はじめに
これは私達の住む地球からは遠く、銀河系をも遥かに超えたビッグバン起点の向こう側の宇宙の話。
なのです、けれども……
未だ未知なる宇宙の話に、たかだか太陽系程度の若い星齢の中で生まれた地球人如きがつべこべ言うなかれ!
と、遠く銀河の先の先には何が在るのかも知れない話。
宇宙には地球とは違う物質も時の流れも視える物も価値観も音も概念も、当然そこには意思疎通をする為の何かも在るのか無いのかも判らない。
けれど、ある程度の物作りをする知能を有する生命体となれば知識と技術を必要とする筈。
それが一人で出来る物なら兎も角、宇宙でどう誕生するのかによって様々な環境適応能力を持って生まれる知能生命体が、何かを欲した時点で動き出すのは何かも知れぬ話。
なので、一応までに地球人と同じくして惑星の中で誕生し、知能を持ち知識と技術を追い求める中で他者との意思疎通を図り言語を用いて互いの欲を満たす為にと共生社会を築いた生命体の部分にのみ、設定を必要とする訳です。
勿論、意思疎通の共生社会に準ずるものの知能を持たない生命体も居ます。
それは私達の地球においても人以外の生命体に目を向ければ、猿やゴリラや同じ類人猿でも人とは違う意思疎通の中で互いの欲を満たす為にその類人猿同士で理解する共生社会を築いているので、例え人の共生社会に反する行為でもその類人猿の共生社会では真当な社会人ならぬ社会類人猿なのです。
ですから、地球の多くの国では人の社会で他の人の権利を脅かす者は【人で無し!】として罰が与えられる。
故に、その共生社会から外れる行動を抑えるもその思考を持つ者が、罰として逮捕禁錮される事を避ける為に知恵を働かせ、同じ様に社会と外れた思考を持つ者との共生社会を望むようになると、
その反社とされた別の共生社会で徒党を組み、自身の思考が多数ある思考であるとして共生社会が間違っているとする意見主張を訴え、共生社会に融和と調整を持たらせた行動を認める事にこそ共生社会の根幹がある。
そして、共生社会の中では満たされない自身の立場や心に救いを求め何かにすがり、すがるそれを神や仏と祀り崇めて信じる事で自身を保とうとする道を示し導くのが信仰の対象となる宗教。
しかし、これに倫理的な思考も無く利己主義に暴力を用いて共生社会の中で反社会共生社会に徒党を組み強引に行えば暴力団と言われる。
また、他者を貶めいたぶる事を好み拷問等と言っては多数で少数をなぶる様な集いを持てば、それは宗教では無くカルト組織として多くの国では解体され監視される。
ただ、日本に置いてはカルト組織をカルト指定する以前に、人権を保護する為の危険排除意識が低く、またカルト組織の定義と宗教理念の知見が希薄である事から、人権保護の為に危険を排除する共生社会の法が殆ど機能していない。
それには理由もあり、日本は神も仏もごちゃまぜに多神教で仏を祀り神仏とする様な事も許している国でもあり、その上その神や仏の信仰も希薄になっている事を危惧して宗教そのものを歴史文化と伝統に紐付け保護しようとする為、海外の一神教から見ると何ともややこしい信仰心となっている。
・信仰の対象であるのが宗教
・私欲を満たす何かをする為に集う時点でカルト組織。
つまり、カルト組織にいくら宗教理念を用いた処で、何かをする為に集えばそれはカルト組織なのだと。
それを理解出来無いが為に日本では、凡そ相当な犯罪を犯さない限りは……
いえ、犯しても犯しても手厚く保護されているのが現状で、有名なあの事件を犯した団体でさえ事件の実行犯と指示者主謀者のみが罪に問われ組織は解体されるも、信仰した信者はそれもまた救う為とした新たな団体へと汲みされ組織と幹部を監視対象としているのが現状。
その様なカルト指定の意義の軽さから、海外から見れば侵略行為も容易と知られ、スパイ天国と言われる日本では数多くの新興宗教団体も作られ活動しています。
そのような組織や団体やスパイやの知見乏しい日本人にはイジメ同様に、SFにおける共生社会の意義や他種族間の争いの根源が理解し辛いのです。
そこで考えて欲しいのは、日本の共生社会が仮に今……
・暴力を用いる組織により奪われ委ねられていたのなら
・宗教団体に奪われ委ねられていたのなら
・カルト組織に奪われ委ねられていたのなら
きっと今まで過ごしていた共生社会の倫理的行動とは違う理念に基づいて行動する事を指示され、その信仰に沿わない事や者は罰せられ、例え嫌でも他者を貶めいたぶる事も良しとされ、次第にその様な拷問行為にも慣れ染まって行く自身を……
あなたはそんな自分を許すのですか?
あなたはそれに準ずるのですか?
あなたは……
そう、知能を有する生命体がどのような共生社会を形成しているのかは他者への優しさという倫理と我慢強さを計る指標でありますが……
それは現段階に至る迄の、時の運でもあり、多数決でもあり、弱肉強食の世界でもあり、と……
つまり、そこに正義は無いのです。
私欲に応じてただ悪があり、それに対して思う者あればそれを敵となす。
倫理観を捨てられない現実に、動けない事の多い現代の世の中では、敵として倒す事にも大義名分を必要とする社会において、それでも敵とした社会を倒す為に戦っている世界の情勢をニュースで流れる事の少ない日本では難しい話に思えるでしょう。
あなたはそれを聞いた折には、どう聞きどう見ていますか?
自分だって、こうしたい、ああしたい、あるでしょうけど、言えない、動けない。
海外に居たってそれは同じ。
ただ、動かないと生死に関わるからこそ動くしかない。
勇気云々の話だけではない現実が、ニュースの裏側にはあるのです。
こと、日本においてはそういった世界情勢を報じる事すらもありませんが……
しかし、大義名分なくしても勇気云々だけでも動ける身軽さこそが物語の良い所です。
そして、共生社会を敵にする上でその科学知識と技術やの現実をも変えてしまえるそれこそが……
未知なる宇宙を題材にする SF の醍醐味なのだと私は思うのです。
その上で!
私達が学び知っている現代科学における宇宙の常識とされている事物を物語の中で皮肉る為にも、地球人である私の宇宙に関する疑問点をQAA☆から順に揚げて行きたいと思います。
そして!
AAB★から始まる物語の中では、共生社会を取り仕切っているのは所謂マフィア政治といったものにしています。
何故ならば……
成熟した知識と技術に科学力があれば、人の業にも自由を求め自身の生に対して向き合い、思う事に他者に迷惑をかけなければ追求する。
そこには未知なる宇宙に旅立つ者も出るでしょうし、星の未来を見据えた惑星探査の必要性からも新たな天上を求めるのは理に適う話。
しかし、当然の事ながら私欲に目を奪われた輩が徒党を組み、ギャングが悪事に暴力を用いれば容易に統治出来てしまう。
ただ、統治したなら反乱を治める必要も出て来るもので、そこで行うのが政治となり、賭博を用いて財を成し、民を制御する為に税を課して私財を奪う。
そこに民を管理する為、私財を金に、金をカードにと価値基準を統治する者に統一させた挙げ句に個人の情報を一括管理し、民が逃げられない様にとその財務を操作し民の自由を奪う。
仮に私財が尽き果てたり賭博に手を出し債務を負えば、払うツケに逃げられない様にと監視捕縛執行をする組織の必要に、ギャング政治が警察取締り組織を作り出す。
主な舞台は、そうして出来た☆賭場衛星で、電波を受け走るスペースボートのスピードレースの賭博をする為の衛星を賭け事として、惑星間の競技としては勿論、惑星間協議の可決権争いをもしていたトンキン星団界隈の話。
短編集として綴るにあたり主人公も様々に、続きもあれば、全く違う星の話もありと、多様なオムニバス形式の物語。
では、時の流れに逆らう事もあるけれど、気長な宇宙の船旅を……