第三十話 魔法の勉強会
「では、魔法の勉強会を始めます」
「うっす」
ここは王都にあるレイラが拠点としている魔法研究をするための研究所でありレイラの家である。
「それはそうとよかったのですか? 王族から呼び出しがあったみたいだけど……」
「日を改めると言ったら素直に帰ってくれたぞ」
レイラがシンを迎えにいくため冒険者の宿へ訪れた際に、シンは王族から呼び出しがあったようで外には王族の馬車が停まっていたのだ。シンは兵士たちに連れていかれたがなぜか戻ってきて日を改めてくれるということで帰っていったそうだ。
「早速勉強会をしますが、確かシンさんは魔法の誕生、歴史と種類に派生は知っているんでしたっけ?」
シンは頷いた。確かに彼が魔法について知っていることはそのようなものであり魔法を扱えるのは努力の結晶と思っているのだ。
「いいですか? 魔法を使うためにはある程度の知識と魔力の扱いが必須。シンさんみたいな人はそういないません」
魔法に関する知識。それは魔法陣を理解することである。魔法陣はいくつもの四角形が重なってできておりその中いくつもの線が引かれている。例えば彼女が大会で使用していた魔法『水球』はいくつも重なっている四角形の中に四本の線、そしてそこに円が重なっていた。
「四角形はそれぞれ魔法の役割をしています、一つは魔力量、一つは魔法の種類、一つはスピードなどを意味する条件を四角形にして、その囲まれている中に線を引きこれで魔法陣の完成です。ちなみに私が大会で見せた魔法陣重唱は本来の魔法陣に条件を付け加えると言った魔法を研究している人物しか扱うことができないいわば、アレンジ魔法です」
だから大会で使用した魔法は本来の大きさよりも大きく本来の速度よりも速くと言ったことが可能であった。
「余談ですが、私の杖は魔法アンチという魔法を消す魔石が埋め込まれています」
魔法アンチ<魔石>:魔法を打ち消すことができる特別な魔石。主に魔法を禁止する場所や魔法を封じるための結界を張る際に使われる。
その魔石を使った杖は彼女の家は代々杖作りであり小さい頃から見てきたことにより今の魔法の知識と杖作りの技術があったおかげでこの杖が誕生した。ちなみに、魔法アンチの魔石はレイラの意思に反応しレイラが消そうと思った魔法を杖で受けるとその魔法が消えるといった仕組みだ。なので大会で火球を杖を振りかざし消したのもそういうことである。
「そして必ず習得しておかなければならないのが魔力制御ですね。それが出来なければ話になりません。まあ、これが魔法の仕組み、そして魔法陣です。そしてシンさんが使っている魔法『無詠唱魔法』、これは誰もが扱える代物ではありません!」
レイラはシンの無詠唱魔法について説教をするように話始めた。
無詠唱魔法:詠唱を省くことにより魔法の発動を早めることができる魔法。欠点としては詠唱より威力等が落ちる
そんな無詠唱魔法はシンにとっては詠唱よりもはるかに威力を出すことのできる常識外れである。
「いいですか? 無詠唱魔法をバンバン使っていいものではありません。下手すると脳が焼き切れてしまうかもしれません!」
無詠唱魔法の一番の恐ろしさは脳を焼き切らすような集中力と高密な細工が必要だと。頭の中で魔法を想像しそれを詠唱なしで魔法陣を展開、放つといった作業は戦闘中ではとても厳しいためあまり無詠唱魔法は見かけないのだ。
「……一応聞きますが、詠唱魔法を使わない理由は?」
「恥ずかしいから」
シンは詠唱魔法をレイラから教えてもらったものの恥ずかしいという理由で詠唱魔法を拒んでいるのだ。ちなみに魔族のような無詠唱魔法であるにも関わらず魔法技名を口にしているのも恥ずかしので言っていないのである。そもそも魔法名も知らない彼には創造[魔法]というスキルを持っているため思うように魔法を放とうとすればその通りになるため実質無詠唱である。
そんなこんなで魔法について勉強をしたシンは、レイラの詠唱魔法の改良、無詠唱魔法の研究を手伝ったのだ。




