表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
31/72

第31話 いつ出発するんだ?

 俺たちはゾロゾロと移動しながら、武器屋に到着。

 その店の外壁は、磨かれた木で、余計な装飾はない。扉の横に小さな鉄製の看板が掛かっていて、槌と剣の刻印が光っている。

 静かな見た目のわりに、店の奥からは金属を打つ音が微かに響いてくる。

 リンダたちは、重たい木の扉を開き、その向こうへ消える。残されたのは、俺とケイシーだけだ。


「ケイシーも見てきたら」

「私は戦えませんよ」

「え?」

「……え? もしかして、異世界のメイドは戦うんですか?」

「実はそうなんだ。包丁を両手に握って『ご主人様を守るのがメイドの使命です』とか言うんだよ」


 ――もちろん漫画の話だが。


「私も戦闘訓練したほうがいいですか?」と、少しだけ真剣な顔になる。

「ケイシーには似合わないからやめたほうがいいね」

「こう見えて、私って結構力持ちなんですよ」


 そう言って、ぐっと腕を曲げる。力こぶは……見えない。


「野ウサギにも負けそうなんだが」

「酷いですっ」と、頬をぷくっと膨らませる。


 ――うん、かわいい。


 ケイシーとのやり取りを楽しんでいると、武器屋の扉が再び開く。

 金属の触れ合う音と一緒に、リンダたちが出てくる。

 手にしているのは、剣と矢だけじゃない。鎧や盾も見える。


「えらく買い込んだな」

「よく壊れるからな」

「え?」


 ――鎧を予備扱いする森って、何が棲んでるんだ?


「さあ、引き出しを開いてくれ。どれだけ入るか、試したいだろ? 入らなけりゃ返品だ」


 発想が雑だ。後先を考えていない。

 言われるままに引き出しを開けると、躊躇なく装備が放り込まれていく。それでも、するりと収まる。サンクチュアリの底が知れない。


「凄い……全部入ったぞ」と、ダニエルが子供のように顔を歪めた。

「まだ入りそうですね。朝市へ寄って買い足してから出発しましょう」


 リンダの発言に、皆が頷いた。


 ――いや、ちょっと待て。いつになったら出発するんだ?


ここまで読んでいただきありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブクマしていただけると励みになります。

全112話 毎日投稿します。

最後まで楽しんでいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ