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UNGIFTED-アンギフテッド-無能と《追放》された《欠陥魔術師》は努力と工夫で異世界の《大英雄》へと成り上がる  作者: モーリー
第一巻 第四章:フリード

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第33話:ギルドマスター

広めの通路を進むと、手前と奥に扉が一つずつ。


その奥側の扉を受付女性がノックして言う。


「お連れしました」


受付女性がそう言うと、扉の向こう側からは「おう。入れ」と言う男性の声が聞こえて来た。


低く太く唸るような声質から体格のよさが伺える。


「失礼します」


受付女性がそう言って中に入り、俺たちは後に続く。


部屋に入ると、真正面にはソファーとローテーブル。


その向こう側にはデスクがあり、そこには筋肉質の男が座っていた。


髪も髭も真っ白の五十歳くらいの男性。


体格と、壁に立てかけられた大剣からウォーリアーであることは間違いないだろう。


その座っていたウォーリアーは俺たちを見るや否や、威嚇するようにマナを漲らせながら立ち上がった。


そして、威圧感を強めながら近づいてきて言う。


「俺は冒険者ギルドの長。ゴウゼンってもんだ。いくつか質問するために呼ばせてもらった」


ゴウゼンと名乗った男性ウォーリアーは、今まで見たウォーリアーの中で最も巨大で筋肉質。


そしてマナ量が多いだけでなく、マナの扱いにも長けているのが見て分かった。


間違いなく、今まで出会った中で最強の人間だ。


俺がそう思っていると、ゴウゼンは「観察は済んだか?」と前置きしてから、威圧的に話し始める。


「ファイターみてぇな体格のウィザード。遠距離攻撃が出来ねぇと記載あるが間違いねぇか?」


「ああ。間違いない」


俺が端的に答えると、ゴウゼンは眉間にしわを寄せ、さらに威圧感を増して言う。


「実家はアルベルト家。領主の家系。その大層なダークベアーの装備は、お父様にでももらったのか?それとも……盗んだんじゃねぇだろうな?」


「いや。俺が倒した。殺されかけたけどな」


俺がそう答えると、ゴウゼンは声を荒げて言う。


「あん?明らかなアンギフ野郎が倒せるほど弱い魔物じゃねぇ!いったいどうやって倒したってんだ!」


ゴウゼンのあまりの態度に、俺は拳に炎を纏わせ、構えながら答える。


「才能に恵まれぬ者(アンギフテッド)で弱いからこそ、努力と工夫を凝らして、なんとか倒したんだ。信じられねぇってんなら今見せてやろうか?」


俺は睨みつけながら「ただし、命を懸けろよ」と続けた。


するとゴウゼンは「ふん。なるほどな」と言ってから、リズに視線を移した。

なんだ?やらないのか?


俺はそう思い、様子を見ることにした。


「大きな武器が振るえない非力なウォーリアー。間違いねぇか?」


「ああ。間違いない」


ゴウゼンの言葉に、リズは静かに答えた。


するとゴウゼンは挑発するように言う。


「風の噂で、木造りの大剣を振るう小娘がいると聞いたことがある。数年前に始まった戦神祭とかいうウォーリアー同士の戦いで惨敗したらしい。それもお前か?」


「くっ……ああ。あたしのことだ」


ゴウゼンの態度に怒りを覚えながらも、リズは堪えながらそう答えた。


「職業訓練所(アカデミー)はどうやって卒業したんだ?いや、聞き方を変えよう。どんな不正をして卒業を手に入れたんだ?」


その言葉でリズがキレる。


「その時持っていた木剣で叩き割ったんだ!貴様も同じ目に遭わせてやろうか!」


リズは声を荒げながら、マナを解き放ち、一気に超圧縮。


全身と石の双剣に纏わせ、臨戦態勢に入った。


俺はリズを止めるのではなく、ゆっくりと重心を落とした。


そして、いつでも取り出せるようにロックボムの入ったポーチに手をかけ、臨戦態勢を整えた。


セレナもマナを練り、参戦準備は万端だ。


するとゴウゼンは応じずに、肩透かしをするように「最後はお前だな」とセレナに視線を向けた。


「なんでこんな明らかなアンギフを二人も抱える気になったんだ?何か裏があるんじゃねぇのか?」


「ルークさんやリズさんと違って、私も才能に恵まれぬ者(アンギフテッド)です。スキルの使用回数が少なく体力も少ない。そんな役立たずの私を、お二人が受け入れてくれてるんです」


セレナはそう答えると、口調を強めて続ける。


「私はお二人を尊敬して行動を共にしています。そんな言い方しないでください」


すると受付女性が言う。


「職業訓練所(アカデミー)卒業時の備考にはそう言った内容は記載されていません。しかし、そのプリーストと行動を共にした冒険者からの報告履歴が残っています。おそらく事実かと」


「なるほどな……」


受付女性の言葉に、ゴウゼンは短くそう答えると、俺たちを見定めるように順に見た。


そして言う。


「お前ら覚悟はできてんのか?」


「ああ。だからここに来た」


真意が多岐にわたるであろうゴウゼンの言葉に、俺が間髪入れずに答えると、リズとセレナが頷き同意を示す。


すると少し間を空けてからゴウゼンは言う。


「……認められん。出直せ」


その言葉を聞き、リズが声を荒げる。


「き、貴様!さっきから聞いてれば一方的に!」


「リズ!よせ!」


今にも斬りかかりそうになるリズを俺は止め、ゴウゼンに聞く。


「出直せってことは、また来ていいんだろ?せめて今登録できない理由を教えてくれ」


俺の言葉を聞き、ゴウゼンは微かに笑みを浮かべて答える。


「ふん。冷静じゃねぇか。いいぜ。答えてやる。俺に臆さず食って掛かってくる奴は少ねぇからな」


ゴウゼンはそう言うと、先ほどまでの威圧的な態度を消し、落ち着いた様子で続ける。


「お前らパーティ組むんだろ?ならお前ら三人のパーティの致命的な弱点を答えてみろ」


「……広範囲攻撃と遠距離攻撃だ」と答えた。


ゴウゼンの言葉に、俺が少し間を変えてから答えると、ゴウゼンは「わかってんじゃねぇか。ならせめて片方だけでもなんとかしろ。話はそれからだ」と答えた。


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