番外編 温泉で彼女が思い寄せていることは
温泉、それは自然に湧き出たお湯が溜まりそれは様々な効果がある不思議なお風呂、シンは今……いや、カナリアは今、露天風呂でゆっくりと温泉につかっていたのであった。
「はぁぁ……気持ちい……いつぶりだろう、こんなに温かいお風呂に入ったのは……」
これはダンジョン攻略後シンとレナード一行は近くにある温泉で有名な村に滞在しカナリアは借り切り状態の露天風呂にいるのだが、入るまでに大変だったのことを……
「ダンジョンを攻略してくださったのですね! 本当にありがとうございます! お礼とはなんですが、もしよろしければここで一番有名な温泉である露天風呂を貸し切りで入っていただいてもかまいませ――」
「遠慮しておく」
村長が露天風呂の貸し切り状態で使わせてくれるという即座に断った瞬間ダンジョンを共に出てきたレナード一行はなぜ断るのかを問われている。
シンはダンジョン攻略後突然の地震に驚いたダンジョン近くにある村の村長が駆けつけダンジョンがなくなったことで今後の村は冒険者で溢れなくて済むとのことでお礼として露天風呂の貸し切りを提供してくれたのだがシンはあまり温泉に入りたがらない。
温泉に入りたいのだがシンは黒い衣装で本来の姿を隠し男として生きているためこんなところで性別をばらすわけにはいかないということなのだ。
「それならばシン様が個人で入れるよう手配しておきます」
村長も入ってもらいたいという一心が強く感じられそのようにしてくれるのであれば問題ないと思い村長に感謝を伝え露天風呂に入るまでの間、レナードたちと村観光を楽しんだ。
◇
「そろそろ温泉に行ってくる」
「おぉ~いってこ~い」
あれから数時間後、村長から宿も提供してもらいシンはレナードとパーネルと同じ部屋におりレナードとパーネルは露天風呂に入り終え部屋に戻ってきた状態なので温泉が気持ちよかったのかぽわぽわしている。そんな二人を後にシンは露天風呂へと向かった。他の二人はおいしい食べ物屋さんに行くと言い外出している。
◇
「はぁぁ……気持ちい……いつぶりだろう、こんなに温かいお風呂に入ったのは……」
シン……カナリアは森から出てから今日まで約一か月、森では川で簡単な体洗いで王都に来てからは冒険者ギルドへ行き早速依頼を受け帰ってきてからはダンジョン攻略の指名依頼という依頼続きでまともに入浴をしていないので疲れが一気に飛んだのか顔を半分までつかるほど沈んでいたのであった。
露天風呂の場所は鉱山開発が盛んな村でありここは昔に山の頂上から下へと掘る謎の伝統行事があったとかなんとか、そしてある日、男が見事温泉を掘り当て今に至るという。本当かどうかは知らないが山を一直線で下に掘っていたため温泉が湧き出た際に水圧で吹き飛ばされたらしいが生きていたらしい。
そんなことを思いながら温泉に浮く尻尾を手で沈め今度はキレイな星空を眺めながら温泉につかり時間が経っていてもそんなことを気にせず静かな温泉で今まであったことを思い出しながら疲れを癒しのだ。そこには自分の正体を明かす日が来るのだと。
「もし、叶うなら……信頼できる仲間が、欲しい……かな」
それはいままで感じていた何かの正体だ。レナードたちと行動を共にしていく中でカナリアが感じてた気持ちはこのことなのだ。だが、かといってレナードたちのパーティーに入るわけにはいかず星空を眺めていたカナリアだが今は関係ないことだとお湯を顔にかけ立ち上がり温泉から出たのだ。
「何か……ないかな」
そうつぶやき温泉から出た白い煙の中へと消えていった。




