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UNGIFTED-アンギフテッド-無能と《追放》された《欠陥魔術師》は努力と工夫で異世界の《大英雄》へと成り上がる  作者: モーリー
第二巻 第一章:シルバーランク

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第53話:魔造屋メイク②

見終えた後、カーニャさんが言う。


「よっしゃ!そんじゃこっちに来い!」


俺たちは顔を見合わせてから後をついていく。


案内されたのは広い部屋。


整地された地面。


部屋の端には丸太が並べられている。


まるで職業訓練所(アカデミー)の訓練場だ。


「ここは?」


「まずは動きを見せてもらう。それに合わせた装備を作るのが一番いいからな」


カーニャさんはそう言ってから丸太を指さした。


「あれに自由に攻撃してみてくれ」


「もちろん、思いっきりね」


ヘカーテさんも、眉毛を動かしながら続く。


「わかりました。まずは俺から」


俺は氷の礫と石の礫を順に生み出し投擲。


その後に丸太へと距離を詰めて、雷を纏わせた拳を打ち込んだ。


「俺は魔力は人並みにあるんですが、制御能力が著しく低いので、魔術を手から離せないんです」


呆れられる。


がっかりされる。


馬鹿にされる。


いくつかの反応を想像しながら説明した。


しかし、二人の反応はどれとも異なる。


「面白い!面白いぞ!手袋とナックルの間の物を用意しよう!」


「イイわ!イイわよぉ!動きやすくて丈夫な衣装を用意してあげちゃうわ!」


凄く楽しそうなのはいいんだけど、喜んでいいのか困る反応だな。


俺がそう思っていると、二人は興奮気味に言う。


「よっしゃ!次だ!次!」


「さぁ!ドーンドンいっちゃってっ!」


「じゃ、じゃあ、あたしがいこうか」


戸惑いながらリズはそう言って、全身と石の双剣にマナを圧縮。


高速で丸太に近づき、一瞬にして連撃を打ち込んでみせた。


するとカーニャさんとヘカーテンさんは対照的な反応を見せる。


「こいつはすげぇ!丈夫な双剣をこさえねぇとな!軽量装備も任せとけ!」


「あら残念。ワタクシの出る幕はなさそうねぇ」


その様子を見て、リズも俺と同じように、喜んでいいのか困った表情だ。


「つ、次は僕がやってみるね」


フリードはそう言って、弓を構え、弓と矢にマナを込める。


そして部屋の壁の方向に矢を放ち、大きく曲げて丸太へと命中させた。


「おいおいおい!とんでもねぇな!よっしゃまかせとけ!」


「この子のも役立てないわねぇ。せめてお洋服だけでも作ってあげるわ」


また反応が分かれる。


まぁ仕方がない。


スミスとアーティフィサーは対照的な職業だからな。


反応が重なる方が珍しい。


「わ、私はどうすれば?」


順番が回ってきたセレナが尋ねると、二人は顔を見合わせた。


「プリーストだからな。オレは役に立てん」


「プリーストちゃんは見なくても大丈夫よ。うんと可愛く仕立ててあげちゃうわ」


そう言われ、セレナは「え、あ、はい……よろしくお願いします」と答えた。


見せ場がなかったのが残念だったのだろう。


「さて、あらかた想像はできてるんだが、装備への要望はあるか?」


「なぁんでも言ってごらんなさい」


そう言われ、代表して俺が言う。


「リズの双剣は、サイズは今と同じか少し小さめでお願いします。あとは、とにかく頑丈で切れ味の良い物をお願いします」


「材質が石から鉄になると重くなることを見越してるとは、いい判断だ。任せときな」


その言葉を聞き、安心して話を次に進める。


「フリードはかなり筋力が高いです。強力で正確無比な一撃が持ち味なので、背丈ほどの大弓と矢にしようと思います。可能ですか?」


「あらあらあら!じゃあワタクシの出番じゃないの!強靭で絶対切れない弦を用意してあげちゃうわ!」


「ふむ。どの程度の大きさの弓と矢にするかは、こちらで話し合って最適な物にしておくよ」


カーニャさんの言葉を聞き、フリードが言う。


「矢は特注サイズになりますか?グランダルム以外の町でも手に入れられるものがいいんですが」


「なるほどな。ならば矢は既製品の中で一番デカい規格に合わせておくとしよう」


カーニャさんの言葉を聞き、フリードは安堵のため息をついてからお礼を言った。


「ヘカーテンさん。セレナの杖なんですが、マナの消費を抑える杖って作れますか?」


「え、ええ。そりゃまぁ。作れるっちゃ作れるけど……あなた物好きね」


驚いた表情でヘカーテンさんがそう答えると、カーニャさんは「たしか、支援魔術の効果が下がるんじゃなかったか?」と続く。


「ええ。そうよ。効果は下がるのに、たいしてマナの節約にならないから誰も望まないわよ」


その言葉を聞き、俺は自慢げに言う。


「セレナの支援魔術はレッドスコーピオンの猛毒すら治すほどに強力なんです。でもその分、マナの消費が激しくて、スキルを多用できないんですよ」


「レ、レッドスコーピオンの猛毒を治せるのか!?」


「そ、そんな凄腕プリーストちゃん見たことないわよ!」


二人の反応を見て、さっき見せ場がなくて落ち込んでいたセレナに笑顔が戻った。


「す、少しでも使用回数が増えると助かります。あと、私は筋力も体力もないので、軽くて丈夫な物にしていただけると嬉しいです」


「うふっ……うふふふふっ!おほほほほっ!あなた最高ね!やる気が漲ってきたわよぉぉ!」


セレナの言葉に、へカーテンさんは高らかに答えた。


なんとも個性的な人だが、ゴウゼンが紹介するくらいだから腕は確かなんだろうな。


そ、そういう事か!


この個性の塊を説明できなくて、ゴウゼンは説明を省いたんだ!


点と点が繋がったような感覚に見舞われた。


「あ、えっと……以上です。よろしくお願いします」


俺がそう言うと、二人は呆れながら大きなため息をついた。


え?何?どうしたの?

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