表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/59

春が来る、恋もイベントも来る

お話の中では一月から三月にかけての

季節ですが、春先には主人公の兄である

フェリクスとデルフィーナの挙式があるので

それとパトリシアの初恋に関しても

書きたいな、と思っています。

パトリシア姉様の初恋らしきものが発覚してから、数週間。祝賀会から帰ってきたお母様は、かなり喜んで、やっとパトリシアにも好い人が出来たのね、と涙していたのが記憶に新しい。冬季休暇も終わり、ガーネットの月からアメジストの月へともうすぐ入ろうとしているが、なかなか寒さがましになる気配はない。

あれからパトリシア姉様は普段と変わらないように見えるが、最近は剣の稽古の時間よりも、本を読む時間が増えてきたように思う。普段からはなかなか本を読まなかったパトリシア姉様だが、ベルラントさんが好きな本を読めるように頑張っているのだとか。やはり恋とは人を少なからず変えてしまうものなのかもしれない。私?いや、まだ8歳の女の子が初恋を覚えるのは早いような気がするので、それはまだ先の話だ。パトリシア姉様もこの機会に是非とも読書の良さを知ってもらいたい。私は元々読書が好きなので、本を読まない日はないくらいには読んでいるけれどもね。



アメジストの月に入ってからまた一週間程が経過したが、ティシュヴァンフォーレにバレンタインの概念はやはりないらしい。その代わりと言うか何と言うか、春先になると、綺麗に咲き誇る、国で一番大きなキルシュブリューテの木の下で異性に告白すると結ばれる、と言う風習みたいなものがあり、プロポーズなども春先に盛んに行われているらしい。そのせいか、春になると行事やイベントかたくさんあったりはする。結婚式も春に行われている事が多いのもこのせいなのだとか。そうだよね、日本じゃないのだからそれは流石にないよね、と思っていたのだが…。



何と、似たような伝説と言うか、アメジストの月の14日に、伝説の賢者様が、奥さんである女性から初めて贈り物をもらった日である、と言われていて、その日は賢者の祝い日となっているのだとか。

それから数十年、今ではその日に男女共に異性に贈り物をする習慣がある。基本的にはお菓子を贈るのだが、それ以外にも花束やアクセサリーを贈る人もいるそうだ。それは恋人たちだけなんだろうな、と思ったら、家族や友人同士で贈る事も珍しい事ではないらしい。

そう言えば、去年の今頃に、お母様からお菓子を買ってもらったが、この事だったのかもしれない。だとしたら、理由が判った私としては何かお母様に贈ってあげよう。とは言っても、まだ幼い私には出来ることは限られているので、手作りの栞を作ってあげてみた。



「あらまあ、ありがとうミレーナ、大事に使いますからね。」



そうしたら、思いの外お母様は喜んでくれたようなので、来年も何か手作りの小物を作ってみよう。

その頃、パトリシア姉様はと言うと、メリアンヌさんから教えてもらいながら、編み物をしているのだとか。初恋が判ってから1ヶ月と少し、着実に前進はしているようた。

少し出来上がりはほつれたりしていたようだが、編みぐるみを無事にベルラントさんに渡せたらしい。ベルラントさんにそうやって贈り物をするのはパトリシア姉様とメリアンヌさんだけだったのだとか。

これは、もしかしたら何ヵ月かしたら何か進展があるかもしれないなあ。それからまた一月と日にちが過ぎていった、アクアマリンの月には、パトリシア姉様がベルラントさんからお手紙が来たのよ、とうきうきとしながら話をしている事も珍しくない日が続いていた訳だが、更なる進展があったのは、もう来月には新入生の季節だな、と春の気配と、フェリクス兄様とデルフィーナさんの挙式が近付いてきた、そんな時期からもう少し先になるけれど進展らしいものは少しずつあるみたいだ。


何だろう、春が近付くとやはりイベントが起こりやすいものなんだろうか?そればかりは、フォルトニア様ですら判らないかもしれない。


簡単な用語解説


賢者の祝い日

伝説の賢者、ベルカイムが奥さんから

初めて贈り物をもらった記念日、

それが嬉しすぎて、その日はみんな

夫婦で贈り物すればいいんじゃね?

ってのを広めた結果がこうなった。

日本ではバレンタインの日だが、賢者が

狙ってその日になったかどうかは

定かではない。

なお、賢者の祝日とはまた別カウント。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ