第二十一話 冒険者ランク「昇格の戦い」
「「「おぉぉぉおおおおお!!!」」」
ここ、冒険者ギルドが管理している施設【コロシアム】。今日はここで冒険者ランクの昇格を希望するBランクの冒険者が集められた【Aランク昇格トーナメント】だ。
『さぁ! 年に一度のAランク昇格トーナメント! 今回のトーナメントは様々な国の王族が観戦されます! では王族のご紹介です! まずはこの王都の王、カリスト・ルクス様! 続いて――
』
開会の挨拶が始まっておりコロシアムの中心にトーナメント参加者が並び司会者は今日を観覧する王族たちを紹介していった。
そんな中、一人だけ眠そうにしていた。それは……
「……眠い」
冒険者になり数か月しか経っていないがもう参加権を手にしたシンは立ちながら眠っている。周りの人は気づいていなが仮面をつけているため気づかないのは当たり前なのだ。
「それでは――Aランク昇格トーナメント!! 開催です!!」
開催の言葉と共に観客たちが大きな声で会場を盛り上げた。
Aランク昇格トーナメントは勝ち上がりでありそれぞれ4つのリーグが存在している。そこで各自の決勝をしそのリーグの優勝者たちをクジ引きで対戦相手を決め最後は優勝者との戦いが見れるといったイベントである。
「では! 最初の選手はステージの上へ!」
司会者が最初の試合に参加する選手を呼んだ。この放送の仕組みは魔法によりコロシアム全体によく聞こえるようになっている。
この大会はここ王都『スイテム』以外の国の冒険者も参加している大規模な大会なのである。シンの試合はまだ先なので観客席でのんびり座って待っている中、隣に例のグループも座っているのだ。
「おぉ!! やはり何回も見ても面白いな! なあ、パーネル!」
「そうだな、あまり王都以外の冒険者を見る機会がないからな」
「どんな魔法が見れるだろうか? わくわくが止まらない」
「お前たち……少し落ち着いたらどうだ? シンを見習え。それはそうとすごい集中だな、シン」
パーティー「デリカウス」のメンバーであるレナード、レイラ、アリアナ、パーネルである。年に一度のビックイベントなため盛り上がるのにも仕方はないがもう少し静かにするよう注意するレナードはシンの方を見ては何を考えているのか感じ取ることはできないが腕と足を組みながら試合の観察をしている。
「そおか? まあ今回はどんな戦いができるか期待しているんだ」
魔物以外との戦闘は冒険者登録以来でありこんなに大勢の冒険者と戦闘できることがないので期待しているのである。
ちなみにレナードたちはいつの間にか冒険者ランクがBランクへと上がっていたのだ。
大会のルールは死ななければなんでもありの大会なので加減というものができるか少し不安があるもののその時になればその場で調節すればいいと考えるのをやめた。
「あ、次は俺か。じゃ、行ってくる」
今やっていた試合が終わり次はシンの番でありベンチから立ち上がり待合室へと向かった。
◇
「それでは! 3回戦目を始めます! ではそれぞれ選手は前へ!」
放送から入場の指示がかかり暗い通路から光のある方へと出るとコロシアムの中心であり観客の声援がよりもっと聞こえた。




