第二十七話 肉片の柱 Ⅰ
場面は変わり王都に突然生えてきた2つの柱の一つに来た冒険者たち、そこにはレナード、パーネルが来ていたのだ。
「この柱、赤い……肉片なのか?」
「わからない、だがこれはすごく嫌なものだ。すぐに壊した方がよさそうだが、どうしたものか」
二人は柱の不気味さに引いてしまった。レナードはほぼ察しいるがパーネルはそうとは信じたくないと思っている。それは生物の肉片で間違いないであろう塊が空へ向かって立っているのだ。
「みなさん! この柱の地下に魔力の塊が感知されました! 恐らくこれは――」
『ウォォォォォ!!』
一人の魔法使いが柱の地下から魔力の塊を感知し状況を説明しようとした瞬間、肉片の柱から魔物が次々と現れてきたのだ。魔物の姿は四足歩行の獣で皮膚がただれておりこれはアンデットで間違いないだろう。
「アンデットで……間違いはないんだけど、何か違う」
「何かって――っふ! 戦っていってもただ強いだけのアンデットだと思うんだけど!」
冒険者は柱から突然のアンデットの出現により戦闘が始まった。その場にいた冒険者は数えて20人くらい、だがランクの低い冒険者が多いのだ。
そんな状況の中、倒しても次々と柱から湧いてくるアンデットたちによりきりがないのだ。
「そうか――そうゆう事か! 全員、聞いてください!」
戦っていく中でレナードはアンデットから感じていた違和感にようやく気が付いたのだ。
「アンデットはもともとは生命活動が止まり死んだ生き物が魔物化したものです! そしてアンデットが生まれるきっかけは魔力が死んだ体に溜まり魔石が生成されそれがアンデットになります! だけど、このアンデットは倒して消滅しても魔石が落ちません! つまりこのアンデットはあの柱を破壊しない限り永遠に生み出されてしまいます!」
「だが兄ちゃん! こんな大きな柱なんかどうやって壊すんだ! さっきから柱を攻撃しても傷が一瞬で治っちまう!」
アンデットの注意を引いていた間、柱に攻撃し続けていた冒険者たちは柱の再生能力を伝えた。それに加え低ランク冒険者は柱が硬すぎてびくともしないのだ。
「……! 確か地下に魔力の塊があると言いましたよね! 恐らくそれがこの柱の心臓だと思います! これはダンジョンのような仕組みだと思います! 魔法使いの中で土魔法を使える人はいますか! 柱の下に大きな穴をあけてください!」
「は、はい!」
レナードはこの柱はダンジョンと同じ仕組みだと推測し魔力の塊が柱の機能の心臓でありアンデットが永遠に生み出される原因はこれだと気が付き土魔法の使い手に地下を掘るよう指示を出した。
「我、マラは土を望む、固く、茶く、すべてを抉り出す力を、お願い!大穴!」
マラという魔法使いは杖を地面に向け詠唱を唱え地面は徐々に大きな穴ができてきて大きな空洞につながった。
「あれが魔力の塊、あまりにも大きすぎる」
「だけど、あれを破壊しなければ終われない」
「そうだな、俺と彼と二人で下へ降ります! みなさんはアンデットをお願いします!」
そういいレナードとパーネルは魔力の塊のある空洞へと落ちていった。
◇
「これを破壊って言ってもどうやって破壊する? 剣を振っても多分、剣が折れる」
「同感だ。だがそんなことは言ってられないぞ。……やっぱこれを守る魔物は当然出てくるよな」
魔力の塊を前に大きなサイクロプスのアンデットが生成された。アンデットは雄たけびを上げながら地面に手を突っ込み大きな石の金棒のようなものを抉りとり襲い掛かってきたのだ。
「パーネル! 相手の注意を引いてくれ!」
「――そうゆうことか了解!」
レナードからの指示には彼には何か作戦があると感じパーネルはサイクロプスの注意を引くため素早く駆け巡りサイクロプスの攻撃を避けながらサイクロプスの周辺を走り回る。
サイクロプスは動き回るパーネルにしびれを切らしたのか石の金棒を横へと思いっきり振りかざしたのであった。
「――っく!!」
パーネルはその攻撃を避ける余裕がなくならば受けてやると剣を傾け石の金棒を流すよう体をひねり見事受け流したのだ。
「パーネル! 交代だ!」
ちょうどその時にレナードからの合図が来たのだ。レナードは魔力の塊の上に登っており自分がここにいると主張するよう大きく手を振った。当然、サイクロプスにも気づかれる。
サイクロプスは急いで魔力の塊に登っているレナードを叩き落とそうと石の金棒を振りかざしレナードは剣を構えるふりをしそのまま魔力の塊から飛び降りたのだ。
まさかの逃亡にサイクロプスはそのまま石の金棒と馬鹿力で見事に魔力の塊に衝突、ビキビキと披裂が走り、粉々になってしまったのだった。
サイクロプスは魔石を破壊されたことに怒りレナードたちに向かって走ってきたがその衝撃で天井から大きな岩が落ちてきてサイクロプスは惨い音と共に潰れてしまったのだった。
「すごいな、サイクロプスをだまして硬い塊を破壊なんてよく考えたな」
「はぁはぁ、まあパーネルが注意を引いてくれたおかげだ」
地下で共に倒れこむ二人は勝利したことを祝った。そんなときに地上からアンデットが消えていき徐々に柱に流れていた魔力がなくなっていると聞こえ安堵しそのまま二人は少し眠ってしまったのだった。




