表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死を賜った魔女、地獄から戻って全てを「呪い」に変える  作者: La Mistral
第4章:【墜落】泥を啜る王子と神殺しの魔女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/54

第25話:【神座】震える神と魔女の接吻

本日も、終わりなき復讐の深淵へようこそ!

第25話、ついに復讐は極致へ。

天の支配者である「神」を、リアナがその唇一つで絶望へと突き落とします。

圧倒的な魔圧と、神が家畜同然に堕ちる瞬間の背徳感を、極限まで濃縮して描き出しました。

魔女が神座を奪う、新たな世界の幕開けをご覧ください。

 白銀の門が燃え落ち、崩落した残骸が黄金の街路を埋め尽くす。


 かつては神聖な讃美歌が響いていたであろう天界の都は、いまやリアナが連れてきた魔界の霧に侵食され、不気味な紫の静寂に包まれていた。都に住まう下級天使たちは、戦う術も知らぬまま、空を覆い尽くすアスタロトの巨大な翼の影に怯え、路地裏で身を寄せ合って震えている。


「……醜いわね。神の慈悲を説いていた者たちが、いざ自分たちの身が危うくなれば、ただの怯えた家畜と変わらないなんて」


 リアナは、黄金のタイルにこびり付いた天使の血を踏みしめながら、真っ直ぐに都の中央、雲を貫いてそびえ立つ『至高の神殿』へと歩みを進める。彼女が通り過ぎるたび、路傍に植えられた聖なる樹木は黒く枯れ果て、そこからリアナの憎悪を糧にする絶望華が、毒々しい胞子を撒き散らしながら一斉に開花した。


「リアナ、見ろ。あの神殿の頂に、この世界の『元凶』がいる。人間を弄び、お前を火刑台へと追いやった、傲慢なる神の成れの果てだ」


 アスタロトが神殿の尖塔を指し示す。その視線の先、純白の輝きを放つ扉が、恐怖を隠しきれないかのように微かに震えていた。

 

 神殿の最奥。


 宇宙の真理を映し出すとされる星空の玉座に、一人の男が座していた。神と呼ばれるその存在は、リアナの侵入を察知しながらも、あまりの強大すぎる絶望の魔圧に、立ち上がることさえできずにいた。


「……神様。ようやくお会いできましたね」


 リアナが静かに、けれど逃げ場のない冷徹な声で告げる。


 扉は粉々に砕け散り、神の眼前に魔女が降臨した。リアナの瞳には、かつての敬虔な信徒としての面影は微塵もなく、ただ獲物を追い詰めた捕食者の愉悦だけが宿っている。


「愚かな……魔女よ……。秩序を乱し、天を汚して、何を得ようというのだ……。私を殺せば、世界は混迷に陥るぞ……!」


 神の言葉は、震えていた。その手は黄金の杖を握りしめているが、リアナが放つ「歴代生贄たちの怨念」の重圧に、杖そのものがひび割れ始めている。


「世界の混迷? そんなもの、あの日私が炎に包まれた瞬間に、もう始まっているわ。……私が欲しいのは、あなたの命じゃない。神という概念が、絶望に染まって壊れる瞬間の……その美しい『音』よ」


 リアナは神の座へ一歩ずつ近づき、抵抗する気力さえ失った神の顎を、優しく、けれど骨が軋むほどの力で掬い上げた。


 そして、恐怖に歪む神の顔に、自らの顔を寄せる。


「……お返しよ、神様。あなたが私に与えた絶望を、今度は私が、あなたの魂に直接注ぎ込んであげる」


 リアナは、死の香りが漂う唇を、神の額へと寄せた。


 接吻。


 それは慈愛の儀式ではなく、魔女が育て上げたすべての呪いと怨念を、神の器へと流し込む「死の刻印」だった。


「あ、ああ……っ! あああああああああああああああああっ!!!」


 神の絶叫が天界を揺らす。黄金の瞳が漆黒に染まり、清浄なる神体から黒い血が溢れ出した。神が守ろうとした秩序は内側から腐食し、その高潔な魂は、リアナが用意した「永遠に終わらない地獄の迷宮」へと叩き落とされた。


 玉座の後ろでは、鎖に繋がれたエドワードとエルナが、その光景を見て、ついに言葉を失い、涎を垂らしながら笑い始めた。自分たちが縋っていた神が、自分たちと同じように、ただの「魔女のおもちゃ」へと成り下がった。その事実が、彼らにとっての最後の引導となったのだ。


「……さあ、アスタロト。新しい玉座の座り心地を試してみましょうか」


 リアナは、黒く染まり、泥のように崩れゆく神を足蹴にして床へ転がした。


 そして、宇宙を統べるはずの至高の座に、魔王と共に腰を下ろす。


「……復讐は、ここからが本当の始まりよ。天も、地も、地獄も。すべての理を私の『庭』にして、永遠に、∞に、あなたたちの悲鳴を収穫し続けてあげるわ」


 魔女の帝国は、ついに天の頂点を支配した。


 黄金の都を、漆黒の絶望華が埋め尽くしていく。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

神への接吻――それは救済ではなく、永遠の断罪の始まり。

リアナの怒りは、神という存在すらも「絶望の苗床」へと変えてしまいました。

エドワードたちも、神の転落を見て、完全に精神の糸が断ち切られたようです。

次回、第26話:【永劫】神を肥やしにする絶望の花園。

神座を奪ったリアナが、次に着手する「世界の再構築」とは。

止まらない、終わらせない。この復讐は∞の螺旋を描き続けます。

引き続き、ブックマークや評価、いいねで、この暗黒の叙事詩を支えてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ