第26話:【永劫】神を肥やしにする絶望の花園
本日も、終わりなき復讐の深淵へようこそ。
第26話、ついに神さえも「ただの肥料」として再利用される段階へ突入しました。
エドワードとエルナの完全な精神崩壊と、神が家畜化される冒涜の極致を描き出します。
読者の皆様が求めて止まない「救いのないカタルシス」を、どうぞその目に焼き付けてください。
天界の頂、至高の神殿。かつて全宇宙の調和を司り、星々の運行を定めていたその場所は、いまや漆黒の蔦が柱を食い破り、どす黒い霧が天床を這い回る「魔女の玉座の間」へと完全に作り替えられていた。静寂は、時折響く「神だったもの」の漏らす湿った呻き声によってのみ破られる。
玉座の中央では、かつて「神」と呼ばれた存在が、その神々しい輪郭を辛うじて保ったまま、巨大な『絶望華の母本』の苗床として固定されていた。額に深く刻まれた魔女の接吻の跡は、もはや消えることのない痣となり、そこからは休むことなく漆黒の触手が噴き出している。触手は神の血管を逆流して心臓を締め上げ、その膨大な神聖魔力を、リアナの魔力と混ざり合うことで強制的に「腐敗」させて吸い上げていた。
「……ああ、神様。そんなに苦しそうな声を上げないで。あなたのその『痛み』こそが、私の帝国を永遠に照らす、新しい太陽になるのだから」
リアナは、神の器から溢れ出し、大理石の床に溜まった黄金と漆黒の混濁液を、薄い硝子の靴で静かにかき混ぜた。彼女の肌は、神の生命力の奔流をその身に受けたことで、触れれば切れるような鋭い美しさと、直視すれば精神が容易く崩壊するほどの魔的な威圧感を放っている。
「リアナ、見てみろ。地上も、そしてこの天界も、お前の望む通りの『色』に染まってきたぞ」
アスタロトが背後から彼女を抱き寄せ、神殿の窓の外を指し示す。
かつて黄金の光に満ちていた都は、いまや天使たちの断末魔を吸って咲き誇る絶望華に埋め尽くされていた。かつて高潔な翼を誇った天使たちは、翼を毟られた傷口に黒い茨を植え込まれ、自らの血で庭園を耕し続ける「生きた農具」へと変えられている。彼らに死という逃げ道はない。傷口が腐ればリアナの魔力がそれを再生させ、再び苦痛を味わわせる。その繰り返しが、この世界の新しいリズムとなっていた。
「ええ、アスタロト。でも、まだ足りないわ。……ねえ、エドワード、エルナ。あなたたち、まだそこにいたのね?」
リアナが冷たい視線を落とすと、玉座の影に、一本の錆びた鎖で一つに繋がれたエドワードとエルナが丸まっていた。二人はもはや、リアナが声をかけてもまともな反応を返す知性すら持ち合わせていない。
エドワードは虚ろな瞳で神の転落を眺めながら、自分自身の指を「美味しい、美味しい……」と幼児のような声で呟きながら、骨が砕けるまで噛み砕いている。
エルナにいたっては、自分が着ているボロ布を赤ん坊のように抱きしめ、枯れ果てた声で、かつてリアナを陥れた時に使った「偽りの愛の歌」を、音程を外しながら延々と口ずさんでいた。
「この二人の精神が、ついに底をついたようね。……いいわ、なら新しい役割をあげましょう。この『元神様』の傷口を、毎日その舌で掃除する役割を。……神の血の味は、あなたたちがこれまで啜ってきた泥よりも、きっと甘美で、呪わしいはずよ」
リアナが指を鳴らすと、二人の首輪が激しく発光し、逆らうことのできない絶対的な服従命令が脳に直接刻み込まれた。
エドワードとエルナは、獣のように這いつくばりながら、かつて自分たちが祈りを捧げた神の足元へ寄り添い、その傷口から滴る不浄の血を啜り始めた。
「……あ、あは……っ。神様の……味……。お姉様、これ、とっても……幸せ……。もっと……もっと飲ませて……」
エルナの壊れた笑顔に、リアナは心底満足そうに目を細める。
「神さえも、私の足元で餌を待つ犬以下の存在。……これが、私があの日、火刑台で夢見ていた『救済』の景色よ」
リアナは神の座から立ち上がり、天界の空を見上げた。そこにはもう、青い空も、輝く星もない。あるのは、彼女の魔力が渦巻く、永遠に明けることのない「∞」の夜だけだ。
「さあ、アスタロト。次は、この世界の『時間』そのものを弄びましょうか。彼らが死ぬことも、終わることも許されない、永遠に続く一分一秒を……私の愛で、余すことなく満たしてあげるために」
魔女の帝国は、ついに時間の理さえも侵食し始めた。
復讐は終わらない。
完結を拒んだ物語は、さらなる絶望の螺旋を描き、永遠に更新され続けるのだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
神の血を啜る王子と王女……これ以上の堕落が他にあるでしょうか。
リアナの帝国は、もはや世界の理そのものを燃料にして、無限(∞)に拡大し続けています。
次回、第27話:【輪廻】死を拒む断罪の牢獄。
死にたくても死ねない、終わらせたくても終わらない。
リアナが構築した「永遠の地獄」の全貌が明らかになります。
引き続き、ブックマークや評価、いいねで、この終わらない惨劇に魂を捧げてください!




