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第四十一話 迷宮攻略:開始

「はぁ、こんなことさっさと終わらせて帰りましょ」

「迷宮、不愉快」

「これが終わったらお前たちの欲しい物でも買ってあげるよ」


 二人の猫族の少女ミアとニアはめんどくさそうに迷宮内を歩いておりそんな二人をなだめるようにシンは自身の冒険者ランク昇格依頼に付き合わせているので彼女たちの欲しい物で機嫌を取ろうとしていた。


 ここは巨大迷宮と言ってダンジョンのようなものだ。迷宮でも大きさがあるそうで古くからあるであればあるほど深くなっており魔物が掘り進んでアリの巣状態になっているそうだ。


 迷宮の魔物には紫のクリスタルが体から生えておりそれは魔力によって生み出されている。これは迷宮の魔物の特徴の一つであり長時間魔力を密集した場所で当たっているとこのように生えてくるのだという。これは魔族の魔力であり魔物しか効かないので人間はこのような体からクリスタルが生えることはない。


「分かれ道だけど右からあいつらの匂いがするから私たちは左へ行こう」


 どんだけあいつらと会いたくないのかがわかる声で答えるミア。


 確かにここまで進んで来たが魔物に全然遭遇しなかった。それは彼らが狩り進んでいたからであり魔物が残っているであろう左の道へと進むことにした。


 迷宮の壁は石であり洞窟のような場所であるのに明るい。


「それにしてもここって困らない明るさ」

「これは明石(めいせき)って言って石が魔力を吸って進化したのがこれらしい」


 すっかり忘れていたがシンには鑑定スキルを持っているため明石の説明ができるのだ。


 明石:密集したエリアかつ魔力に当てられた石が急激に進化した石。


 ダンジョンでもこのように明るいものこの石のおかげであるのだ。


 そんなことを説明しながらいつも間にか広い空間の場所へ出てきたのだ。


「ようやく獲物がきた」

「これは、面白くなってきた」


 広い空間の中央には一匹の大きな狼が座っていたのだ。真っ黒な巨大な狼がこちらに気づくと恐る恐ると起き上がり低く態勢をとりこちらを睨みつけた。


「何気に初めてのパーティー戦だな」

「足引っ張らないでね」

「これが終わったら、ここで休憩しよ」


 シンは拳を狼に向けミアとニアは体を低くしそれぞれ戦闘態勢へと入った。


 狼はこちらへと走ってきた。徐々に大きくにつれ狼はシン目掛けて走ってきていた。ミアとニアは横へ避けシンはそのまま狼が迫ってくるのを待っていた。


 シンの目の前にきた狼は噛み砕くようにお大きく口を広げ突っ込んできたのだ。だが、シンはその攻撃を視えていたため勢いよく後ろへ一回転して下がりちょうど狼が口を閉じた瞬間に顔を上へ蹴り飛ばした。


 攻撃で狼は顔を上に逸らすような体制へなったところでミアとニアは喉に狙いを定め走り出し蹴りを入れた。ミアとニアのダブル攻撃により狼はそのまま倒れ込んでしまった。


「あれ、もうおしまい?」

「あっけなかった、では少し休憩を」


 あまり体を動かせなかったことに不満が少しあるもののすぐ終わったことを良しに二人は地面に座り込んでしまった。ただ、一人だけ悩んでいた。


(……力加減難しいな)


 シンが狼の頭に蹴りを入れた瞬間、勝敗は決まっていたがミアとニアの最後のトドメを刺して終わったのだ。恐るべし訓練されし肉体。


 そんなこんなで狼の体に生えている魔力のクリスタルを取って何かに使えると思いしまい彼女たちの休憩が終わるまで周囲を警戒しながらくつろいだ。

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