第六十三話 継承式の道のり
継承式当日、朝早くお城の前までやってきた。
「おお、シンよ。来たか」
「おはようございます。いよいよですね」
城からはここの王『ドノヴァン・エスルマ』と、息子の『ヴァファー・エスルマ』が出てきた。あとはこの国の冒険者たちが続けてやってきた。その中にレイもいた。
今日観覧する人は、ここの王とその息子、そして血縁関係となるドノヴァンの弟『エファラ』、王都の王、シンを入れたそれぞれの国の冒険者三名ずつの合計六人が護衛としていく。あまりにも少ないと思ったが、別に大人数で行う必要はないとのこと。
「それでは目的の森はここから東の門を出て、奥深くに進む。ただしこれから見るものは他言無用だ」
継承式がどんな内容かは大まかに知っている。この国の次期王を決めるという話だ。まあ、多分神頼みってやつかな。
そうしてみんなを乗せた馬車が目的地へと向かった。馬車は三つ。一つはドノヴァンとヴァファーを乗せたもの、一つは我が王カリストを乗せたもの、もう一つはドノヴァンの弟のエファラを乗せた馬車。
ドノヴァンの馬車に獣人の冒険者二人、カリストの乗る馬車はミアとニア。そして、エファラの馬車にシンとレイが乗った。
そこで、なぜこの組み合わせなのかはエファラからの指定であった。断ったはずなのに、カリストから行ってらっしゃいと乗せられたのだった。
全員乗ったことによって馬車は進み始めた。
◇
「……王都の冒険者、それも我々同等の存在」
エファラの突然の発言に、ずっと外を見ていたシンの視点を動かせた。
「改めて、私の名はエファラ・エスルマだ」
「どうも……」
シンはあまり人と話すことが苦手な性格だ。会話は続かない。
「……そうだな、単刀直入に言おう」
何を話し始めると思ったが、まさかの人物の名前が出てきた。
「カナリア、君があの子を助けた人物だね」
手に頬を乗せていた状態から、自然に落ちた。どうしてその名前が出てくるのか、わからない。
「エファラ様はすべて知っていらっしゃる。実は、エファラ様に話す機会があってすべて話したんだ」
それは、エファラが兄ドノヴァンの悪事をレイに話したのがきっかけらしい。




