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第19話 イフ・アイ・フィール

あの後、果てしない時間をかけようやくロベリアがこちらの言葉を理解してくれた。ほんと大変だったよ。それに上達が早くて助かった。どうやらロベリアは相当頭が良いらしい。才色兼備かよ。我々はお互いの事を話していた。どうやらロベリアの話によると


ロベリア「私たちは元々ここに住んでいたの。私以外全員死んだけどね」


…とのこと。どうやらデズモンド達よりも奥深くに住んでいた人なんていたんだな、驚きだよ。冗談とかじゃなくて、ほんとに。


ロベリア「ケンジは…フールオンザヒル(丘の上の愚か者)?」


健司「そうだね。君と俺がいるここよりも遥かに上にあるとこで暮らしてるよ。まともな生活してないけどね」


ロベリア「可哀想…」


健司「気にしないで、慣れてるから。愚痴はもう吐いたし…そういや、なんでフィクシングにいる人達は俺らのことをそう呼ぶんだい?」


気づけばデズモンドも最初は俺らにそんな事を言っていたな。何故だろう?愚か者?一体何故そう呼ばれたのだろう?


ロベリア「叔父さんから聞いた話だけど…どうやら一時期フィクシングは、USSRユナイテッドサンサムシングロードのゴミ捨て場だったみたい。我々みたいな人たちがいることも知っておいて…」


話の残酷さに思わず息を呑んだ。これもベティスのせいなのだろうか?それとも中央政府か?どちらにせよ、許せない行為だ。必ずこの手で壊滅させてやる、そう心に誓った。


健司「…辛い話をさせてごめん」


ロベリア「いいよ、気にしないで。もう過ぎてしまった事だし」


少しの間、気まずい時間が過ぎていった。なんだかもどかしい気持ちになっていた。


健司「…そういや、ロベリアは趣味とかある?」


ロベリアは頭を抱え、考えた。


ロベリア「シュミって何?」


健司「…ごめん教えるよ」


少し時間が経ち…


ロベリア「趣味って言えば…そうね…モノ作りとか?」


健司「へぇ…例えば?」


ロベリア「じゃ、見せるよ。ついてきて!」


ロベリアが健司の右手を取り、岩だと思っていた扉の中へ入っていった。


おかしい。何故右腕が治っている?治らないはずだ。どうやって?


そのままロベリアに引っ張られ、着いたのは機械だらけの部屋だった。周りは岩だらけだったのに急に近未来的な部屋が出てきて、Fラン生徒の英文を和訳したような世界が広がっていた。若干脳が理解を拒んでいる。


ロベリアが机に置いてある腕輪を手に取る。そしてそれを腕に付け、何か操作をした。少し複雑な操作のように見えた。


ロベリア「見ててよケンジ!」


そういうとロベリアは急に消えてしまった。あまりにも突然だったので思わず驚いてしまった。


健司「…消えた?」


ロベリア「いるよ!」


また驚いてしまった。さっきと同じ反応すぎてなんか恥ずかしかった。モニターにあるサーマルセンサーを見るとちゃんと透明になっているのが分かる。モニターもあんのか。凄い技術力だな。


健司「…ってことは、光学迷彩?」


ロベリア「正解!」


健司「プレ◯ターじゃん」


ロベリア「?」


健司「…ごめん忘れて」


どうやらロベリアはこの時代には似合わないほどの技術力を持っているようだ。どこからそのような情報を手に入れたのか?全くもって謎だが、まぁいいだろう。もしかしたら我々が追い求めている答えがわかるかもしれないし、仲良くしておこう。


ロベリア「そういや、ケンジの持ってるそれは何?」


ロベリアがボロボロのリュックサックを指差した。


健司「あぁ、これはね…色々入ってんだ、見る?」


ロベリア「見る!」


リュックサックから1つずつ取り出してロベリアに見せた。とても不思議そうに眺めている。1つずつ説明しながら次のものを取り出す。


ロベリア「ケンジ?これは何?」


特に不思議がっていたのはレインコートだった。


健司「これはね…レインコートって言って、雨から体を守る為にある上着みたいなもんだよ」


ロベリア「着てみてもいい?」


健司「良いけど…今は晴れだぞ?」


ロベリアは上機嫌でレインコートを着て外を出た。外はやはり曇り1つない晴れだ。


健司「そんなことしても意味ないって」


呆れ気味で健司は言った。


ロベリア「誰がそんな事を決めたの?」


ロベリアは明るくは答えた。


健司「決めたって…そんなことをしたって何になんのさ?」


健司は少し怒り気味で質問した。


ロベリア「なるよ。思い出にね」


その言葉には芯があり、何よりも誠実さがあった。今や嘘をついてつかれるこの世の中、健司は久しぶりにその正直な心からの言葉を聞いた。


誠実、なんて孤立で孤独で、虚しい言葉なのだろう。きっと、これからの人生、こんな誠実な人なんて現れないだろう。そしてこんな言葉も聞かないだろう。たがら大切にしよう、これからも友達でいられるように。もしくはそれ以上の関係になっても仲良くいられるように。


健司はレインコートを着てロベリアの元へ走った。2人は夕日に照らされ、ひたすら子供のようにはしゃいだ。歌って、踊って、追いかけて、逃げて、走って、歩いて。そんな2人を夕日は暖かく見守っていた。








ロベリア・マッケンジー


年齢 16歳

誕生日 10月15日

体重 非公開

趣味 歌うこと

特技 発明、開発

好きな音楽のジャンル フォーク


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