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収穫は大事、季節感も大事

長らくお待たせしました。

前を書いてから早数ヶ月、かなり

間が空いてしまいましたが何とか

ぐだぐだしながらも更新する事が

出来ました。多分次を書く時はまた

季節が進んでいそうな気がします。

キルシュブリューテが散るディアモンドの月の終わりになるともうエメラルドの月は目の前だ。エメラルドの月は5月となるのだが、ティシュヴァンフォーレにはゴールデンウィークと言うものはない。そもそもゴールデンウィークは日本独自の休みだから海外でもないだろうし、そりゃそうだよね。たから5月に祝日は存在しない…かと思っていたけれど、何とこれまた地球に似せたのか5月1日に労働者の日があるらしい。え、フォルトニア様そこまで地球に似せたの…?と思ったけど、去年も一昨年も5月1日は賢者の祝日(日曜日)だったのでルナの日が振り替え休日に何故かなってたなーと思ったんだけど、ディアモンドの月に先生から習った祝日に関しての話で聞いて納得した。5月の祝日を少し記述してみよう。


まず1日が労働者の日。これは地球と変わらないのでそこまで気にしなくて良いかも。次に王子の生誕祭だ。アムルーシュじゃなくてウィシュトヴァラ王国の王子の生誕祭と言うのが5月5日。ルシウスから聞いた話では私達よりも3歳年上なのだと言う。じゃあ今年13歳になると言う事だろうね、私は今年で10歳になる訳だし。生誕祭を私があまり知らなかったのはアムルーシュではそこまで派手にお祝いしたりしないのでそれもあるかもしれない。それから現国王の戴冠記念日が12日にあるくらいで他はこれと言った祝日はないらしい。まあ、アムルーシュの建国祭と言うか独立記念日みたいなのは秋だし、ウィシュトヴァラの建国記念日は夏なのでまだ先の話になるから記念日に関してはまた今度になりそうだ。


エメラルドの月は新緑の季節でもあり日本では新茶の季節でもあったけど、ティシュヴァンフォーレにも新茶は存在するらしい。って言うか紅茶のファーストフラッシュと言う新茶が存在するのでそれのティシュヴァンフォーレ版になるらしい。そう言うのは大体4月くらいだからちょっとこっちだと遅いのかな。まあ、とにかく新しい茶葉の季節なので貴族だけでなくちょっとした金持ちや商家の人達なんかも買い求める季節でもある。

私の家も例外なく良い茶葉を買い付けて来て、様々な美味しい紅茶を楽しむ事が出来た。紅茶に関しては去年からよく飲むようになったけど、まだお砂糖を入れないと飲めないので何時かはストレートで飲めるようにもなりたいなぁ、とは思っている。


それとは別にお母様が今年の祝賀会で良い事があったと言う話を覚えているだろうか?まあ、私はもちろん覚えているけれどね。何故上機嫌だったのかの理由の一つは、実はもう答えが出ていた。パトリシア姉様の婚約が祝賀会の時点で実は決まっていたと言うのだ。ベルラントさんとこの間婚約が決まったけど、お母様が祝賀会でベルラントさんのご両親と話をしたらしくて、その時に向こうからパトリシア姉様とベルラントさんの婚約を願い出て来てくれたのだとか。まあ、それを先に言っちゃうとベルラントさんが折角プロポーズしてくれたのに雰囲気とかそう言うのが台無しになってしまうから言わなかったとかなんだろうな。アメジストの月の14日以来、パトリシア姉様が不安そうな顔を見せる事はなかったので、二人は上手くやっているのだと思う。何しろたまに惚気てくるから時々返事に困ったりはするし…。

それはそれとして、もう一つ良い知らせがあるとお母様は言っていたのだが、実は食べ物に関する吉報だった。私やフォルトニア様、パトリシア姉様やデルフィーナ姉様も大好きなお菓子に関する話だ。そう、カカオールことカカオがアムルーシュで栽培及び収穫に成功したと言う嬉しい話だった。栽培している場所はトラウィスアードから馬車で一時間だからそこまで遠いと言う訳ではなさそうだ。カカオールが栽培されると言う地域はノクアスピアと言う地名で、偶然そこを見つけて数年前から苗を植えてウィシュトヴァラの栽培を手本にして育てていたのだそう。カカオールはそもそも熱帯気候の場所でなければならないから、アムルーシュの中から探すのはかなり苦労はしたみたいだけど、栽培に適した環境が見つかったのは嬉しい悲鳴と言うのが上がったんじゃないかな。ただ、喜びだけだと言う訳でないのは私がもう少し大人に近付いた時に思い知る事になったのだけれど、それはその時が来たら話そうと思う。


エメラルドの月は初めてカカオールの実の収穫を間近で見る事が出来たのはちょっと貴重な体験だった。カカオールの実ってあんな感じなんだ…と興味津々で収穫を見学していた。一緒に来ていたハインリッヒはここの人から話を聞いたことがあるらしいので聞いてみる。



「ハインリッヒ、カカオールは毎年今の時期に収穫されるのですか?」


「ええ、カカオールの実は毎年二回収穫されるそうです。エメラルドの月とオパールの月に収穫されますね。」


「そうなのですね…。ここに住む方々が頑張って下さっているのがよく判ります。」


「はい。見ての通り手作業でございますから、これが大変なのは判ります。私どもも頭が下がるばかりです。」



収穫をしてくれているのはいわゆるノクアスピアに住む地元民の人々だ。彼らが頑張ってくれているのを私達は近くで見ていたが体力が凄くありそうな感じがする。

ノクアスピアはアムルーシュの南の方にあるが首都やその付近に住む人とは少し生活習慣やちょっとした言語の違いや外見なども多少違うので、別の国の人かな、と思う人も多かったみたい。あれかな、地球で言う所の国や肌の色や文化が違うと何か違うと考える感覚に似ているのかもしれない。でも、多少言葉に訛りがあっても話は通じるっぽいので同じアムルーシュの国民だと思う、と言うのはこの地に苗を植えた人の談らしい。確かにちょっと訛りは強かったけど、違う人種とは私も思わなかった。私は会った事はないが、お母様は会った事があるらしいノクアスピアから近い場所に住む大きな農家さんがカカオールをここで栽培しようと植えたのが最初だった。その農家さんは貴族の屋敷に野菜を卸している人でもあるのでそれも関係しているのかもしれない。これ以上の話は進展と言うかノクアスピアに関しては複雑な話になるのでまた今度にしよう。まだ子供の私の身では流石にややこしい話はまとめにくいのでそれもあるんだけどね。


そうしてエメラルドの月が過ぎて行く中でカカオールに関しての話は一旦終わり、ムーンストーンの月に入れば気温も上がり、梅雨はないが何故か雨が多い月でもあるので気候を研究している学者さん達は何が要因なのか、何時まで雨が多い日が続くのかを調査して、それに名前をつけようとしているみたい。え、もしかして雨期みたいなものがティシュヴァンフォーレにもあるの?

まあ、研究とかは時間がそれなりにかかるだろうから気長に待てば良いか。雨の日はこの世界でも傘をさして外を歩く。地球みたいな傘ではないけれど、レトナークが開発した水を弾く布を使った傘が普及している。布だから色も様々あるので、同じ要領で作ったレインコートなんかもある。それを身に付けて馬車まで歩く。カラフルな傘が学園に溢れているのを見ながら、この風景はこの世界でも地球でも変わらないのだな、と不思議な懐かしさを感じながら夏も近いのかな、とぼんやり考えながら下校の鐘が鳴る中でファニタと一緒に乗り込んだ馬車の中から外を眺めた。流れる風景は雨に濡れた草花が生き生きとしていて、雨も悪くないな、と子供ながらにちょっとした楽しさを見つけたムーンストーンの月はまだ始まったばかりだ。

話の中では6月に入りますが

現実に追い付かれないように

頑張りたいと思います…。

なお、カカオールの話は

主人公が中等部に進級した辺りで

また出したいなーとかは

思っていたりします。

現地の人と小金持ちな農家さん

との間に何やらありそうな気配が

するように書いたつもりですが

詳しく書いてないのでその辺は

また別の機会に書きたいです。

では次回はいつになるかは判りませんが

また夏の話になるかと思います。

パトリシアの誕生日の話が多分来るかな

とは思うので気長にお待ち下さい。

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