びの、町で評判のオテモ様の気持ちになってみる
5月1日、誤字・脱字修正しました。
内容にかわりはありません。
「じゃあ、順を追って話すね。まずは、目的。僕たちの目的は?」
「魔王を倒す」
「いや、そうなんだけど……」
「違うの?」
あれ? 最終目標は魔王を倒すことだって言ってたよね?
「最終的な目的はそうなんだけど、今回の場合は、家を買うでしょ?」
「あ、そっか」
「今回、家を買うために一番重要だったことってなんでしょう?」
「お金」
「うん、でも、もうお金はクリアしてるよね?」
「それもそうだ」
僕のリュックに、お金はたんまりある。
「ボク達の勝利条件って言えばいいのかな?」
「えっと……なんだろう?」
「不動産屋さんが子ども相手に商売をするかどうかだよ。不動産屋さんがボクたちに家を売ろうとすれば、ボクたちの勝ちだね」
「なるほど」
「不動産屋さんに家を売らせる作戦を成功させるためには、ある情報が必要でした」
「それは何?」
「ジオフの世界が一夫一妻制だということ」
「そうなの?」
「そうなの」
一夫一妻って、1人の夫に1人の妻ってことだよね? 僕たちの世界と同じじゃないか。
それで、その一夫一妻制がどう繋がるの?
「一夫一妻のこの世界で、奥さんがいるにも関わらず、他に色々な女性と付き合っている悪い貴族がいます。それは誰でしょう?」
「えっと……誰でしょう?」
「オテモ様だよ。オテモ様」
「ここでオテモ様がでてくるのか……」
なんて、うらやま……酷いことをするんだ。
やはり秒で粛清しないと。オテモ様。
「オテモ様の悪い評判は、このリネマの町に住んでいる人ならだれでも知っているんだよ」
「ふむふむ」
「ここで、オテモ様の気持ちになってみよう!!」
オテモ様の気持ちなんて、よくわからないけど、とりあえず、やってみるか。
「僕の名前はオテモ。今日も愛人増やすぜ。ひゃっはー」
「お、びの君、良い感じ」
本当にこれでいいのか?
「じゃあ、愛人を作ることができたら、オテモ様はどう思う?」
「オテモは、毎日会いたいぜ。ひゃっはー」
「うん、そうそう。で、どうする?」
自分で言ってて思ったんだけど、僕、最低じゃないか?
「早く愛人と会いたいぜ。ひゃっはー」
「いいね」
いいのかな?
僕の疑問をよそに、覧は続けた。
「でも、周りの目があるよ。村の誰かにばれたら、また噂になっちゃう。どうする?」
「え? どうすればいいの?」
「想像力を働かせて、オテモ様!!」
「いや、想像もつかないよ」
僕はそもそもオテモ様ではないしね。
「ここでの正解は、愛人と密会をするでした」
「密会ってことは秘密で会うの?」
「秘密で会っちゃうの」
「どこで?」
「いい質問ですね」
え? 僕、なんかいい質問しちゃった?
「秘密で会いたい。でも、どこへ行っても、他の人にばれてしまうリスクがある。さあ、貴族でお金持ちのオテモ様は、どうするでしょう?」
「わかんない」
んー、お金持ちの考えてることなんて、僕にはわからないや。
「作るんですね」
「作るって……何を?」
「密会場所を」
「え? それって、オテモ様が家を買いに行くってこと?」
「オテモ様は、直接不動産屋さんへは行かないかな。びの君、貴族が自分自ら不動産屋さんへ行ってごらんよ。どうなると思う?」
「え? お店に入ったことが、みんなにばれてしまう?」
「正解、正解、大正解。みんなにばれたら、また愛人と会う場所を作ってるよ……と噂になるよね?」
「うん」
「でも、それは避けたい。さあ、どうする、びの君」
「どうするって言われても……どうするの?」
「それは、自分で買わなければいいんだよ」
「自分で買わない?」
「うん、そう。自分で買わないで、他の人に買わせるの。例えば、召使いとかに」
覧は、言った後、右側の口角だけつりあげた。
召使い?
そういえば、僕達は自分のことを召使だって説明してたっけ。
「それって、僕たちのこと?」
「その通り。ボク、わざと貴族の召使いだと不動産屋さんに伝えたんだ」
おまけ(本編とは一切関係ありません)
びの「オテモ様モテモテでいいな」
???「貴方は勇者さま? 私は、オテモと申します」
びの「君がオテモ様? 僕にそっくり」
オテモ様「それなら7日間、入れ替わりませんか?」
びの「いいですよ」
オテモ様「それじゃあ、メイキャップで衣装を交換しましょう」
びの「これで、今日から僕はモテモテだ」
オテモ様の妻「あなた、こんなところでまた浮気ですか? もう逃がしません」
びの「え?」
オテモ様の妻「浮気の罰として、一週間、私がこきつかってあげますから」
びの「えーーーーーーーーーーー」
その頃
オテモ様「まじで、俺、勇者なんだって」
女の子達「え? マジで?」
オテモ様「これから、パーティー、行っちゃわない?」
女の子達「いいねー」
オテモ様は女の子達と遊びまくっていた。
7日後、交換
びの「ふー、やっと解放されたー。人使い荒いよ、あのおばさん」
覧「びの君、勇者様の権威を利用して、7日間も家に帰らず、遊びまくったんだって?」
びの「え? え?」
覧「今から、たーっぷりおしおきしてあげるからね?」
びの「えーーーーーーーーーーー」




