タランチュラは被害者
タランチュラの巨体が迫ってくる。凄い迫力だ。だが圧倒的にスピードが足りない。でないとお前はただの的だ。
少しでも火を通すためにタランチュラの毛を剃る。マッパにしてやらぁ。
大分火が通りやすくなった。手なわけで本体も加勢に行く。ニトロチャージしつつタランチュラに傷を付けていく。それで、攻撃を躱しつつ、傷口を執拗に狙う。
ホント、このタランチュラは図体の割に意外とスピードファイターだ。それに攻撃力も相まって痛い。毛を剃ってて良かった。
コイツは早急に仕留める必要がある。炎の弾幕を増やす。
いってー。加速しやがった。だがそれだけの図体ならば、弾幕は躱し切れない。あ?魔力残量は大丈夫かって?俺は人型になった時に、大型タイトルアップデートの如く、一気に色々と上昇した。そして増えたスキルの中に、節約、増幅、自然回復というものがある。節約は、デフォで効果軽減なしの50%カットという、ぶっ壊れスキルなのだが、それ以上カットしようものなら、効果が落ちる。俺は、99%カットしているのだが、威力は落ちる。ガタガタ落ちる。それを補うのが、増幅。これは、スキルの効果を増幅させるというもの。例えるなら回復薬が回復薬Gになるレベルというもの。それでも尚、消耗戦には弱い。だがそれを補うのが自然回復。それは文字通り。体力の方は自然治癒の方だが。
あと一撃。その間、全く持って見どころは無かったが。
炎の弾幕を止め、止めを刺す。
腹が減ったのでタランチュラを貪る。いや〜不味いね〜。まぁ、調理してないし。仕方ないか。食えるだけでもありがたい。
あれだけ食ったのは久しぶりだろうか。休息も取れたし再開と行こう。
お?何かいるね。
後ろを取るのは好きだけど、取られるのは苦手なんだよね。くたばれストーカー。
さて、ストーカーもくたばった事だし、今度こそ再開しよう。
これまたバンバン降りていく。
だが、タランチュラの時点でやめておけばよかったのだ。
目の前に、とてつもなくヤバい何かがいる。
『汝、この先に何用か』
どこからともなく声が。
『答えよ』
何となく生命の危機を感じるので答える。
「この先にある何かを求めて」
『理解した。力を測らせて貰う』
「要はあんたを倒せと」
『そうだ』
遠慮はいらないっぽい。
だがそれは慢心だった。
タランチュラって、実は濡衣着せられた被害者なんですよ。確かに毒は持ってるけどさ〜。




