覧、ついでに木札もたかる
「それじゃあ、ボクたちは、これから冒険の支度をしようか……と言いたいところなんだけど……」
「まだ何か?」
怪訝そうな顔をする大臣。
「ボクたち、ここの住民じゃないから通行所がないから、外へ出れないんだけど」
「それならもう、手配してあります」
大臣は言いながら木札をくれた。
「これは通行所と住民票を兼ねておりますので、これがあれば、町のギルドにも所属できますよ」
「ギルドって、あのギルド?」
「あのギルドと言われても分かりませんが、ギルドに入れば、モンスターの情報を交換したり、技能を身につけたりすることもできます」
「技能って、どんな技能?」
「それは所属するギルドによりますね」
それもそうか。
いいね、ギルド。言葉にしびれる、あこがれるー。
「他には、ギルドに所属すると、どんな利益があるんですか?」
「全ギルド共通のこととしましては、動物やモンスターの素材をお金に換えることもできますし、お金を預けることもできます」
「ちなみに、どんなギルドがあるんですか?」
「主に、生産系ギルドと冒険系ギルドに分かれています。生産系ギルドには、商人ギルドや、農業ギルドや工業ギルドなどです。冒険ギルドは、剣士ギルドや格闘家ギルド、魔法ギルドや弓ギルドなどがあります。最近は、魔王討伐ギルドなんてものもできました」
「おー、魔王討伐ギルド、かっこいい!!」
「お好きなギルドへ所属してください」
「何から何まで、ありがとうございます」
「よし、それじゃ、準備しに行こうか?」
「待って、1000ゴールド運ぶのに、袋が10個もあっちゃ、移動しづらいよ」
「びの君の通学カバンに入れたら?」
「それもそうか」
通学カバンを背負うと、お気をつけてと大臣が挨拶。
そのまま見送られ城を後にした。
「それにしても、覧、支度金を交渉してつりあげるなんて、びっくりしたよ」
「当然だよ。魔王を倒すんだよ? それって、命がかかってるってことだよ! 良い装備を揃えるための必要経費だよ」
「いや、そうだとしても、やり過ぎじゃない?」
「これでも足りないくらいだよ。王子様、びの君のことを疑ったり、殴ったりしたんだから、もっとふんだくってやればよかった」
ははは、覧は根に持つタイプなのかもしれないな……
今度から言動に気を付けよう。
「それじゃあ、覧、装備品を揃えに行こう」
「いや、その前に行くところがある」
「え?」
それは、何処だろう?




