第二十四話 魔法使いの戦い
「さあ!続いての対戦はレイラ選手とパララ選手です!」
歓声と共にステージの上へと立った。両者は戦いの合図を待ちながらもものすごい集中力で観客を緊張に走らせた。そう、魔法使いの戦いはスピードで決まるのだ。
◇
「あ、次は私の番ですね」
司会者からの呼び出しが入りレイラは杖を持ち会場へと向かった。
「頑張れよ!」
レナードがレイラに応援の言葉と掛けると彼女は気づかなかったのかそのまま歩いて行ってしまったのだ。
「すごい集中力だな。これも魔法使いの何か?」
「ああ、今回の戦いは正々堂々の勝負だから魔法使いにとっては魔法がどちらが先に出すかで勝負の傾きも変わる」
シンはそうなんだとしか思っていないのだが彼はみんなと違って無詠唱魔法ではなく詠唱魔法であるのだということをすっかり忘れているのである。ちなみに彼は魔法についての知識がないためレイラから教えを受けたいと言われてもそんな知識ゼロなため教えようにも教えられないと答えた。なのでレイラはぽかんと口を開け数秒間固まってしまっていたが今回の大会が終わり次第レイラの部屋で魔法についての勉強会をすることになったのはまた別のお話。
そんなことを考えていた時に会場に鐘の音が響いた。
◇
鐘が響き渡った瞬間、両者は杖を構え詠唱を唱え始めた。
「我、パララは火を望む、熱く、赤く、すべてを焼き尽くす火種を、行け!火球!」
先手はパララからの火球だった。杖をかざし詠唱を唱えるとパララの背後に大きな魔法陣が生成され杖の先に小さなの火の球が生まれものすごい速さでレイラの元へと飛んでくる。魔法使いの戦いの中で一番の隙は詠唱中であり、一般的な魔法使いはその場から動かずに詠唱を唱えなければならない。つまり先手必勝、魔法使いの正々堂々の戦いの意味はそこにあったのだ。
「我、レイラは水を望む、冷たく、青く、すべてを飲み込む雫を……そして、新たに魔法陣を重ねよう、水球」
火球が飛んでくる中、彼女は火に強い水魔法の詠唱を唱えた。だが、火球はすぐさま彼女に直撃する瞬間、彼女は杖を振りかざし火球をはじけ飛ばしてし詠唱を完成させ水球をパララに向け飛ばしたのだ。だがその水球は大きくスピードがありすぎパララは避けることもできず直撃、場外へと出てしまったため勝者はレイラとなったのだ。
観客席から歓声が響き渡る、それは彼女が優秀な魔法使いであり、彼女でしかできない芸当であるということだ。レイラって何者なんだろうね。
◇
「お、帰ってきた。すごい戦いだったよ」
「えっへん、そうでしょう。でもまだまだです」
レイラが観客席へと戻ってきてレナードは彼女へと称賛したのだが彼女は何か不満なところがあるらしく浮かばない顔をしていたのだ。
「あそこで相手の魔法がもう少し早ければ魔法陣を重ねる前に私はやられていました。もう少し詠唱を簡単かつ正常に発動する研究をしなければ……シンさんが手伝ってくれれば研究が捗るのですが」
「言っただろ、俺は魔法について知識ゼロ、おまけに魔法陣も書くことすりゃできない。そんな奴に何を聞こうというんだ?」
「ですから、その無詠唱魔法を使える秘訣を教えてください! そもそもですね――」
レイラは詠唱魔法の研究に力を入れているのだが無詠唱魔法は研究しようにも下手に手を出すと脳が焼き切れてしまうのだと。だがちょうどシンの出番が来たので話を止めて会場へと向かった。




