↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/124

第18章・1:緊張の中の抽選

ノルクで迎える二日目は、ひときわ厳しい寒さに包まれた朝から始まった。


冬は日に日に近づき、鮮やかに色づいていた秋の景色も、分厚い純白の雪に覆われつつある。


だが――それを差し引いても、今日の冷え込みは明らかに異常だった。


アカイアの一行は、アスガルドの街路を歩き続けていた。


その間も、王国の衛兵たちは絶えず彼らへ監視の目を向けている。


あまりにも露骨な監視に、ついにアフロディーテの堪忍袋の緒が切れた。


「全員、殺す」


彼女は怒りに顔を引きつらせながら、低い声で宣言した。


「おい、落ち着けって」


ヘルメスが慌てて宥めに入る。


「ここの連中と揉めたところで、俺たちには何の得もないだろ。それに、あいつらは俺たちを苛立たせたいだけだ。お前がそんなに怒ったら、相手の思う壺だぞ」


「そこまで私を怒らせたいのなら、その報いを受ける覚悟くらいはできているのだろうな」


アフロディーテは拳を構え、今にも衛兵たちへ襲いかかろうとする。


「ほら、落ち着いて。息を吸って、吐いて。吸って、吐いて……」


「全員、殺す」


(……無理だな、これは)


ヘルメスは彼女を宥めることを諦め、深いため息を吐いた。


そんな一行の騒がしさをよそに、エデンだけはどこか心ここにあらずといった様子だった。


その表情には、隠しきれない疲労と迷いが浮かんでいる。


(くそ……身体が重い)


(もう忘れようと思っていたのに、どうしてもあいつの言葉が頭から離れない……)


エデンの脳裏に、バルドルの顔が浮かび上がる。


(最初は敵意を込めてぶつけられた言葉だと思った)


(だけど……あの言葉に傷ついていたのは、俺よりもむしろ、あいつ自身だったような気がする)


(あの眼差しも、言葉も、仕草も……)


(その一つ一つから、あいつにしか理解できない巨大な重荷を背負っているのが伝わってきた)


エデンは小さく息を吐いた。


(……とはいえ、俺には関係のないことだ)


(どうせ、もう二度と会うこともない。余計なことに首を突っ込むのはやめよう)


「皆、安心してくれ。ここからは私に任せてほしい」


そのとき――


温かさと威厳を併せ持つ声が、街路に響き渡った。


「バ、バルドル様……」


衛兵たちが動揺しながら姿勢を正す。


その声を耳にした瞬間、エデンはゆっくりと顔を上げた。


そこに立っていたのは、見覚えのある穏やかな笑みを浮かべた男だった。


だが、その笑顔には、昨日見せたあの不気味な眼差しが重なって見える。


(……もう余計なことを考えるのはやめよう)


エデンは心の中で、固くそう誓った。


「大切な客人である君たちに、このような思いをさせてしまって本当に申し訳ない」


バルドルは恥じ入るように眉を下げた。


「今の我が国は、決して良い状況にあるとは言えなくてね」


その直後、バルドルの視線がエデンのものと重なる。


すると彼は、昨日と変わらない温かな笑みをエデンへ向けた。


「…………」


あまりにも自然なその笑顔に、エデンはどう反応すればよいのか分からず、完全に面食らってしまう。


アフロディーテは教え子の反応を見逃さなかった。


しかし、あえて何も追及することなく、バルドルへ問いかける。


「神自ら、また私たちを出迎えに来るとは珍しいな。何かあったのか?」


(……神?)


エデンは思わず目を見開いた。


「昨日は私のせいで、いろいろと迷惑をかけてしまったからね」


バルドルは申し訳なさそうに微笑む。


「せめて今日は、私自身が君たちを迎えたいと思ったんだ」


そして、再びエデンへ視線を向けた。


「きっとエデンには、私のことをひどく誤解させてしまっただろう。だから、直接謝罪したくてね」


「エデン、お前たちは知り合いなのか?」


シュウが興味深そうに尋ねた。


「まあ……そんなところだ」


エデンは気まずそうな笑みを浮かべながら答える。


「バルドル。人前に出るのなら、最初からきちんと名乗るべきだったな」


アフロディーテは呆れたように言った。


「自分を知らない相手に、いきなり訳の分からないことを口走っていれば、誰だってお前に悪い印象を抱くに決まっている」


「それは、そうかもしれないけれど……」


バルドルの表情に、僅かな陰りが差す。


「私は、自分が神だとは名乗りたくなかったんだ」


「神というだけで、皆が特別な敬意を払ってくることには、もう疲れてしまった」


その微笑みに、どこか寂しげな色が滲む。


「表向きは敬っているふりをしながら、心の中では私に毒を吐きかけているというのにね」


「人間の思考が、どれほど恐ろしいものになり得るか……お前も知っているだろう?」


「……ああ」


バルドルは静かに頷いた。


「だが、こいつがお前を神だというだけで特別扱いするとは思えない」


アフロディーテ**はエデンへ視線を向ける。


「むしろ、お前が神であろうとなかろうと、同じように嫌っていただろうな」


「……それは、どういう意味だい?」


「この少年は、私たち神族に対して、あまり良い印象を持っていない」


アフロディーテは淡々と説明する。


「だから、お前がエルフだろうが、人間だろうが、悪魔だろうが――」


一度、そこで言葉を区切った。


「神だろうが、こいつは何一つ態度を変えない」


「……なるほど」


バルドルは納得したように、小さく頷いた。




そのとき、別の声が二人の会話へ割って入った。


「バルドル、自己紹介はまた別の機会にした方がいいんじゃないか?」


ヘルメスが、引きつった笑みを浮かべながら問いかける。


「おや、ヘルメス。いたのか。全然気づかなかったよ」


「安心しろ。そんなこと、とっくに分かっていたさ」


ヘルメスは笑顔を崩さないまま答えた。


「何しろ、お前の視線は別のところに釘付けだったみたいだからな?」


(……え? 一体、何が起きているんだ?)


シュウは、理解できないとでも言うように首を傾げる。


(気のせいか? この二人の間に、妙な緊張が漂っているような……)


エデンは、ヘルメスとバルドルの顔を交互に見つめた。


(どう見ても、仲が悪いな)


イサクは即座にそう結論づける。


「……まあ、これ以上時間を無駄にするのはやめよう」


バルドルは気を取り直すように話を切り替えた。


「万物の父が、宮殿で君たちを待っている」


「心配するな。こいつらは俺が連れていく」


ヘルメスが、すかさず口を挟む。


「何しろ、向こうが待っているのはアカイアの一行なんだろう?」


そして、わざとらしくバルドルへ笑みを向けた。


「だから、お前はここで安心していろ」


「俺の仲間をオーディンの前まで連れていくのは、この俺がやる」


「…………」


その言葉を耳にした瞬間、バルドルの顔からみるみる血の気が引いていった。


目に見えて肩を落とし、深く沈み込んでいく。


「バルドル、大丈夫か?」


アフロディーテが心配そうに尋ねた。


「さあ、行くぞ。万物の父が首を長くして俺たちを待っているからな」


ヘルメスは女神の両肩を掴み、そのまま前へ押し進める。


「だが……バルドルが……」


「心配するな。あいつのことは兵士たちが何とかしてくれる」


ヘルメスは、さらに言葉を強調した。


「俺たちは、俺たちの仲間のことだけを考えればいい」


「…………」


バルドルは、先ほど以上に深く肩を落とした。


(今のはさすがに卑怯だぞ、ヘルメス……)


エデンは、すっかり意気消沈したバルドルへ同情の眼差しを向けた。


     ◇◇◇


一行はそのまま街の奥へと進み続け、ついに目的地へ到着した。


そこに聳え立っていたのは、三十階を優に超える巨大な帝宮だった。


眩いばかりの黄金と、どこまでも透き通ったダイヤモンドによって築き上げられた、荘厳な建造物。


宮殿一帯はあまりにも広大で、まるで富と権力を誇示するためだけに造られた小さな都市のようにすら見えた。


最も高く、最も眩い光を放つ塔。


その周囲には、さらに二十四もの巨大な宮殿が立ち並んでいる。


そのうち、明かりが消え、静まり返っている宮殿は二つだけだった。


そして、それらすべての宮殿をつないでいるのが――


中央宮殿、グラズヘイム。


九つの世界で最も純度の高い黄金のみを用いて築かれた、美しく荘厳な宮殿だった。


その場所で、オーディンは普段と何一つ変わらぬ様子で客人たちを待っていた。


「再びよく来てくれた、アカイアの者たちよ」


オーディンが、厳かな声で一行を迎える。


その賢明にして威厳に満ちた指導者の背後には、二人の戦士が立っていた。


どれほど勇猛な者であろうと、向けられただけで自信を削ぎ落とされてしまいそうな鋭い眼差し。


トール【雷神】。


そして――


テュール【戦神】。


(友好的な話し合いになるはずがないとは思っていたが……)


アフロディーテは、二柱の姿を見ながら胸の内で呟いた。


一行がオーディンを囲むように席へ着くと、彼は一切の時間を無駄にすることなく話を切り出した。


「すでに知っていると思うが、前回の大会で最も高い得点を獲得した学園には、この対抗戦で採用される規則を決定する権利が与えられている」


オーディンは、集まった者たちを静かに見渡す。


「そこで長い検討を重ねた結果、我々は観客に最高の試合を見せるため、戦いを一対一の個人戦に分けることが最善だと判断した」


(やはり、そう来たか)


アフロディーテは冷静に分析する。


(連中にとって最善の策は、私たちを一人ずつに分断し、不測の事態が起こる可能性を抑えること)


(悪くない判断だ)


「先に二勝を挙げた学園を、この試合の勝者とする」


オーディンは淡々と説明を続けた。


「つまり、どちらかが二勝した時点で決着となり、第三試合は行わない」


「すでに勝敗が決したあとで戦いを続けても、何の意味もない。ただ時間を浪費するだけだからな」


そこで言葉を止めると、オーディンはアカイアの者たちへ鋭い眼差しを向けた。


「――何か異論はあるか?」


…………。


返答がないことを確認すると、オーディンはそのまま説明を続けた。


「いかなる不満や不正の疑いも生じぬよう、抽選はこの場で、全員が見守る中で行う」


そこで一度言葉を区切り、アフロディーテへ視線を向ける。


「余計な騒ぎは起こしたくないだろう?」


「好きにしろ、爺さん」


「では、始めるとしよう」


オーディンは、三枚の紙を卓上へ並べた。


しかし、そのどれにも文字は記されておらず、完全な白紙にしか見えない。


「見てのとおり、諸君の前には、我々が対抗戦の出場者として選んだ者たちの名が記された三枚の紙がある」


オーディンは、白紙を指し示しながら説明する。


「各自が好きな紙を一枚選び、それにゼンカを流し込む。すると、対戦相手の名が紙面に浮かび上がる仕組みだ」


(仕掛けが露骨すぎて、笑えてくるな)


アフロディーテは、三枚の紙を見つめながら冷静に分析した。


(あの紙にあらかじめ特定の対象が設定されているのなら、触れた者のエネルギーに応じて反応を変えることができる)


(つまり、どの紙を選ぼうと関係ない。連中が望んだ相手の名を、好きなように浮かび上がらせられるということだ)


だが――


(どれほど露骨でも、ここで私が余計なことを口にすれば、権威に対する侮辱と見なされかねない)


(そうなれば、奴らはいくらでも私を追及できる。今は連中の茶番に付き合うしかないか……)


「失礼します、オーディン殿!」


そのとき、シュウが声を張り上げた。


「どうした?」


「その紙が、あらかじめ細工されていないと……どう証明するのですか?」


シュウはオーディンを真っ直ぐに見据えたまま問いかける。


「ゼンカに反応する仕組みであることは分かります。ですが、それが俺たち一人一人にのみ反応するよう仕組まれていないと、どうして言い切れるのですか?」


「…………」


その問いかけに、広間にいた全員が沈黙した。


しかし、オーディンは即座に行動を起こす。


卓上に置かれた紙の一枚を手に取り、自らの力を流し込んだ。


すると、白紙だったその表面に、一人の名が浮かび上がる。


――ナイ・ブリクスト。


「この紙は、神力にも反応するからだ」


オーディンは、名の浮かんだ紙を全員へ見せながら答えた。


「そもそも、諸君のエネルギーがどのような性質を持ち、いかに作用するのかも知らぬまま、一人一人にだけ反応する紙を作り上げることが、どれほど困難か理解しているか?」


「お、俺は……」


「だが、疑念を抱いたことを責めるつもりはない」


オーディンは静かに紙を卓上へ戻した。


「結局のところ、我々にはそれぞれ守るべき利益がある。互いを完全に信用できぬのも当然だろう」


そして、三人の生徒へ視線を向ける。


「ゆえに、一切の疑念を残さぬよう――抽選そのものを諸君の手で行ってもらう」


「何を言っている?」


アフロディーテが眉をひそめた。


「ゼンカを一切込めていない、ごく普通の紙を三枚渡す」


オーディンは淡々と説明を続ける。


「その紙に、諸君自身の手で我々の代表者三名の名を書いてもらうのだ」


「ナイ・ブリクスト」


「レイ・サンドヘッド」


「そして――コウ・ネーヴェ」


「三人の名を書き終えたあと、諸君はその中から好きな紙を選べばよい」


(何を企んでいる、オーディン……?)


アフロディーテは、相手の意図を読み取ろうと鋭く目を細めた。


だが、オーディンの表情からは何一つ窺い知ることができない。


彼は落ち着き払った様子で、羽根ペンとインク、そして何の細工も施されていない三枚の紙を差し出した。


GODSの生徒たちはそれらを受け取り、それぞれの紙に対戦相手の名を書き記していく。


全員が書き終えると、オーディンは三枚の紙を手に取り、文字が見えないよう一枚ずつ丸めた。


そして、三つの紙玉を生徒たちの前へ差し出す。


「さあ――好きなものを選べ」




最初に紙玉を手に取ったのは、イサクだった。


次いでエデンが選び、最後に残った一つをシュウが手にする。


三人はそれぞれ紙を開き、そこに記された名を確認した。


「――コウ・ネーヴェ」


イサクが、その名を読み上げる。


その瞬間、アフロディーテの身体が僅かに震えた。


彼女は無意識のうちにオーディンへ視線を向ける。


しかし、オーディンは何食わぬ顔で問いかけた。


「どうかしたか、アフロディーテ?」


「……いや」


(どうして、こんなことが……?)


愛の女神は、胸の内で動揺する。


(三人のうちの誰かになる以上、可能性は確かにあった)


(だが――よりにもよって、なぜこいつが**コウ・ネーヴェ**を引いた?)


続いて、**エデン**が自分の紙に記された名を読み上げる。


「**レイ・サンドヘッド**」


(……やはり)


アフロディーテの中で、疑念が確信へと変わった。


(間違いない。これこそが**オーディン**の望んでいた結果だ)


(最初に見せた仕掛けは、真の狙いを覆い隠すための目眩ましにすぎなかった)


(奴の本当の目的は――三人を、それぞれにとって最も相性の悪い相手と戦わせること)


これは偶然でも、不運でもない。


**オーディン**という男にとって、そのような不確定な要素さえも、無数に連なる選択と因果の一つにすぎない。


そして、そのすべてが常に彼の想定し得る可能性の中にある。


(私たち自身に対戦相手の名を書かせたのも、その紙へ確実に触れさせるため……)


(誰にも細工を見抜くことのできない、唯一の紙――)


(ルーン紙か……!)


そのとき、**オーディン**が僅かに顔を動かし、アフロディーテへ視線を向けた。


そして――


すべてを見透かしているかのように、薄い笑みを浮かべる。


「…………っ」


**アフロディーテ**にできたのは、悔しさを噛み殺しながら両拳を強く握り締めることだけだった。


そして最後に、第三の対戦相手が明かされる。


「**ナイ・ブリクスト**」


**シュウ**が、静かにその名を告げた。


疑念と欺瞞が渦巻く中――


ノルク学園とGODS学園による三つの対戦カードが、ついに決定した。


**イサク・ヨイ VS コウ・ネーヴェ**


**エデン・ヨミ VS レイ・サンドヘッド**


そして――


**シュウ・サジェス VS ナイ・ブリクスト**


だが、神々が最高の見世物を作り上げようとしているその裏で――


闇に潜む影もまた、絶え間なく蠢き続けていた。


     ◇◇◇


【ニヴルヘイムのどこか――永遠の薄闇に包まれた王国】


ぐしゃり――!


青白い手に握り潰され、ゴブリンの頭部が跡形もなく弾け飛んだ。


砕け散った肉片と鮮血が、ニヴルヘイムの暗い大地を赤黒く染め上げる。


「お前たちには、本当に何一つ期待できないな……」


しゃがれた、どこか哀愁を帯びた声が、気怠そうに呟く。


「役立たずの屑どもが……」


残されたゴブリンたちは、その毒々しい緑色の瞳を前に、声を上げることすらできず震えていた。


そのとき――


暗闇の奥から、妖艶な女の声が響いた。


「相変わらず残酷ね、愛しいロキ」


ロキがゆっくりと振り返る。


そこに立っていたのは、紫色の長い髪を美しく編み込んだ一人の女だった。


その紫の瞳には、見る者の心を掻き乱す不気味さと、底知れぬ力が宿っている。


身に纏っているのは、紫のレースで仕立てられた優美なドレス。


その上から、純白の毛皮で作られた外套を羽織っていた。


そして胸元には、右肩から斜めに走る大きな傷痕が刻まれている。


ロキは暫し女を見つめたあと、足元に広がる血溜まりへ視線を戻した。


「何の用だ、イス?」


「私がここにいることに、あまり驚いていないようね」


イスは妖しく微笑みながら、ロキとの距離を縮める。


「もしかして、私が来ることを予想していたのかしら?」


「…………」


「なるほど。相変わらず、あなたから情報を引き出すのは難しいわね」


「さっさと要件を言え。俺には無駄にする時間などない」


「あなたに、ちょっとしたお願いがあるの」


「お願いだと? お前が?」


ロキは訝しげに眉をひそめる。


「お前のような化け物が、俺の助けを必要とするとは思えないがな」


「安心して。もちろん、ただでとは言わないわ」


イスは艶やかな笑みを浮かべた。


「働きに見合うだけの報酬は、きちんと用意する」


「何しろ、こんな仕事を任せられるのは――あなたのような男だけだもの」


「……何をさせるつもりだ?」


イスの笑みが、さらに深まる。


「エデン・ヨミを――」


その紫の瞳が、暗闇の中で妖しく輝いた。


「生け捕りにしてほしいの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。