スウェード王国(1)
目を開けると、俺はベッドに寝かされていた。周りを見渡すと、これ俺ははぁとため息をつきながら、
「ここはどこだよ…。」
とつぶやいた。また転移させられたのか?
トントントン、ガチャリ。1人のメイドさんが入って来た。漫画の中にいるように錯覚するほどの可愛さを持っていて、しばらく見とれてしまっていた。
「おや、もうお目覚めになられたのですね。では参りましょうか。」
「いくってどこにですか?」
「国王陛下の元へです。」
国王陛下か、俺、マナーとかよく知らないけど大丈夫かな。クビチョンパとか嫌なんだけど、頭の中でそんなことを考えながら歩いていると、そんな俺を悟ってか、メイドさんが、
「大丈夫ですよ。国王様はそういうとこではお怒りになりませんから。」
とニコッと微笑みかけてきた。その可愛さに見惚れていながら、石造りの廊下を歩いていると、ある国旗が見えた。どこかであの国旗を見た気がするんだよなぁ。
「なっ、」
思い出した。6個の星に情熱を表す太陽、あの国旗は、アンジェリア王国と敵対していた、スウェード王国の国旗じゃないか。突然止まった俺を見て、メイドさんが不思議そうにこちらを見ている。
「どうかしましたか?」
「あ、いえ、なんでもないです。」
「はぁ、それでしたら参りましょうか。」
「は、はい。」
動揺するな俺!何も知らない風を装うんだ。てか俺大丈夫だよな?死なないよな?
ここから脱走する方法を模索していたが、タイムオーバーだった。目の前では、ずっしりとした重量感のある扉が、俺を見つめていた。
「付きましたよ。」
もういっそのこと諦めるか。潔く殺されよう。ごめん梨奈。助けてあげられなくて……。
ギィイイと開く扉の向こうには、まだ30前半ぐらいだろうと思われる、若々しい男性がいた。




