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第五十四話 黒霧とシン
地面に血が広がり、魔人の胸はシンの右手に貫かれ心臓が握られていた。この光景に誰もが呼吸を忘れ、驚愕するしかなかった。
「な、なぜだ……わたしの洗脳魔法は完全に――がっ!!」
魔族が何が起こっているのかわからずシンは考える隙すら与えず殺してしまった。だが、彼は洗脳魔法には掛かったままの状態である。洗脳を解くために誰もがシンを取り押さえようと動こうとした。しかし、シンから放たれるオーラで硬直状態にある。そして、シンはぼそっと言葉を放ち、その場で倒れた。
倒れたシンに名前を叫びながら駆け寄るレナードたち。彼を揺さぶるが反応はなく静かに眠るように、心臓が弱くなっていた。
その後、シンは王宮にある医療室の一部屋へと運ばれ治療を受けてた。原因は不明の昏睡状態。ただしレナードたちの話からしてシンは魔族が作り出した洗脳魔法『黒霧』が入り込んだのが関係しているのではないかと推測されたが、結局は原因不明。
眠りについて一週間が経つのだが未だに目覚めることのなくただ静かな寝息だけが彼の生きている証拠にしかなかった。その間にも誰も知らない、レイドで倒したドラゴンの死体付近地面深くに、徐々に腐食が浸食していることに。




