第二十話 迷子の男の子
ダンジョン攻略の報告を終えてから数日後、シンは王都にある宿で休みまたギルドで依頼をこなしていった。そんなある日、依頼のないのんびりとできる時間を作ったシンは冒険者ギルド内にある食堂で朝食を済ませてから王都を回ってみようと町へと足を運んだのだが少し歩いたところで目の前に貴族のような服を着た男の子がうずくまって泣いていたのであった。
ここはあまり人通りがなく薄暗い場所でありこんなところに男の子一人いるのは何か理由があるのだろうがシンはこの状況にどう接すればいいのか困惑している。理由はもちろん声をかけた瞬間男の子はギャン泣きであるという。大人はシンの姿を見ても驚く程度だがやはり幼い子はこの姿には恐怖でしかないということだ。だから仕方なく久しぶりの獣人の姿で男の子と話すことにしなぜここにいるのかを尋ねた。
「少年、なぜこんなところにいるのだ? 服もいたるところに汚れがあるし……」
本来の姿になり再度同じ質問を男の子にすると先ほどのと違う人物が目も前に現れ混乱しているが先ほどの恐怖はかすかに薄れ話してくれた。
「僕は……あの……知らない人たちに連れていかれて……隙を見て逃げ出したんです……」
シンはこのことから誘拐だとわかりまずは泣き止ませるようと男の子の頭を撫で始めた。男の子は急な撫でに困惑しているが次第に落ち着きを見せた。
◇
あれから少して人の多いところへ出て男の子に露店でやっていた綿あめを渡したら嬉しそうに食べていた。男の子の名前はイオと教えてもらいイオはこの王都の王家の息子らしく誘拐されたのにも確かにそのような身分ならば誘拐されるのにも無理はないと納得してしまったが誘拐されるほどこの国の警備は甘いのかと疑ってしまった。
「さてと、イオ。お前をこの後どうするかなんだが……俺が家まで送ってもいいんだがそれだと俺が疑われてしまうからすぐそこに冒険者ギルドがあるからそこでお前を預かってもらおうと思うんだがいいか?」
シンは獣人なのだという正体は黙っていてほしいとお願いするとイオはうんと頷きた。この後はイオを預けるためギルドへ向かう時、シンはイオの手を握りながら歩くとイオはどこか嬉しそうな顔で握り返した。イオのその行動にシンは複雑な感情が現れたが今は関係ないとその感情を無にと変えた。
それからはイオをギルドに預けシンはイオを誘拐した連中を捕まえにアジトをスキルを使い全員を拘束、縛り上げたままギルドへ突き出しこの一件は無事解決した……のだがイオには冒険者の人が助けてくれたとだけを言ってほしいとお願いしたのだがイオは首を横に振りきちんとお礼がしたいといい王都の騎士らしき人物たちがギルドへと到着しイオを馬車に乗せ走り去ってしまった。
後日、ギルドからとある通知が届いた。
内容はギルド主催のコロシアムの招待状だった。このコロシアムに参加することでランク昇格ができるという。これはランク同士の勝ち上がりだそうだ。
シンは早速ギルトに申込みをし当日に備えて少し寝ることにしたのだった。
そんなのんきに眠るシンはまだこのコロシアムには黒い影が動いているということを......
「コロシアム……この時期は冒険者以外にも王都の住民や外に人間も観客として参加する我々にはビックイベント……それまではおとなしくしていましょう……ふふふ」
暗い地下道に一人の人間……それと不気味な形のした生物とは言えないほどの体をした何かが群がっていた。
これから始まることは世界に知らしめる何かになるということはまだ誰も知らない。
第二章:完




