第十六話 ダンジョン攻略の仲間を手に入れた?
18階層にはシンが初の依頼で向かった森で大きなアリに襲われていた男「レナード」とその仲間たちがいたのであった。彼らがこのダンジョンにいたのは今住んでいる宿の宿泊金や装備の整備や必要なアイテムなどのお金が尽き始めておりその分のお金を稼ぐのにこのようにダンジョンやなるべく高額な依頼で補っているのであると。
「それで深ければ深いほどレアアイテムの回収ができ、それを売ることとで金になるという金の欲に負けてこのありさまか」
「……はい」
レナード一同はごもっともですと反省しているようでみんな正座をし顔を下に向けていた。それから数分後落ち着いた彼らに簡単な自己紹介をしてもらった。
パーティー名「デリカウス」
リーダー:剣士:レナード
剣術士:パーネル
侍:アリアナ
魔法使い:レイラ
剣士はその名の通り剣を主に使い剣術士は魔法を剣に付与することにより魔法の剣を作り出し戦うことができる。侍は剣士とあまり違いはないが剣士より侍は素早さが上であり魔法使いは魔法を主に使うことができる。
この構成は三人で目標を叩き、魔法使いの魔法でバフ等のサポートといった連携だとわかったのだが今の戦闘でもそうだがレナード一人でもあの時のように弱いとなると今まで生きていたのが運がよかったということだとシンは思ってしまったがそのことは自分たちがよくわかっているようで今回の出来事でレナードたちは顔を合わせ何かを決心したようにうなずきシンの方へ向き彼にどけ座をしながら「弟子にしてください!」と勢いよく頭を地面につけたのだ。この光景にシンはもちろん即答で断りこの場に背を向け下の階へと走っていったのだがなぜか彼らのもついてきており振り切ろうとしたものの現在25階層だが息を切らしながらもついてきたのでここは仕方なく彼らの弟子はとらないが同行は許可したのであった。
◇
あれから少し休憩をし彼らについて考えたのであった。理由はここまでよくついてこれたものだということだ。ダンジョンは深ければ深いほど階層の広さも変わるがこれでも一つの階層を降りるのに4分という速さで降りていくためこの速度についてくることがまずおかしいということだがこのメンバーは身体強化を使えるのか鑑定で見てみると四人とも身体強化を習得しており確かに魔力が減っていたが四人とも消費に差があることに気が付いた。
魔法使いであるレイラは魔力を主に使うためうまく魔力制御ができており無駄が少なかったし剣術士のパーネルも魔力を使い自身の体力にも自信があるため身体強化を駆使しながらここまでこれたとわかり侍であるアリアナは自慢の素早さで身体強化をあまり使っていないのか魔力は自身が持っている分の8割も残っていた。ただし剣士でレナードは魔法が使えるもののうまく魔力制御ができておらずほとんど魔力が残っていなかったのだ。そんなことを考えながらシンは「まあ、頑張ったな」と言葉をかけてあげた。だからと言って彼らに何かをしてあげることもなければ自分は依頼をこなすだけと思っていたが今の状況に昔の自分を重ねてしまい仕方なく助言だけでもしてあげると思い一人ずつ声をかけることにしたのであった。
最初にレナードからにした。彼がこの中で一番魔力制御が下手であり一番先に死ぬなら彼だと思ったからだ。レナードは過去に魔法の猛特訓をしたそうだが一行に魔力がうまくつかむことができず諦め剣一つで生きていくと決めたそうだ。彼の魔力はこれでもBいかなぐらいの魔力の持ち主であるためもったいないと感じている。だが魔法が苦手な彼でも今身体強化が使えているつまりは無意識で魔力を使っていたのだ。ここでシンはレナードに戦いについて話を聞いたりしもっと戦いやすいようアドバイスを言った。
次に重症で今日死にそうだったパーネルへ向かった。彼は剣も使え魔法も扱えるこの中で最も戦力が高い。そんな彼がなぜあのような重傷を負ったのかはとっさの相手の行動に困惑し魔力を無駄に消費してしまい魔力切れのせいで目がくらんでしまい相手に隙をつかれたとのことだ。剣に魔法を常に注いでいる彼の戦法は戦闘での冷静な判断が必要だということを伝えた。
次はこの中で最も体力が優れているアリアナの元へ向かった。彼女は魔法には極力頼らず自身のもつ優れた身体能力で動いている。彼女曰く、魔法を使うことは悪くないがうまく扱えず魔力制御を諦めたそうで辛うじて使えたのが身体強化だとのことだ。つまり日々の鍛錬の賜物がこのようにして現れているということだ。正直彼女は身体能力を鍛えた方が強いと思い魔力については彼女から聞かれない限り答えないことにした。
最後に魔法を使っていたにも関わらず魔力の消費の減りが少なかったレイラの元へ向かおうとしたのだが逆に彼女から向かってきたのであった。やはりレナードの言う通り彼女は魔法について最も関心がありずっと魔法の質問攻めにあっている。彼女は誰よりも魔力が多くSランクに匹敵するため幼少期から魔法を扱っていたため誰よりも魔力制御が得意であるそうでそれなら身体強化を使っても魔力があまり減らないのも納得だ。
そんなことを話しながら休憩時間を終え次の階層へと降りていった。
「なあ、階層が深くなっているから強い魔物が出るはずなんだけど……いないにも程があると思うんだが……」
「確かに言われてみればそうかもしれません……少し気配察知の範囲を広げてみます」
シンの後ろに着いてきている四人組は何か様子がおかしいと感じたのか話し合いを始めた。
ダンジョンはダンジョンコアが近ければ近いほど魔物の脅威も増し数も増えると言うのだが言われてみれば今まで魔物を薙ぎ払って(轢いて)きたのに対し深く行くに連れ確かに魔物の数が少ないと言うよりはまったく気配が感じられず不気味の悪い空間へと変わっていた。
そんなシン以外は緊張している中、一つだけ大きな門のような扉がありシンは開けようとすると後ろから止められる声が聞こえた。
「ちょっと何考えてるんですか!? この扉がなんなのかわかっています!?」
「シンよ、まだ間に合う……ここは一旦引かないか?」
「でも皆さん! ここがもしそうならば私がまだ知らない魔法が見れるかもしれません!」
「シンって、本当に何も知らないんだな……」
アリアナは興奮状態で扉の前にもたれかかり開けるのを阻止し、パーネルは落ち着いた声で肩に手を置きで話しかけるが何故か震えており、レイラは喜んでおり、レナードはお前らしいなと苦笑している。
そうここはダンジョンの最下層、つまりダンジョンコアが生成されておりそれを守る魔物、ダンジョンボスがいると言うことだ。
「何で止めるんだ? お前らはもう帰ってもいいぞ。俺はここに用があるからな」
「まさかとは言わないが……それって……」
「依頼だが?」と言うとこの場の空気が悪くなってしまった。ここまでの魔物が強いのにボスとなると計り知れない力と戦うことになるためシンはどれだけ強かろうとダンジョンは通常はチームで攻略が推奨されているためソロで潜ってきたシンでも無理だと思っているらしく命の恩人の死なせたくないと言うことで引き返そうと訴えていたのだ。
だがそんな空気の中、一人の少女が口を開いた。
「私、全然シンさんの魔法が見れていないので皆はここで待ってて。私、シンさんに着いてく!」
何故がワクワク感を隠しきれていない眼差しと声がレイラの仲間たちの目を丸くさせた。全員嘘だと言ってくれとレイラを掴むがその手を振り払いシンの隣に立った。シンは邪魔しないなら着いてきてもいいと言ったのでレイラは急かすようにシンの袖を引っ張り扉へと近づいていった。そんな彼女をみたパーネル、アリアナは顔を見合い何かを決めたのか互いに頷き「「自分たちも連れていってくれ!」」と引っ張られるシンの元へと走っていった。レナードははじめっから行こうと思っていたらしくまたあの時みたいな光景が見れるのかと少し嬉しそうな顔をしていた。
そんな偶然会った冒険者パーティたちとダンジョンボスへ入ることになったシンは何かを感じるがそんなことはどうでもいいとダンジョンボスの扉を開き中へ入っていったのだ。
◇
ダンジョンボスのいる部屋へ入ると入ってきた大きな扉が閉まり暗闇へと変わったが一瞬にして壁に飾られていれう松明が部屋全体に光が灯られた。部屋の広さはとにかく広いとしか言いようがない広さであるのだが何かがいないのである。そう、ダンジョンボスがいないのである。ダンジョンボスは部屋に入った際に部屋の中央にボスが待ち構えていると言われているらしいがボスの形が見えないのである。
「おかしいな……ダンジョンボスがいないなんて。本来はあの中央にいるはずなんだが……あ、おいシン、何かの罠の可能性が高いからうかつに進むのは良くない」
レナードが注意するがシンは部屋の構造的にレンガの模様が中央に向いているため何かがあると感じ取り中央には大きな円ができていた。その円に入った瞬間、円に魔法陣が描かれ光と共に魔法陣から大きな何かが現れた。一つ目で体が大きく身長は3mぐらいで鎧を着たサイクロプスであった。
レナードたちはまさかの出来事に驚愕してし固まってしまったがシンはこの状況でも顔ににやけが出ていた。




