第二十八話 肉片の柱 Ⅱ
時間を遡りもう一つの柱へとレイラとアリアナ、そして他の冒険者たちが到着した。
「これは、厄介なものですね」
レイラは柱を見た瞬間、この柱の脅威感をすぐに察した。彼女は魔法使いの中でもトップな方でありこの柱が何を意味しているのかもだいたいわかったのだ。
「みなさん気を付けてください、この柱から強力な魔力の流れを感じます! もしかしたら魔物が生成されるかもしれません、柱から距離を取ってください!」
レイラは柱から強力な魔力の流れを感知しその場の冒険者たちに柱から離れるよう指示を出した。
次の瞬間、柱はいくつもの穴を作り、そこからアンデットが大量に出てきて冒険者たちを襲い始めた。冒険者たちは次々とアンデットを退治していくが倒しても倒しても何度でも柱からアンデットが生み出されキリがないのだ。
「キリがないですね――では。我、レイラは光を望む、優しく、輝く、すべてを光へ包め、逝け 光の道。――光魔法が効いていない!?」
レイラは光魔法を唱えアンデットたちを光へと包んだ。しかし、アンデットは消滅するわけもなく攻撃を仕掛けてくるだけだった。
「キリがないです! レイラ、柱を切ろうとしても硬すぎて歯が立ちません! どうしたらいいですか!」
「むむむ、この柱は魔力を持っているのはわかるんですが――。それは流れるように……流れる?」
柱から生み出されているアンデットを倒しても柱から何度でも生み出され、ならば柱を破壊すると切りかかっても硬すぎるあまりアリアナの刀は弾き飛ばされてしまいレイラに助言を求めレイラは何かこの柱に違和感があると感じ襲ってくるアンデットを杖をうまいように使い振り回しながら考えた。その時、魔力が流れていることに注目した。それは木のように下から上へと魔力を身体に巡らせていると。
「まさか、――この下に魔力の塊があるみたいですね」
レイラは半信半疑で地面を魔力感知で見てみると深いところに魔力の大きな塊のようなものが見えた。
「と、なるとこれは。我、レイラは土を望む、固く、茶く、すべてを抉り出す力を、願う 大穴」
レイラは土魔法を使い地面に大きな穴をあけた。その先にかすかに輝く紫の光を見つけた。
「よし、みなさん! 下にこの柱の魔力の源があります! 私と彼女であれを破壊します! なのでみなさんはここをお願いします! いきますよ、アリアナ!」
「わかりました!」
二人は大きな穴の中へと消えていったのだ。
◇
「これが魔力の塊、これってそんなに大きいんですか? それに硬すぎます」
「こんなに成長するなんて、これは年代物の類に相当します。ただ、こんな大きな魔力の塊が今になって出てくるなんてあの魔族が何かしたと思います。う~ん、困った」
肉片の柱の根っこが魔力の塊を包むように巻き付いておりアリアナは破壊しようと刀で切りつけた傷一つつかなかった。そして大きな塊を見たレイラはどうしてこのようなものがこの地下にあったのかと推理し始めた。
そんなことをしていると天井から巨大なサイクロプスのアンデットが生み出され降ってきたのだった。
「上から!? さすがにそれくらいにしてこの魔力の塊が大事なのがすごくわかりますね。レイラ、どうします?」
「……時間を稼いでくれますか? サイクロプスの注意を引いてもらってその隙に私は強力な攻撃魔法であれを砕きます」
「わかりました!」
レイラの作戦に乗ったアリアナはサイクロプスに攻撃を仕掛けた。アリアナは自慢のスピードでサイクロプスの足を切りつけ態勢を崩した。サイクロプスは雄たけびを上げるがアンデットなためすぐに傷が再生され今度はサイクロプスからの攻撃がきたのだ。サイクロプスはアリアナめがけて拳を振るがアリアナはものすごい速さで避けるため当たらず地面にいくつもの拳の跡が生まれた。
「硬い魔力の塊をどうにかして破壊、となると魔力を全力で使った攻撃魔法」
レイラはあのアリアナでも傷をつけることができなかった塊をどうやって破壊するか考えた結果、魔力を極限まで使った攻撃魔法を放つと判断した。
「我、レイラは土を望む、硬く、茶く、すべてを破壊する力を、そして、新たに魔法陣を重ねよう、切削!」
レイラは詠唱を唱え自身の魔力のほぼすべてを費やし強力な魔法を作り出した。それは土魔法攻撃、切削、それは土を固め鋭い円錐を作り回転、そしてそこに切削の回転力、そして強度を上げる魔法陣を重ね、より強い魔法へと変わったのだ。しかし、魔力を多く使って生成した魔法であるためサイクロプスに気づかれてしまったのだ。
「しまった! レイラ、そっちにサイクロプスが!」
「問題なし! そのまま貫きます!」
レイラは魔力の塊めがけて切削を撃ち放った。それを止めようとサイクロプスは身を投げ出すが見事サイクロプスを貫通しそのまま塊へと突き刺さり、強力な回転により塊が徐々にヒビが入りやがて貫通し魔力の塊は崩れ始めた。
「おーい、下の人たち聞こえるか! 地上のアンデットたちが消えていったぞ!」
地上の冒険者がアンデットが消えていったことを報告しに穴に向かって叫んでいるのが聞こえた。
「これで終わりですかね。ってレイラ!? 大丈夫ですか!?」
「魔力を使いすぎました、すぐには動けません。アリアナ、運んで」
終わったと安堵した瞬間、レイラが倒れたのだ。それはほぼ魔力切れによるものだと。そのため動けないということでアリアナに運んで地上に行こうと腕を伸ばし運ぶように指示を出した。アリアナは仕方がないと彼女を担ぎ高さ何メートルもある地下からひょいひょいと駆け上っていったのだった。




