 かちゃり……


 鍵を開けて扉を開いた。


「おー、ほんとうにこの鍵で開いた」


「当たり前だよ、びの君。もし、開かなかったら、契約不履行で慰謝料請求しないとだよ」


「そうだね、慰謝料を請求しよう」


「国家予算くらいの金額を請求しよう」


 覧、さらっと、怖いこと言わないで。


 覧なら、本当にやりかねないんだから。


「日本みたいな玄関はないね」


 あ、そっか。ここは異世界なんだ。


「土足だと、なんか落ち着かないな」


「じゃあ、ここを玄関に見立てて、靴をここで脱ぐってのはどう?」


「そうだね」


 僕と覧は、鍵のある扉の前で靴を脱いだ。


「うん、さすが」


 覧は、一歩入るとしゃがみ込み、なにかを褒めている。


「何がさすがなの?」


「ほら、見てよ、中はピッカピカじゃないか」


「え? それって普通じゃないの?」


「普通じゃないよ。定期的に管理してたってことだもん。ひどい管理会社だと、埃まみれなんてところもあるんだから」


「そっか」


「床はワックスがぬってあるのかな? テッカテカだよ。松やにかな? いや、松やにじゃあ、ここまでテカテカしないよね? 何を使ってるんだろう? 気になるー」


 僕なら『それが、どうした?』……ってところに気付ける覧ってやっぱりすごいな。


「覧、ワックスもいいけど、モタモタしてると、日が暮れちゃうよ」


「この世界、電気がないんだっけ……」


「覧が元の世界から持って来た懐中電灯ならあるけどね」


「それじゃあ、びの君、暗くなる前に、お使いに行って来て」


「えー? お使いー? 僕、疲れてるのに」


「ボクだって疲れてるよ。でもね、びの君、ボク、これから、色々な魔法を試したいんだ」


「え? 魔法?」


「うん、今日、一通り魔法の基本を読んだから、基本魔法のファイヤーとウォーターは使えるはずなんだ」


「本当?」


「まあ、失敗しなければ」


「見せてよ」


「見せたいのはやまやまなんだけど……」


「その、ボク、初めてだから、まずは1人で練習したいなって。うまくなったら、びの君に見せたいな……って」


「そっか、そうだよね」


 誰でも、初めては、人に見られたくないよね。集中できないし、失敗するかもしれないし。


「そういうことなら、僕、買い出し行ってくる」


 僕は走り出した。


「ありがとう、びの君……って、何を買うか分かってるの」


「あー、そうだった」


「タオルはもうあるから、とりあえず、蝋燭と石鹸を買ってきてくれる?」


「え? 蝋燭? でも、懐中電灯と覧のファイヤーがあるじゃないか」


「懐中電灯だけじゃ心もとないよ。それに、ボクの魔法もできるかどうかも分からないし、その前に、MPが尽きちゃうかもしれないし」


 確かに、覧のMPは12しかないんだしな。


「それなら、マッチは?」


「うーん、懐中電灯を工夫してつけようと思ってたんだけど、火元は多い方がいいかもね」


「多分ね」


「じゃあ、マッチもよろしく」


「了解」


「あと、アイスキャンディー」


「いや、さすがに、アイスキャンディーは売ってないでしょ」


本当に、昔からアイスキャンディーが好きだな、覧は。


「わかってるよ。言ってみただけ。お店は、あの雑貨店に売ってあったから」


 ああ、さっきの店長さんのところね。


 あれ? でも最初からないのが分かってるなら、どうしてさっき買わなかったんだろう?


 覧らしくないな……


 忘れていただけか?


「うん、じゃあ、行ってくる」


 不思議に思いながらも、僕は玄関に向かって走りだした。


「びの君、ドタドタ走らない」


「ごめんごめん」


「そういえば、びの君、お金持ってるの?」


「あ、そうだった」


 僕は覧から銀貨4枚をもらう。


「もう、しっかりしてよ」


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