第十三話 初めてのクエスト
「思ったって思い付きかよ……」
クエスト依頼のため森へと入ってきていた他の冒険者が今、目の前にあるのは白目が向いており口が大きく開いて完全に死んでいるレッドドラゴンである。これは依頼のため森へ入ったシンが偶然出会った冒険者と共に楽しい楽しいクエスト依頼のお話である。
ギルドから出たシンは王都から北へ何キロかにある森の入口へと来たのであった。道中、小さな村がありそこからの依頼だったのであった。
「森……森かぁ……」
シンは森で修行したので森の探索等は得意ではあるのだがやはりあの頃を思い出しある意味めんどくささを感じてしまったのである。自分の持っているスキルを使えば楽にドラゴンを探すことができるのであるがやはり何か楽しいことがしたいと思ってしまい寄り道をするためスキルなしで心躍らせ森へ入っていくのであった。
◇
「助けてくれー!!」
森へ入っていきしばらくさまよっている中、どこらから助けを求める声が聞こえ声のする方へ歩いていくとそこには大きなアリに剣を振りかざしている男が戯れている光景があったのだ。なに遊んでいるのかなと思い観察していると剣を振りかざしている男と目を合い「おい! そこの人! 見てないで助けてくれ!」と叫ばれてしまったため仕方なく助けることにしアリの首を切り落とした。
「助けてくれたのは感謝する。だがなお前、見てないで助けてくれよ……」
「すまない、戯れていると思っていたのだがまさか襲われていたのだな」
あんなのと戯れることのできるのはテイマーだけだと叱られてしまった。
「俺の名前はレナード、冒険者だ。ランクはCだ。いつもは俺を入れた4人でのパーティーで動いているのだが先日の依頼での広い草原でのカプロスという魔物の討伐で二人は負傷ともう一人はどこからか来たのかわからに謎の雷の槍の分析で籠っていてお金が足りなくなってしまってしかたなく俺がソロで来たのだが見事にアントに襲われていたってことだ」
つまり一人では何もできないのだと納得しうなずいていると「お前、何納得しているんだ」と突っ込まれてしまった。ちなみにカプロスとはイノシシのような魔物でありアントは大きなアリである。
「お前、ひよっこ冒険者なのか……まあ俺が先輩なんだから何でも聞いてくれ! お前も依頼でここに来たのならお礼として手伝ってやる! 男に二言はない!」
後輩に助けてもらったことに落ち込んでしまったがシンはこういった魔物に対しての知識がないと知るとレナードが急に先輩ずらをしだしたのか鼻が高くなっているが肝心なシンの依頼がドラゴンであることを知らずに手伝うといってしまったのであった。
◇
「なあ、今、目の前にいるのってドラゴンだよな……」
「ああ、ドラゴンだ」
「赤いよな……」
「ああ、赤いぞ」
「レッドドラゴンじゃねぇえかぁぁ!!」
先輩に手伝ってもらうことになったシンは森のお散歩に満足しそろそろ自分の依頼をするためスキルを使いドラゴンがいる場所を見つけ出し自然に出くわすよう森をさまよい今にいたるのである。レッドドラゴンはドラゴンの中で強い方であるようで依頼書の看板に埋もれていたのにも納得だ。
レッドドラゴンは思ってたよりも大きく胴体は3メートル、身長は6メートルぐらいでありものすごい咆哮で風が巻き起こっている。
「お前何依頼受けてんだよ!? ひよっこだろ! なりたてだろ!? なんでこんな依頼受けてんだよ!! ……ちょっとこれはまずいんじゃないか? なんかしそうな雰囲気だけど……」
体を振らされながら怒られている中、ドラゴンはそんなことでもお構いなしに口の周りに小さな炎が吹き出ている。そうドラゴンお馴染みの炎の息吹である。口を大きく開け体よりも大きな息吹が来ると察したレナードは急いでそこから逃げようと必死になっているがもう息吹が吹かれている瞬間でありもう駄目だと諦めたレナードであったが急にドラゴンが吐こうとした炎が消えドラゴンはそのまま倒れこんでしまったのだった。
この状況にレナードは何が起こったと混乱しているが近くにいるシンを見ると右手には稲妻が走っておりレナードの考えが合っているのであれば、
「お前……今……何をした??」
「ん? ああ、無防備に口が開いたからそのまま雷で作った槍で脳を貫いた。外が固くても口の中とかは柔らかいと思ったからやってみた」
「思ったって思い付きかよ……」
それが彼だとわかったレナードは実は強いのではと疑うというよりはもう自分よりは確実に強いと確信してしまった。あれからドラゴンの解体をめんどくさいといいスキルの一つである『収納』で回収したせいでレナードは毎度シンが何かしらと行動するとおびえるのであった。
◇
「お、お帰りなさい、シン様。……あのシン様、依頼の方は……」
「終わって帰ってきたところだ」
「え!?」と驚いて目を大きくしているが先ほどまで話していたレナードに目線を送ると彼はすべては事実であるといわんばかりのうなずきをした。その後は広いギルドの敷地にドラゴンの死体を出し少々解体のお金がかかってしまうが依頼金と解体したドラゴンの素材を売ることにより出るお金で解体金をそこから出すことができるのであった。
そんな自分がとんでもないことをしたのだと自覚のないシンにある人物からの呼び出しが来たのだ。その人物とは、
「君がシンだね。冒険者になって最初は簡単な依頼を受けるのが一般的だが君はその一般的は関係ないみたいだね。私はここのギルドマスターを務めているシェリア、シェリア・ヘインズだ。よろしく。さっそくだが本題に入ろう。君を呼んだのは私から君へある依頼を受けてほしい。それはダンジョンの攻略だ」
シンが呼び出されついた場所はギルドマスター室でありそこには女性のギルドマスターが座っていたのであった。呼び出しはドラゴンの件での感謝とシンの実力を見込んでの依頼であるということだったのだ。




