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第9話:未知なる宝の地図と、絶対の優先順位

【前書き】

いつもお読みいただきありがとうございます。

今日もマルコとリヨウの食い意地とのやり取りから始まります。


「なあノクターン、お前レベル3の最高スペック頭脳なんだろ? 10大聖遺物ってあとどこに何があるか、今すぐ全部わかるんじゃないのか?」


『ううっ……マスター、そこなんですよぉ! 私のAGIレベル3は“思考と演算の基盤”であって、1000年間の銀河の歴史や、どのパーツが今どこに秘匿されているかという“最新のデータファイル”までは内包していないのです……!』


「なるほどな。最高性能のスーパーコンピューターだけど、最新の地図と住所録(データベース)が入ってない状態ってわけか」


『その通りですシルヴィア様! ですから、10種の聖遺物の全貌と正確な座標、そして銀河中の本物の食材の原産地や密輸ルートを完璧に把握するためには……何よりも先に【アカシック・ライブラリ(情報・記憶モジュール)】を手に入れる必要があるのです! これさえ手に入れれば、今後の奪還作戦の優先順位も、裏市場のウニの相場もすべて一目瞭然! 悪党どもを完全にだし抜けますよぉ〜!』


「よし……決まりだ! 奴らの裏をかいて、まずは『宝の地図』を横取りするぞ!!」

「ほかにも、どんな食材があるのか、1000年前の食いもんとかもっとすげーのがあったんじゃないのか?」


マルコが想像に押しつぶされながら、よだれを流しノクターンの広い操縦室を狂喜乱舞しています。


というわけで、脱出成功からの次なる戦略会議!


第2章第9話、聖遺物争奪戦の真の第一歩を描く【進路検討編】、行ってみましょう!



「ふぅ……間一髪、脱出成功ってところか」


ルビコン・ゲートの激闘を背に、ノクターンは青紫色の光の尾を引きながら、高次元空間(スリップストリーム)の中を軽やかに滑空していた。


ブリッジのシートに深く身を沈めたマルコが、大きく息を吐き出しながら横のコンテナに目をやる。


「おいおいリョウ、見てみろよ! このA5和牛も氷結ウニも、ひと切れたりとも傷ついてねえぜ! ノクターンの歪曲(ディストーション)シールド、マジで半端ねえな!」


「ああ、ドックごと突き破ったときはどうなるかと思ったが……まさに『時空歪曲突撃(ディストーション・チャージ)』様々だな」


リョウは操舵桿から手を離すと、首を鳴らしてホログラムの全天周モニターを見上げた。


モニターの隅には、先ほど粉砕した連邦特務八局の重巡洋艦『ヘルヘイム』の爆発余波と、呆然と取り残されたアトランティス社の駆逐艦隊が縮小表示されている。


「連邦の特務もアトランティスも、完全に僕たちの存在を『最優先排除対象』に切り替えたはずだ。ルビコン・ゲートを出た以上、もう追手は絶え間なく押し寄せてくるぞ」


「望むところだ外道どもめ! 追ってくんなら返り討ちにして、肉の肥やしにしてやるぜ!」

拳を握りしめて息巻くマルコ。


そんな二人のやり取りを見ながら、コンソールで機体のデータチェックを行っていたシルヴィアが、ふと疑問を口にした。


「ねえ、ノクターン。ちょっと聞いてもいい?」


『はいなぁにでしょう、シルヴィア様?』

空中を可憐に浮遊するARメイドモードのノクターンが、首をちょこんと傾ける。


「あなた、自分のことを『AGIレベル3の最高スペック頭脳』だって言ってたわよね。……だったら、さっき話に出てきた【10大聖遺物】の残り9つが今どこにあって、どんな機能を持っているのかも、全部お見通しなんじゃないの?」


その言葉に、リョウとマルコも「あ、確かに」という顔でノクターンに視線を注いだ。


「そうだよな! ノクターンが場所を知ってりゃ、今すぐ一番近いパーツのところに飛んでいって、サクッと横取り(サモハン)できるじゃねえか!」


マルコが身を乗り出すと、ホログラムのノクターンは途端にキュッと眉を八の字に曲げ、申し訳なさそうに両手の指先をつつき合わせ始めた。


『ううっ……マスター、マルコ様……実は、そこなんですのよぉ……!』


「ん? なんだその思わせぶりな溜めは?」


『あのですねぇ……私の頭脳(AGIレベル3)は、例えるなら“世界最高峰の処理能力を持つ超ハイテクOS”**なのです。ですが……1000年前の大戦で私は眠りにつき、物理的な外部データベースから切り離されてしまいました。つまり……**“脳みそは超絶賢いけれど、最新の百科事典や住所録(ファイル)が手元にない状態”なのですぅ……!』


「あー……なるほど」

リョウは苦笑いを浮かべた。


「思考能力や計算力は神レベルだけど、1000年間に銀河で何が起きて、どのパーツがどこに運ばれたかという『データそのもの』は持ってないってことか」


『その通りなのですマスター! 私にも、この宇宙にあとどれだけのオーパーツ(聖遺物)がどのような形で存在しているのか、完全には把握しきれていないのです……! “10種類存在する”という基本仕様は知っていますが、アトランティス社や連邦が具体的にどのパーツをどの要塞に隠しているかまでは、外部アクセスなしでは探れません……』


しょんんぼりと肩を落とすノクターン。


だが、シルヴィアはその言葉の裏にある「解」を瞬時に見抜いた。


「待って……ということは、その『外部データ』が収められている聖遺物も、どこかに存在するってこと?」


『さすがシルヴィア様! 大正解です!』

ノクターンはパッと顔を輝かせ、ホログラムの手に小さな指揮棒を出してクルクルと回した。


『古代聖遺物・第5のモジュール……【概念情報・記憶統合図書館(アカシック・レコード)】! これこそが、1000年前の大戦以前から現在に至るまでの、銀河中のすべての技術・歴史・地図・そして聖遺物の埋没座標が記録された“絶対の知恵の宝庫”なのです!』


ノクターンは真剣な表情になり、3人に向かって指を突き立てた。


『もし私たちが『アカシック・ライブラリ』を手に入れ、私のAGIレベル3と同期させることができれば……!』


1. **【10大聖遺物の全マップ解禁】**

残りすべての聖遺物が「いつ、どこで、誰の手によって保管されているか」がピンポイントで完全特定できる!

2. **【連邦&メガコーポの裏情報・航路の完全掌握】**

敵の防衛要塞のセキュリティホール、極秘の軍用航路、暗号コードが丸裸になり、常に敵の先回りが可能になる!

3. **【銀河美食データベースの完全解禁】**

1000年前に絶滅した「幻の古代牛」や「伝説の果実」の遺伝子コード、裏市場のリアルタイム価格相場、最高級生鮮食品の密輸ルートがすべて手に入る!


「な……なにぃーっ!?」

マルコの目が凄まじい光を放った。


「1000年前に絶滅した幻の肉のデータや、裏市場のウニの最安値ルートまでわかるようになんのか!?」


『はいっ! アカシックさえ手に入れば、今後の聖遺物強奪作戦の優先順位も、今日の夜ご飯にどこで最高の醤油を手に入れるべきかも、すべて一目瞭然になります!』


「……完璧じゃない」

シルヴィアも胸を躍らせ、目を輝かせた。


「私にとっても……先祖である『第一世代・高次元工学技師』たちが本当は何を思ってノクターンを作ったのか、その真実と失われた設計技術が手に入るわ。連邦の古い技術者たちから『落ちこぼれの血脈』なんて蔑まれることも、二度となくなる……!」


「……なるほどな」


リョウは口元を大きく歪め、不敵な、そして最高に楽しそうな笑みを浮かべた。


「連邦の特務八局も、アトランティス社も、自分たちが発掘した不完全な聖遺物をチラつかせて銀河を支配しようとしてる。……だが、奴らは『全体像(宝の地図)』を持っていない」


リョウは操舵桿を力強く叩いた。


「だったら、僕たちが真っ先に『アカシック』を横取りしてやる。奴らが『自分たちが一番偉い』と思い込んでる鼻を明かして、宝の地図も、裏社会の情報も、美味いもんのありかも、全部横取りしてダシにしてやろうぜ!」


「「「おおーーーっ!!!」」」


マルコとシルヴィア、そしてノクターン(ARモード)の歓声がブリッジに響き渡る。


『ふふふ、さすがマスター! 敵の裏をかく最高の戦略です!』

ノクターンは嬉しそうに胸を張り、ホログラムのモニター上にひとつの極秘宙域の座標を映し出した。


『すでに私のAGIレベル3の簡易スキャンで、連邦特務八局の通信暗号から『アカシック・ライブラリ』の欠片(Level 2ノード)が保管されている場所を特定しました!』


「どこだ?」とリョウが尋ねる。


『連邦暗部が“極秘情報保管庫”として利用している、「死宙域」と呼んで接近を禁止している【銀河中心バルジ辺境 データアーカイブ要塞・レテ】、ここには"アカシック・レベル2"が入っていることを把握しましたぁ~!』


「よし……ターゲット決定だ!」


リョウはスロットルレバーを握り直し、前方の漆黒の宙域を見据えた。


「行くぞ、チーム・ノクターン! 連邦の暗部を出し抜いて、全宇宙の『宝の地図』と『最高のご馳走』を根こそぎ奪いに行くぞーーっ!!」


『アイアイサー、マスター! 【データアーカイブ要塞・レテ】へ向けて、スリップドライブ限界加速——発進ですぅ〜!!』


漆黒の船体・ノクターンは、眩い高次元粒子を撒き散らしながら、次なる目的地『アカシック』の眠る死宙域へと一気に跳躍(スリップアウト)していった——!

【後書き】


15話を最後までお読みいただき、ありがとうございます!


ルビコン・ゲートを脱出したチーム・ノクターン。

ノクターンからの「私も実は全体像までは把握しきれていない」という素直な告白から、「何よりも先に『アカシック・ライブラリ』を手に入れ、全宇宙の宝の地図と美食情報を完璧に掌握する」という最高の優先戦略が決定しました!


これによって、連邦やメガコーポを完全にだし抜き、主導権を握る準備が整いました!


次回、第2章第10話(通算第16話)!

**『死宙域の要塞レテ! 潜入とハッキングの嵐』**


連邦暗部が誇る鉄壁のデータ要塞へ!

ノクターンのAGIレベル3の頭脳と、リョウたちの型破りな「運び屋の知恵」が炸裂するハッキング&強奪作戦が始まります!


「宝の地図を手に入れる展開にワクワクする!」「ノクターンの素直なポンコツ(?)部分がかわいい!」「幻の肉のデータが気になる!」と思ってくださった方は、ぜひブックマーク登録や評価(ハイヴ)をいただけますと大変励みになります!


次回更新もどうぞ期待してお待ちください!

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