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番外編 女子会

「キレイだな」


 王都の展望台へミアとニアとの三人で太陽と月がちょうど並ぶ景色を眺めていた時にカナリアがそうつぶやいた。


注意:ファッションは無知でただ調べて似合いものを想像して書いているためおかしなところが出てしまっているかもしれませんがそこはご了承くだい。

 朝、小鳥たちはチュンチュンと声を立てて鳴いている。昨夜はいつもより賑わってしまったおかげで目覚めがよかった。それはシンの、いや、カナリアのベットで一緒に寝ている彼女たちのおかげだろう。カナリアは朝に弱いのだがそれは誰かに起こされたらの話だ。それはそうとこの爆睡している双子の姉妹をどうしたものか。思いついた方法は一つ、彼女たちのほっぺをつつくのだった。


「……ぅん」

「……むぅ、眠い」


 眠そうにかわいいことを言いながら彼女たちは毛布の中に入っていってしまった。過去の自分を重ねながらカナリアはくすりと笑ってしまった。そんな笑い声を聞いたニアがカナリアに抱き着いてきたのだ。


「あるじ、おはよう」

「うんおはよ、ニア」


 まだ寝ぼけているのかぽわぽわした雰囲気を放ってカナリアのお腹に顔を埋めそのまま頬ずりをしたのだ。自身が女であると告白してからなのか彼女たちのスキンシップがより激しくなった。前はそんなくっつくようなことはしてこなかったがニアは甘えん坊でたびたび頭を撫でるよう要求してくることがあった。そんなことを思い返しながらニアを撫でることに集中していたら背後から迫ってきた猫ちゃんに気づかず首に腕を回されそのまま抱き着かれてしまった。


「……ニアだけずるい」


 ミアだった。彼女も寝ぼけており甘い雰囲気でカナリアの耳元で囁いた。ミアはあまりスキンシップは少いが嫉妬心が強いためニアが甘えると嫉妬で恥ずかしながら撫でてほしいと要求してくるのだ。二人とも撫でられることが好きなところが姉妹だなと感じた。それでも少し目のやり場に困ってきた。なにせ、彼女たちはカナリアよりもおへそが出ている寝衣を着ておりミアに関しては、その、谷間が……あまり触れないでおこう。そんなこんなで彼女たちとの朝を迎え身支度をし今日の予定していたことをするのだ。それは、女子会だ。



 日差しが差し込む王都。いつものように広場では食べ物や装飾品、武器や花などの露店が出回っていた。まずはここで朝食を食べることだった。いつもはギルドで済ませていたのだが今日はシンではなくカナリアとして過ごすため冒険者を忘れ、女の子として今日一日ずっとこれでいくのだ。


「はいお待ち!」

「ありがとうございます」


 朝食で選んだのはパンの間に野菜やチーズなどの入れ鉄板で押し付けたサンドイッチを食べることにした。三人分を頼み店主さんサンドイッチの入った紙袋を受け取りった。広場にはいくつかベンチが設置されておりそこで座っているミアとニアの元へ戻った。ベンチに座っている彼女たちはかわいらしい服を着ておりミアはワンピースのブラウスで吊りスカートを着ており胸元に小さな蝶結びのリボンが付いていた。ニアは肩紐が出ているオフショルダーブラウスとロリータトップブラウスを着こんでいた。これは帝国の洋服屋で買ったものだ。何気に彼女たちの私服を見るのは初めてだ。


「これが鉄板焼きサンドイッチ」

「いい匂い、おいしそう」


 彼女たちは珍しそうな目で見ながらサンドイッチを受け取り頬張るようにかじりついた。鉄板焼きにしたサンドイッチでも野菜のチーズがかみ合い味わい深かかった。カナリアはそんな彼女たちを見ながらサンドイッチを一口食べた。食べていく内に少し緊張がほどけた気がし黙々と食べ進めた。


「ご主人様ってそんな顔で食べているんだ」

「え?」


 何かを食べるときの顔は誰だって無意識に出てしまっている。だがそんなことを言われては手を止めずにはいられない。初めて言われて戸惑ってしまい目を丸くしてしまった。


「確かに、あるじはいつもお面をつけていたけど、今日はあるじの裏の顔見放題」

「……ふ、ちょっと言い方があれだけど確かにそうだね」


 ニアの言う通り、カナリアはいつも仮面をつけているため素顔を晒すことはあまりない。昨日のお茶会では仮面を外してお菓子を食べお茶を飲んでいたがそれはカウントしないらしい。だが今日はすべてを忘れ本当の自分を晒す日。だから気づかないうちにうれしい気持ちが顔に出ていたらしい。照れてしまい顔を赤くしてしまいながら顔を下に向けあまり見られないようサンドイッチに再び手をつけた。



 朝食を済ませ続いて向かった場所は洋服店だった。それは彼女たちに両手を引っ張られ連れてこさせられた場所である。カナリアの私服が長袖に長ズボンといったシンプルな服装であるため連れてこさせられてしまったのだ。彼女は宿の部屋以外ではずっと真っ黒一式スタイルであるため私服はこれしか持っていないのである。と、いうことでカナリアの着せ替えタイムということである。


一着目:シンプルな白いワンピース一式


 ふわっとしたAラインを揺らせながら左右なびかせた。腰に蝶結びのリボンがつけられておりきれいな黄色い髪とマッチしており獣人用であるためお尻から尻尾が出せるためより美しいらしい。


「え、かわいい」

「あるじ、ないす」


 二人には高評らしいがカナリアは少し恥ずかしがっている。あまりにも幼い感じがしたからだ。


二着目:きれいめカジュアル


 灰色のスラックスにフリルネックカラーシャツの白という先ほどとは真逆のファッション。


「お姉様」

「あるじ、かっこいい」


 またまた高評だった。これは少し先ほどよりはましになったがあまりしっくりとこなかった。


三着目:ミアのファッション


 ここで着てまさかのミアと同じものを着るとは。


「いい、すごくいい」

「あるじ、かわいい」


 二人とも興奮気味で高評だ。うん、恥ずかしいね。それならまだ最初に着たワンピースの方がましだったと思った。だって足短いし恥ずかしい!


四着目:ニアのファッション


 ミアがくれば今度はニアだとわかっていたが、これは少し危ないかもしれない。


「やっば……」

「あるじ、えっちい」


 もう着せ替えタイムを終わらせなければいろいろ危ないところまできてしまったようだ。ただニアは肩にかかっているがカナリアの場合は背中のほうはクロスになっているためこのように彼女たちは興奮を通り越しているのだ。


五着目:コンサバ


 灰色のレザーベルトのアシンメトリープリーツスカートに白いブラウスである。


「完璧じゃん」

「あるじ、センスある」


 何とか落ち着いた彼女たちも高評の声があったのでこれを買うことにした。着てみてわかったが全部欲しかった、しかしあまり買いすぎるとまた着せ替えタイムに襲われてしまうためやめた。


 そんなこんなでカナリアの私服選びは無事、幕を閉じた。



 洋服を見ていたらいつの間にかお昼を過ぎていた。それぐらい熱中していたのだというのがわかった。お昼は軽めのものが食べたいと思い洋服屋から歩いてすぐにあるパフェ屋へ入った。一人前を頼むとそれは一人で食べられるかと言わんばかりの大きさなので三人で分けることにした。


「……食べずらいよ」


 カナリアは誰かさんの視線のせいでパフェが食べずらくなっているのだ。それは対面するように座ればいいのにわざわざ二人してカナリアの隣に座ったのだ。何かを企んでいるのはわかるしかしそれはたぶんあれなのだろうと。そう想像していたらニアがパフェのチョコ部分をスプーンですくってこちらに向けてきた。ミアも負けないとパフェのクリームの部分をすくい向けてきた。


「「あーん」」


 サイドからのあーんにカナリアは仕方ないなと言葉をこぼしながらそれぞれを食べた。二人はうれしそうな顔を見せ三人で仲良くパフェを完食したのだった。



 日がだんだんと沈んでいきちょうど時間がいいため王都が誇る展望台へと登った。先ほどまでいた広場や洋服屋、パフェ屋までが見えた。


「キレイだな」


 王都の展望台へミアとニアとの三人で太陽と月がちょうど並ぶ景色を眺めていた時にカナリアがそうつぶやいた。それは言葉では表せないほどキレイだったのだ。夕日のオレンジと夜空の青黒さがぶつかるような、そんな光景にカナリアは見とれてしまったのだ。そんな彼女を見た二人はカナリアの腕の中に入っていったのだ。そんな彼女たちを撫でながらふと呟いてしまっていた。


「これもお前たちと一緒にいられたからこう思えるのかな」


 それは自分が望んだ仲間と、そして家族同然の二人と出会えたからこそ出た言葉。その言葉にミアとニアは照れニヤニヤしながらカナリアを抱きしめた。それから完全な夜空に染まるまでその場で景色を眺めていた。

「……もうおしまいなのでは?」


 お出かけも無事終了しカナリアは今日が終わればまたシンへと戻ってしまう。寂しいことだがこれが最後ってわけでもないので気にしなかった。そうしてベットへ入いり仰向けになっていたら布団の中で何か違和感を感じた。二人の温もりを感じ布団をめくるとそこにはミアとニアが潜っていたんのだ。


「明日からまた正体を隠しちゃうなら今夜は一緒に寝たい」

「一緒に寝る、それがあるじの宿命」


 かわいいこという二人(?)はお願いとキラキラの目で訴えてきておりカナリアはそのまま腕に来るよう大きく広げた。二人は嬉しそうに飛び乗った。


「ありがとう二人とも、久しぶりの楽しい休日を過ごせたよ。それじゃあ、おやすみ」


 ベットの頭にあったランタンの火を消し部屋は月の光に照らされた。暗すぎない優しい光に包まれながら彼女たちと深い眠りについた。


番外編 女子会:完

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