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第22話 トゥ・オブ・アス

地上はフィクシング内とは違い、静かさに包まれていた。そして何よりもさっきまで見上げていた空が若干近く感じた。


健司「さぁ、これからどうする?」


ビリー「どうするっつっても何だよ!?何が起きた!?」


エリナ「…“セット”か?これ」


健司「えっと…魔法だよ」


空気が凍った。あの頃の痛い視線が健司に突き刺さる。


ビリー「もうそういうことにするよ。で、これから何する?」


エリナ「…まずビリーの武器をどうするか、だな。ビリー?破片とか何か持っているものはないか?」


ビリー「少しの破片なら持っている。ぶっ壊された時に体にめり込んでたからな」


エリナ「だとすると、新品を買う余裕はないからそれを使って何か新しいのに変えるってのは?私も弾をそろそろ買いたいし」


ビリーが頭を抱えた。


ビリー「…だな。健司はどうする?」


健司「そうだな…俺は調査報告書を書くよ。どこから書けばいいかわからないが」


エリナ「それじゃ、ひとまず解散ってことで。終わり次第ここで集合しよう」


健司はなるべく早足で誰もいない副司令官室へと向かっていった。ビリーとエリナは疲れた足を無理やり引きずりながら市場へと向かっていった。


副司令官室の前に立つと不思議な感覚に陥る。初心を思い出すからだ。初めて職員室に入ろうとしている小学生のような感覚だ。恐る恐る扉を開け、机の上に置いてある白紙の調査報告書を手に入れる。今、ポールは何をしているのだろう。教会にいるままなのだろうか?すぐに探さなければ。


思えばフィクシングに入ったのはマジカルミステリーツアーからか、と健司は思った。それほど時間は立っていないのに凄く昔のように思える。健司は1つずつ思い出しながら書き始めた。


ビリーはエリナと別れた後、鍛冶屋を訪れた。そして粉々になったゲッティングベターを店主に渡す。


店主「どんなやつらに致しやすか?」


ビリー「こんくらいで出来んのは?」


店主「んー…パッと見だがポケットサイズくらいのものしかできやせんぜ?」


ビリーは考えた。ポケットサイズの武器を。今まで使ってきたのは大剣。小さい武器などを今更使えるかどうか。そして、それがペパー軍曹にも勝てそうなものかどうかを。


ビリー(軍曹…!!そうか!)


例え勝てなくてもいい。負けなければいい。相手が拳ならこちらも拳を。あいこならそれでいい。


ビリー「それじゃ、“ナックルダスター”を」



一方フィクシング現在最深地点にて


ペパー「…まだ、いるな?」


カイト「まっさか〜?んなばかな」


ルーシー「いや、確かに気配がする」


ロベリアはただひたすら岩陰に潜むことしか出来なかった。若干体が震えている。寒さと恐怖による震えだ。


カイト「…なるほど。確かにいるね」


ペパー「身の為だ。今ここから出るのなら許してやる。3秒以内に出ろ」


ペパーが岩に近づく。ロベリアは震えて足に力が入らない。光学迷彩装置も今手元にはない。まさに絶対絶命という言葉が相応しい状況であった。


銃声が鳴った。弾丸はペパーの頬を掠め岩に直撃した。一同は唖然とし誰1人も動かない。


ペパー「…貴様」


カイト「!!あの軍曹が傷ついたなんて!」


ルーシーがスコープを覗き、男を見つける。恐らく撃った本人だと理解した途端、その男に標準を合わせ、引き金を引いた。


男は軽々と避け、ペパーの元へ歩いていく。カイトとルーシーは武器を構えている。ペパーは頬の血をア・デイ・イン・ザ・ライフで拭き、男を睨みつける。


男「…ペパー。お前には関係のないことだ。手を出すな」


ペパー「腕は落ちていないようだな。“黒い鳥”」


ポールはピストルをリロードしながらペパーの元へ歩く。


ポール「元に戻ってくれ。ペパー。お願いだ」


ペパー「俺は今も、昔も、“ありのまま”だ」


ペパーがア・デイ・イン・ザ・ライフを構える。ポールがピストルを構える。


ポール「ならば教えてやる。あの頃と同じく“先生”として、な」



ポールとロベリアのことを考えていると余計に心配になってくる。ペパー軍曹達と鉢合わせなければいいが。とにかく、早く戻ろう。


調査報告書を書き終え、副司令官室の机に置いた。そのまま立ち去ろうとすると1人の男に声をかけられた。


男「すみません!カーミット副司令官かローゼズ司令官は今どこに?」


健司「あー…急用でいないんじゃないかな?多分」


男「ありがとうございます!あと、失礼かもしれませんが…もしかして…」


健司「?」


男が健司を注意深く観察した。


男「…第64探索部隊の健司さんですか?」


健司「そうですけど、どうしました?」


男はその言葉を聞いた途端、態度が急変し、健司に問い詰めた。


男「最近調子乗ってんじゃあないのか!?おい!?いずれテメーらを叩きのめして俺らが最深地点(1番下)へ行ってやる!!」


健司は状況を理解していない。順調に進むことの何が悪いのか。疑問が頭を覆い尽くす。


男「肝に銘じておけ!俺は第65探索部隊“ロード”のアビィだ!お前らなんて“部隊合同訓練”でぶっ殺してやる!」


アビィはそのまま廊下を音を立てて歩き帰っていった。健司は未だに疑問に思っていながらみんなと合流する為、集合地点へ向かう。


ビリーとエリナはすでに着いていた。2人は今後どうするか話し合っていた。


ビリー「おう、遅かったな。そんなに書いたのか?」


健司「あぁ、それより…それが新しい武器か?」


健司はビリーの手についているナックルダスターを指差した。


ビリー「そうだ。名は前と同じくゲッティングベターだ」


健司「似合っているよ」


ビリー「どうも」


健司とビリーは軽くグータッチをした。硬く冷たい鉄が少し心強く覚えた。


エリナ「それより、これからどうすんの?」


健司「決まってんだろ」


健司が転送装置を取り出す。


健司「俺らは帰る途中さ」


「転送まで残り10秒」


ビリー「…確かにそうだな。ちょうど試したいと思ってたところだ」


「転送まで残り6秒」


エリナ「…どうなっても知らないからね」


「転送まで残り1秒」


健司「さぁ、帰ろう」


慣れない眩い光が健司達を包み、焼け跡だけを残し、転送した。


ポールは全ての攻撃をかわし、ピストルを撃っていた。その姿はまるで慣れているようでもあった。


ポール「…そろそろ残弾が無くなるな」


ペパー「ポール!今日ここで貴様を殺す!」


突如とし真ん中に光が現れ焼け跡と3人を残し、光が消えていく。


健司「言ったろ?I'll be back(また戻ってくる)って」








アビィ・スラムバー


年齢 17歳

誕生日 4月2日

身長 172cm

体重 67kg

武器名 ハー・マジェスティ

趣味 友達と遊ぶこと 相手をねじ伏せること

特技 金の管理

好きな音楽のジャンル パンクロック



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