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第2話:ポッドの破砕! ナナと名付けられた少女

【前書き】


「えーっとぉ、あんたは“AX-07(エーエックスゼロナナ)”だっけ? 名前とかはないのか?」


『私には名前は必要ありませんでした。識別番号だけで十分でしたから……』


「じゃー呼び名は“ナナ”でいいかな? ナナさん、あなたを救い出し、一緒に銀河を旅しようじゃないか。そのために少し協力してくれないかなぁ?」


『……ナナ……それが、私の……名前……? 私に……手を貸してほしいと……?』


「おうよ! アトランティス社の奴ら、デザイン生成した生体デバイスで無限労働なんてえぐい真似しやがって……絶対に許せねえ! さくっと『アマルテア』を強奪して鼻を明かしてやる! で、俺らのお腹も大満足、ノクターンの燃料も大満足、お前も救い出せてみんなハッピーだ!」


『ふふん! ナナちゃんはアマルテアのすべてを管理していた超・高度生体演算子ですからね! 私のAGIレベル3とタッグを組めば、向かうところ敵なしですよぉ〜!』


「よし……ポッドを破砕して、ナナを連れ出すぞーーっ!!」


というわけで、新ヒロイン「ナナ」正式誕生!

第3章第2話、水密要塞での決死の救出&強奪シークエンス、行ってみましょう!


◇


第2話:ポッドの破砕! ナナと名付けられた少女


「敵襲! 敵襲ーっ! 管理棟B3ブロックに正体不明の黒い艦艇が侵入! 警備水陸両用メカユニット、全機展開せよ!」


アトランティス社が誇る海洋プラネット【セクター09】。

その水深一千メートルの地下要塞に、けたたましい緊急アラームが鳴り響いていた。


本来であれば、数十重の水密隔壁と超高圧の力場シールドによって遮断されているはずの管理中枢。だが今、その分厚いチタン装甲の壁は、ノクターンの『空間歪曲突撃』によって綺麗に円形にくり抜かれ、高熱の蒸気を吹き出していた。


ドズバアァァァンっ!


青緑色の粘調な培養液が、砕け散った強化ガラスの破片とともに床一面へと激しく噴き出す。


「くっ……ゴホッ……! かはっ……!」


22年間、ポッドの中でチューブに繋がれたまま液体を満たされていた少女の肺に、初めて「生きた空気」が直接流れ込んできた。

急速な激痛と呼吸の感覚に、少女の華奢な体が激しく痙攣する。


「おいっ、大丈夫か!?」


濡れた床にひざまずいたリョウは、自分の上着をサッと脱ぐと、胸元や首筋から光ファイバーケーブルが外れて震える少女の身体をしっかりと優しく包み込んだ。


「あ……が……あ……」


少女は湿った長い髪の隙間から、初めて自分の「肉体の目」で目の前の男を見上げた。

画面越しでもデータ上でもない。自分を抱きかかえる男の腕の熱、力強い鼓動、そして香ばしい焼き肉の匂い(※ルビコン・ゲートで食べたA5和牛の残り香)が、ダイレクトに五感を揺さぶる。


「リョウ! 敵の防衛ドローン部隊が来るわ! 水陸両用メカ『アスピドケロン』が12隻、通路を塞いでる!」

背後でシルヴィアがビームライフルを構えながら叫ぶ。


「マルコ、ノクターン! 時間稼ぎを頼む!」

「任せとけ! 船の外部アームでバッタバッタとなぎ倒してやるぜ!」


『ふふん、私の高次元干渉波で敵の照準システムを狂わせてあげます!』


ブリッジのノクターンと仲間たちが激しい牽制攻撃を開始する中、リョウは抱きかかえた少女の顔を覗き込んだ。


「えーっとぉ……あんたは『AX-07(エーエックスゼロナナ)』だっけ? 名前とかはないのか?」


少女は不器用にくちびるを震わせ、静かに首を横に振った。


「私には……名前は必要ありませんでした。識別コードがあれば……管理・処理には支障がありませんでしたから……」


「そいつは味気ねえな」

リョウは笑った。


「じゃー呼び名は“ナナ”でいいかな?」


「ナナ……?」


「おう。ナナさん、あなたを救い出し、一緒に銀河を旅しようじゃないか。そのために少し協力してくれないかなぁ?」


少女——ナナの胸の奥で、カチリと何かが弾けた。


(私に……名前をくれた……? 命令でも処理要請でもなく……『協力してくれないか』と……?)


ナナの瞳に、これまでの22年間で一度も灯ったことのない、鮮やかで力強い光が宿る。


「……はい……! 私の……アマルテアの全データアクセス権限を……あなたに……リョウ様に……委譲します……!」


ナナが華奢な指先をノクターンのホログラム端末に触れさせた瞬間!


ズキュゥゥゥゥン——っ!!!


「な……なにっ!?」

押し寄せていたアトランティス社の警備隊員たちが悲鳴を上げた。


要塞全体を制御していたスーパーコンピューターの画面が、一瞬で漆黒の「ノクターンマーク(黒い星の紋様)」へと書き換わっていく!


『システム警告! 管理デバイスAX-07の権限離脱を確認! アマルテア・プラントLevel 2の中枢コア、外部アクセスへ自動移行中!』


『きゃはははっ! すごいですナナちゃん!』

ノクターンのARモードが、目を丸くして大喜びで拍手した。


『アマルテアのナノ構築プロトコル、100%私のシステムと同期完了いたしましたぁ! ナナちゃんの天才的な並列処理のおかげで、1秒でハッキングが完了しちゃいましたよぉ〜!』


「なに……!? 生体デバイスが奪われただと!? 阻止しろ! アマルテアを渡すなーーっ!」

敵の指揮官が叫ぶが、すでに遅かった。


要塞の地下深くに格納されていた巨大な円環状モジュール——【アマルテア・プラントLevel 2】が、高次元の光を放ちながらノクターンの機体下部へと磁力吸着(サルベージ)されていく!


ガチィィィィンっ!!!


ノクターン全体に、腹の底から響くような重厚な駆動音が駆け巡った。


『モジュール統合……完了! 【物質生成(アマルテア)Level 2】覚醒ですぅぅぅ〜!!』


ノクターンの艦内全域に、眩い黄金色の光が充填されていく。


「よしっ! 強奪完了だ!」

リョウはナナを軽々と横抱き(お姫様抱っこ)に抱え上げると、不敵な笑みを浮かべて要塞の警備隊を一瞥した。


「アトランティス社に伝えておけ! デザイン生成した生体デバイスで無限労働なんてえぐい真似をしやがった報いだ! 『アマルテア』とナナは、僕たちチーム・ノクターンが根こそぎ横取りしていただくぜ!!」


「リョウ、脱出ルート確保したわ! 急いで!」

シルヴィアの叫びに応え、リョウはナナを抱えたままノクターンのブリッジへと飛び込んだ。


「ノクターン、全速力でこの海をブチ抜くぞ!」


『アイアイサー、マスター! アマルテアの無限エネルギー生成アシストにより、時空歪曲エンジン出力200%! 海洋要塞ごと……突き抜けますっ!!』


ドゴォォォォンっ!!!


漆黒の船体・ノクターンは、高圧の水流と要塞の防壁を「空間ごと消滅」させながら、青く輝く海洋惑星の地上へと向かって一気に浮上していった——!


【後書き】


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


ついに新ヒロイン「ナナ(AX-07)」が正式加入!

名前をもらい、リョウたちと対等な「協力者」として手を組んだナナの圧巻の処理能力により、アトランティス社が誇る【アマルテア・プラントLevel 2】のハッキング&強奪が見事に成功いたしました!


アトランティス社の非道なやり口を粉砕し、アマルテアを横取りして大満足!


次回、第3章第3話(通算第21話)!

**『アマルテア覚醒! 幻のA5和牛とウニの無限宴』**


ついに覚醒したアマルテア・プラント!

ノクターン艦内で「分子レベルからの食材無限生成」が解禁! 初めて「本物の料理」を口にするナナと、マルコの特製A5和牛&ウニ丼の宴が始まります!


「ナナちゃんがお姫様抱っこで救出されるシーンにキュンとした!」「アマルテア合体でいよいよ美食無限生成が解禁でワクワク!」「アトランティスの鼻を明かしてスカッとした!」と思ってくださった方は、ぜひブックマーク登録や評価(ハイヴ)をいただけますと大変励みになります!


次回更新もどうぞ期待してお待ちください!

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