びのと覧が食事を楽しんでいたころ、同時刻、城内
「なあ、大臣、俺は、覧の能力が欲しいぞ。激レアなんだろ? 魔王退治させるより、我が国の文明を発展させるほうが国益になるんじゃないか?」
「ですが、覧という女、びのについていくの一点張りだったではありませんか」
覧を連れてくることは、難しいだろう。
「そこをなんとかするのが、お前の役目だろ?」
「ですが、無理矢理つれてくるのは……」
もしも、覧を強制的に連れて来たことが公になれば、私の首はとぶだろうし、ダウゴ王子様も無事では済まないだろう。
「だから、覧をそのまま連れてくるんじゃなくて、その隣にいた……」
「びのを幽閉するということですね?」
名案だ。さすが、ダウゴ王子様。
「おいおい、大臣、幽閉だなんて、物騒な物言いをするんじゃない。勇者びのは、この次期王様の超大切な友達だぞ。言い方に気をつけろ」
「もうしわけございません」
「友達、勇者びのを心配してだろ?」
「心配……でございますか?」
どういった意味だろう?
「そうだ。心配だ。びののステータスで冒険なんかしてみろ? すぐに死んでしまうだろ? この次期王様が友達をみすみす死なすことなどできないよな?」
「そうですな。次期王様のご親友を死なせることなどあってはいけないことですな」
「だから、この王室で安全に生活をしてもらうだけだ」
「そういえば、地下に安全な部屋が一室空いていましたな」
「おおそうか。それはいいな。びのには、鍵つき・檻つき・監視つきで、とても安全な場所にいてもらおう」
「それは、名案です、ダウゴ王子」
「そうだろ。びのが安全な場所にいることが分かれば、覧も、安心して科学の研究ができるだろうよ」
「しかし、今、勇者びの達はどこに……」
索敵魔法はあっても、人探しをする魔法は開発されていない。
「おい、大臣、頭を使え、頭を」
「頭ですか? 私には見当もつきません」
「びの達はここに来たばかりの根無し草なんだぞ」
「そうですな」
「それなら、必ず、どこかに宿泊しなければいけないじゃないか」
「なるほど、勇者びの達が宿泊している宿を探して寝込みを襲うというわけですな……」
「襲うんじゃない。保護してあげるんだ。野生の絶滅危惧種を守るようにな」
「それで、何人ほど手配していただけるのですか?」
「おいおい、大臣、大臣もびのと覧のステータスを見ただろ? あの二人を連れてくるだけなのに、人員なんかさいてらんないよ。人員がいればいるほど、都合が悪いんだから」
「私一人で?」
「復興で今、人手はさけないし、そもそもこれは、この次期王様の密命だ。他の人に知られるとまずい。わかれ、大臣」
一人で、すべての宿を回らなければいけないのか。どの位時間がかかるのだろう。
「まあ、あんだけお金があるんだ。高級ホテルを当たれば、一発だろう」
「はい、わかりました」
本当に高級ホテルを宿にしていればいいが……
「よし、それなら大臣、びのを連れてこい。けっしてびのを傷つけるなよ」
「かしこまりました」




