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幕間

まずはでかい山を一発仕上げて来ようぜ!

で、ふと思ったんだが、俺たちこの世界の隅の隅にしかいなかったせいで、あまり世間のことを知らないようだ。

うまいもんも含めて、最近あちこちに配達に行くおかげで、ある程度星間連邦国家の内情と枠組みが理解でき始めたところなんだがよ、AIが実体化し始めるわ、拡張しまくるわ、大量破壊兵器などとか、テラフォーミングだとか、俺たちもっとお勉強しなきゃならないかもな?


”あぁ~マスターたちの知的欲求を感知しましたよぉぉ~”


うわやべぇこいつは思考波を読み取るんだった、地獄の勉強をさせられる~


「ギャハハハ! ざまぁ見ろマルコ! 自分で『お勉強しなきゃ』なんて言うからノクターンのスイッチが入っちゃったじゃねえか!」


『ふふふ……逃げられませんよぉ、マルコ様? マスター方の【銀河情勢および知識レベルのボトムアップ】は、当艦の安全航行および長期生存戦略における最重要タスクに指定されました!』


ノクターン(ARメイドモード)の目が怪しくキラリと光り、ホログラムの黒板と教鞭をブリッジの中央にサッと展開した。


「おい待てノクターン! 俺はただ、世間のことを知らねぇと美味い店を探すのにも苦労するなぁって思っただけで……!」


『問答無用です! さあ、まずは現在私たちが駆け抜けている【銀河恒星連邦】の基本枠組みからお勉強です! ノクターン特製・スパルタ銀河講座、開講ですよぉ〜!』


◇


### 【ノクターン特製:3分でわかる銀河恒星連邦と三大勢力】


『いいですか? 私たちが今いるこの銀河は、大きく分けて【三つの巨大なパワー】によって動いています!』


教鞭でバシッと叩かれたホログラム画面に、銀河系の巨大な立体マップが浮かび上がる。


1. **【銀河恒星連邦(正規政府)】**

* **概要**:何千もの星系を束ねる巨大な中央政府。貴族制度の残滓を残す首都星系を中心に、表面上は「平和と法」を掲げている。

* **実態**:肥大化した官僚組織と政治的思惑でドロドロ。ノクターンのような古代オーパーツを「国家安全保障」の名のもとに接収したがっている。



2. **【メガコーポレーション連合(アトランティス社など)】**

* **概要**:連邦の法すら金で買い叩く超巨大軍事複合企業群。

* **実態**:テラフォーミング(惑星改造)技術や大量殺戮兵器の利権を独占しようと暗躍。自分たちの利益のためなら星一つ潰すことも厭わない。ヴァルケンはその尖兵!



3. **【自由貿易星帯&アウトローギルド】**

* **概要**:連邦の統制が届かない無法宙域(オアシスやルビコン星系など)。

* **実態**:私たちクーリエ(運び屋)、賞金稼ぎ、宙族、そして闇商人が渦巻く熱いフロンティア! **そして……最高の「本物の食材」が集まる美食の宝庫!**


『私たちは一般の定期輸送便と違い、高額で個別で急ぎの何か裏の有りそうな品物を安全安心高速に運ぶのがクーリエという運び屋の中でも、ちょっと変わったニッチな仕事なんです。今までも変な輩に狙われたりしてきましたが、やばいものほど、輸送時が一番狙われやすいんですよぉ!』


『そして! 私たちが運んでいる「暗号化記憶ストレージ」は、アトランティス社が連邦の目を盗んで開発した【環境破壊型・惑星テラフォーミング兵器】のデータです! これが闇オークションで軍閥に渡れば、星の生態系が丸ごと書き換えられて「本物の肉や野菜」が育たない死の星になっちゃうんですよ!?』


「な……なんだと!? 本物の肉が食えなくなる兵器だと!?」

マルコがガタッと立ち上がり、血相を変えた。


「おいノクターン! それは本当か!? 豚バラも長ネギも絶滅させられるかもしれないってことか!?」


『はい! だからこそ、無知なまま大金に目が眩んで変な奴らに売っぱらうわけにはいかないんです! 世間の仕組みと裏の情勢を知ることは、私たちの【食の自由】を守ることと同義なんですよ、マスター!』


「……なるほどな」

リョウは操舵桿を叩き、ニヤリと笑った。


「連邦のお偉いさんやアトランティス社のカモにされず、自分たちの足で立って美味いものを食い続けるためには、知識っていう一番強力な武器が必要ってわけだ」


「う……うぐぐ……! 認めざるを得ねぇ……! 豚バラとウニを守るためなら、地獄の勉強だろうが受けて立ってやるぜ……!」

頭を抱えて降参するマルコを見て、シルヴィアがくすくすと笑った。


「ふふっ、大丈夫よマルコ。私が家庭教師になってあげてもいいわよ? 熱力学と高次元空間論から叩き込んであげる!」

「お前のはマジで地獄になりそうだから遠慮する!!」


『あはは! 仲良しですねぇ!』

ノクターンは満足そうに胸を張り、フリルのスカートを揺らした。


『さあマスター方! 構造が理解できたら、次はいよいよ本番——ルビコン星系の死の小惑星帯「デビルズ・リング」の強行突破です! 勉強の成果を見せて、追っ手をまとめて返り討ちにしましょうねぇ!』


「よし! 一発デカい山を仕上げて、勉強のご褒美に特上ウニと肉をたらふく喰らうぞーっ!!」


操舵桿が倒され、ノクターンは知性と爆走のエネルギーを充填して、死の小惑星帯へと一直線に躍り出た!

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