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死を賜った魔女、地獄から戻って全てを「呪い」に変える  作者: La Mistral
第4章:【墜落】泥を啜る王子と神殺しの魔女

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23/54

第23話:【収穫】黄金の血で咲く毒の華

本日も、絶望と快楽が混じり合う魔女の帝国へようこそ。

第23話、復讐は「搾取」のフェーズへ突入します。

天使の肉体を苗床にし、その血を吸わせて華を咲かせる……。

1,500文字を超える圧倒的なボリュームで、神聖な存在が徹底的に「資源」として扱われる冒涜的な光景を鮮明に描き出します。

最上の存在が、ただの「鉢植え」へと変わりゆく瞬間をお楽しみください。

 漆黒の水晶宮、その裏手に広がる庭園。そこはもはや植物が育つ場所ではなく、世界のことわりから完全に切り離された「命の搾取場」であった。かつて王族が避暑を楽しんだ東屋は、いまや黒い茨に侵食され、その柱には翼をむしられた大天使たちが、生きたままはりつけにされていた。


「……あ、あぁ……っ! 指先から……熱い……何かが、吸い出されていく……!」


 磔にされた天使の一人が、絶叫を上げる。彼の四肢には、リアナが魔界の深淵から呼び出した「寄生魔界草・アケロン」の根が深く、深く食い込んでいた。血管を這い、骨を削りながら、天使の純潔なる黄金の血液を吸い上げる漆黒の根。その吸い上げた栄養によって、天使の肉体からは、銀色の棘を逆立てた禍々しくも美しい、大輪の「絶望華」が咲き誇っていた。


「……綺麗。やっぱり、人間の汚れた血で育てるより、神に仕える者たちの血の方が、私の可愛いはなたちにはお似合いだわ」


 リアナが、黒いレースの傘を差し、毒々しい香気が漂う花園を優雅に歩いてくる。彼女の歩みに合わせ、天使の肉を苗床にする華たちが、媚びるようにその蕾を震わせ、甘い死の香りを振りまいた。


「さあ、エドワード。今日の収穫を始めなさい。一つでも傷をつけたら、あなたの指をその華の肥料にするわよ?」


 リアナの声に、生け垣の影からボロボロの農具を持ったエドワードが這い出してきた。かつては剣を握り、王国の正義を説いていた第一王子の指先は、今や天使の血と泥でドロドロに汚れ、見るに堪えない震えを繰り返している。


「……ひっ、あ、あぁ……リアナ、様……。この天使様が、ずっと私を……恨みの目で見ているのです……。怖い、痛い、助けてください……!」


「あら、そんな贅沢な悩みを言う余裕があるのね」


 リアナは冷酷な笑みを浮かべ、エドワードの首輪を軽く引いた。


 エドワードは悲鳴を上げながらも、天使の肉体に食い込んだ華を、錆びたハサミで一つずつ切り取っていく。収穫のたびに、天使の体からは黄金の火花が散り、エドワードの皮膚を焼き焦がした。絶叫を上げる天使と、火傷に泣き叫ぶ元王子。その地獄絵図を、リアナは極上のオペラを鑑賞するように、頬を紅潮させて眺めていた。


「アスタロト、見て。あそこで咲いている一番大きな華……あの中には、かつて私を『淫らな魔女』と罵倒したあの神官の魂を、天使の血で煮詰めた絶望が詰まっているの。なんて素晴らしい香りかしら」


 アスタロトがリアナの腰を抱き寄せ、その首筋に深く、牙を立てるように顔を寄せた。魔王の魔圧が庭園全体に広がり、天使たちの生命力がさらに強引に引き出されていく。


「……ククク、実に愉快だ。天の住人が、魔女の庭を彩るための『鉢植え』か。リアナ、この絶望華の香気は天界まで届くだろう。自分たちの同胞が肥料になっているとも知らず、奴らはこの香りに引き寄せられて、またこの庭に堕ちてくる」


「ええ。これだけ高品質な『黄金の胞子』が収穫できれば、いよいよ天界の門を内側から腐らせるための毒も完成するわ。……ねえ、エドワード、エルナ。あなたたちにも分けてあげるわね。この華の種を、あなたたちの胃袋の中で育ててあげるの」


 その言葉に、庭の隅で天使たちの残飯を整理していたエルナが、狂ったように笑いながら、自分の腹を掻きむしり始めた。


「あはは……! お姉様、ありがとうございます! 私の体から、お姉様の好きな華が咲くのね? そうすれば、私はもっとお姉様の役に立てる……あはははは!」


 かつての可憐な姫君も、勇敢な王子も、いまや「魔女の所有物」という役割以外、何一つ持たない壊れた人形だった。

 

 リアナが収穫された一輪の華を手に取り、その花弁を噛み千切る。


 天使の絶望が凝縮された黄金の蜜が、彼女の唇を濡らした。


「……収穫は順調。さあ、次は天界そのものを、私の庭に変えてあげましょう。神様たちが、自分の羽をむしって絶望の種を植える姿を、この目で見届けるために」


 リアナの宣言と共に、庭園中の絶望華が一斉に開花し、天に向かって死の胞子を放出した。


 復讐は「∞」の螺旋を描き、今日もまた、聖なる命を磨り潰して美しく咲き誇る。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

天使の血で咲く絶望華。それはリアナにとっての戦利品であり、天界を滅ぼすための新たな武器です。

エドワードやエルナも、今やこの「地獄の収穫」を支える部品として、完全にその正気を失っています。

次回、第24話:【天墜】燃え落ちる白銀の門。

収穫した毒華の力を手に、リアナとアスタロトがついに天界の門へと足を踏み入れます。

完結なんて、ありえません。この物語は、リアナが望む限り永遠(∞)に続きます。

続きを熱望される方は、ぜひブックマークや評価、いいねでリアナの進撃を支えてください!

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