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姉にフラグが立ったようです

春くらいにはパトリシアも

落ち着いている…とは思いますが、

ついに恋愛に発展しそう

なので主人公共々応援しようと

思います。

年が明けた。年明けには新年会ならぬ祝賀会みたいなものが貴族の世界にはあるのだが、年明けの二日目辺りに毎年開かれており、成人した男女の社交場であり、情報交換の場でもある。アムルーシュではトラウィスアードの宮廷で行われて、ウィシュトヴァラではルツヘルムにあるお城で行われるのだそうだ。成人した男女と言う事は、デビュタントで華々しく社交界へと足を踏み入れた王公貴族の子息や令嬢などもたくさん参加しているのだから、娘や息子に良い見合い相手が見つからないか、と言った打算的な考えを持つ貴族が割と多いらしい。



パトリシア姉様はまだデビュタントを迎えていないので、新年の祝賀会には参加できないが、いずれ参加しなくてはいけないのは判っているとは思うけど、果たして残り二年を切っているのに立派な淑女として振る舞えるのだろうか?私やパトリシア姉様自身の誕生日パーティーなどでは一応、貴族としての振るまいには問題ないくらいには身に付いているが、親しい家族や親戚の前では貴族らしさが半減して、貴族としての振る舞いもぼろが出る事が多々ある。なので、今年からはヒルデガルド先生やリーゼロッテ先生にみっちり指導してもらう事になりそうだ。まあ、パーティーでは大体が美味しそうな食べ物やお菓子に目がいっているので、年頃なのに同年代の異性が気になるなどの話を全くしないのがパトリシア姉様だ。今年の夏になってもこんな状態だと、フェリクス兄様くらいの年齢になってもまだ恋人がいないなどと言う貴族の令嬢としてかなりまずい立場になってしまいそうで少し怖い。お母様も『パトリシアをお嫁に欲しがる方なんて見つかるのかしら』と心配していたので、今年の春にはフェリクス兄様がデルフィーナさんと結婚式があるからそこでもう少し恋愛とかに興味を持てば良いなあ…。興味が出るかどうかは、パトリシア姉様次第だから、ここは見守るしかないのだけれどね。



ちなみに、祝賀会の主催はお父様とお母様なので、私とパトリシア姉様はお留守番だ。そして成人しているタールベルク公爵家の者はアムルーシュの支配階級に位置しているので、行かない訳にはいけないからだ。もちろん、成人済みのフェリクス兄様とデルフィーナさんは参加しなくてはいけないし、義務であるとも言えるだろう。フェリクス兄様は長男だし、式が決まったデルフィーナさんは将来タールベルク公爵家を継ぐフェリクス兄様の妻となり、公爵夫人になると思うので少し早いが主催者側としても参加しているのだ。まあ、デルフィーナさんは去年の夏に会って以来、何度かタールベルク公爵邸に顔を出したりして仲良くしているから、とても優しくて貴族の令嬢としての振る舞いもほぼ完璧だ。お母様からもお墨付きをもらっているくらいだから、デルフィーナさんの実家も鼻が高い事だろう。

数年後、そのデルフィーナさんと並ばなくてはならないパトリシア姉様には是非頑張っていただきたいものだが、やっぱり比較されたりするのは結構きついんじゃないかな。嫁入りしたデルフィーナさんと、義理の妹になってしまうパトリシア姉様が比較されると、タールベルク家自体がちょっと問題がある家庭だと思われたりしたら嫌だからね。せめてもう少しおしとやかになったりしては…と思ってパトリシア姉様の現在の様子を見ると、中庭で剣の稽古をしている。うん、おしとやかになるのは難しいかもしれない気がする…。お母様が心配するのも無理はないかもしれない。



「ミレーナお嬢様、そろそろ休憩してお茶でもいかがでしょうか?」



冬休み明けの授業に向けて勉強していた私の様子を側で見ていたディートハルトが、そろそろおやつの時間であるので休憩してはどうか、と声をかけてきた。もうそんな時間になっていたのは気付かなかった。勉強に集中しすぎたかもしれない。ちょっと休憩した方が良いかも。疲れた時は甘いものが良いらしいからね。パトリシア姉様も剣の稽古を終わらせて屋敷の中に入って来たみたいだ。体を動かす事でいつももやもやしたものが吹き飛ぶって言ってたから、気分は落ち着いているはずだが…何故だか珍しくお菓子を前にため息をついていた。パトリシア姉様にしては珍しい。どうしたのだろうか?



「パトリシア姉様、どうかされたのですか?」


「ミレーナ、うん、ちょっと気になる事があるのよ。剣の稽古をしたらまぎれると思ったんだけれど、駄目だったわ。」



パトリシア姉様が気掛かりになる事があるとは珍しい事もあるものだ。年末にフィーリルトン学園の友人の所へ遊びに行ってから、そう言えば様子がいつもと違っていた気もする。友人と言ってもパトリシア姉様には女性の友人がほとんどなので、ある意味お父様などは安心しているようだが。気になる事がある、と言うのが何のことなのかを聞いてみよう。



パトリシア姉様の話によると、友人のメリアンヌと言う人の屋敷に遊びに行った時に、たまたまメリアンヌさんのお兄さんと挨拶したらしいのだが、そのお兄さんが気になって仕方がないのだとか。あれ、もしかしなくてもこれは、ついにあのパトリシア姉様にやっと春が来たのではなかろうか?話を聞いていると、そのお兄さんの名前はベルトラント、王国騎士団に所属しており、フェリクス兄様の後輩にあたるらしい。今年の春には卒業をして、騎士団としての仕事に専念するらしい。その年で婚約者がいないはずがないので、それも調べてみたらいないのだそうだ。好きな食べ物やどんな趣味があるのかなどを聞いた結果、趣味はパトリシア姉様とは対照的で、読書や音楽、絵を描いたりする事が好きで、メリアンヌさんに聞いた所、大人しい雰囲気の女性が好きなのだとか。ああ、パトリシア姉様とは正反対の女性が好みとかなると、それはもやもやしてしまうだろうな。これは私だけでは対応出来ないので、お母様が帰って来てから相談してみよう。


簡単な人物紹介


メリアンヌ

パトリシアの友人で伯爵家の令嬢。

金茶の髪に綺麗な紫色の目をした

なかなか親しみやすい雰囲気が

普段からするので、パトリシアとは

仲が良く、友人も多いタイプ。

顔は大人しい感じで可愛いと言える。

パトリシアが自分の兄に好意があるのは

知っているので応援している。

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