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19.森の船大工さん

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あれから数ヶ月経った。

俺たちはあのオーガの件の後からはずっとA級以上の依頼を受けていた。

そして気づくと貯金が金貨100枚以上になっていた。

「いつのまにかこんなに貯まっていたんだな。」

「そうね、それとレグルス、あんたが買いたがっていた船っていくらするの?」

「およそ金貨100枚だ。」

「ならちょうど今やってる依頼も終わったしギルドで報酬貰ったら船見に行きましょ!」

「そうだな、なら早くギルドに行くか。」

リーハとそんな会話をして、ギルドに戻った。

「・・・はい、確認しました。こちら報酬の金貨5枚です。」

「よし、船を見に行くとするか。」

「ええ、早く行きましょ!」

「はい!」

2人が元気よく返事をした。


「・・・」

「・・・ねえレグルス。」

「ん、どうした?リーハ。」

「私たちは今船を見に行ってるのよね?」

「そうだが?」

「じゃあどうしてこんな所を歩いているのよ!」

そう、今俺たちが歩いているのは森の中なのだ。

「あ、そういえば言ってなかったな。」

「どういうこと?」

「今回俺が買おうとしている船は特注なんだ。」

歩きながら説明することにした。

「通常の船は手動と魔石で動くやつがあるんだが、俺は今回魔石で動く船、魔導船を買おうと思ったんだ。亜人たちがいる大陸まではかなりの距離があるしな。それで船を売っているところに行ったんだがどうもそこで売っていた魔導船の魔石が小さくて、持って2、3時間程度なんだ。しかも切れたらまた魔石にマナを入れなくてはならなくて。だから俺は特注にすることにしたんだ、それでこの近くで凄腕の船大工を聞いたらこの森の中だったわけだ。」

「・・・そういうことだったのね、それなら早く言ってくれればよかったのに。」

「それはすまなかった。」

「それで今は注文したあとなの?」

「ああそうだ、ひと月ぐらいで作れると言っていたからもう作り終わったはずだ。」

そう言いながらさらに歩いていく。


「ん、ご主人様ー。少し奥から煙が見えましたー。」

木の上に登って見ていたイロナが言う。

どうやらもうそろそろ着きそうだ。

「そうか、もう降りてきていいぞー。」

「はーい。」

イロナがそう言い降りてくる。

「それにしてもどうしてその船大工はこんな森の中に工房を建てたのよ、圧倒的に不便じゃない。」

隣でリーハが文句を言ってきた。

「どうやら人付き合いが苦手な人らしくてな。」

「それでも船大工ならせめて海の近くにするでしょ。」

「その人はかなり高度な風魔法が可能らしいぞ、だからじゃないか?」

「風魔法ってことはその船大工エルフってこと?」

「さあ、知らんな。深くフードを被っていたから。」

「ふーん」

そんな話をしていると後ろから音が聞こえた。

振り向くとイロナがいた、どうやら降りてきたようだ。

「ただいま戻りました!」

「そうか、ならその煙が見えた方向に行くとするか。」


遠くに建物が見える。

「お、見えたぞ。」

「本当?」

「見えないのか?」

「悪かったわね!小さくて。」

俺は別にそんなこと思った訳じゃないんだが。

「見えないなら、ほら。」

「え、ちょ。」

リーハを俺の頭辺りまで持ち上げた。

「・・・なんかすごく不服。」

リーハが小さな声で何かを言っていた、何を言ったんだ?まあいいか。

「ほら、あそこだ。」

指を指す。

リーハが俺が指を指す方を見る。

「ん、あれね。」

見えたようだ。

リーハを下ろす。

「よし、後少しだ。早く行くぞ。」

そう言い、再び歩き出した。


建物の前まで着いた。

「やはり相変わらずだな。」

手を腰に当てながらそう言う。

「ねえ、どうしてこの建物っていうか壁には入口がないのかしら。」

そう、なにせこれには入口がないのだ。

「聞いた話だとこれは船大工がここに来るまでに見つけてきた鉱石らしく、マナを通すとそのマナを流した人の思った通りに動かせるらしいぞ。」

「ふーん。」

リーハが手を顎に当てて考えている。

「まあこの鉱石のおかげでこんな森の中に工房を建てられたわけらしいし。」

「・・・。で、これどうやって中に入るの?」

どうやらリーハの考え事が終わったらしく俺にこれの開け方を聞いてきた。

「ああ、それなら簡単だ。」

2人を横に担ぎ建物に近づく。

「な、なにすんのよ!」

「ご、ご主人様!?」

2人は困惑していたが気にせず風魔法を使い、数十メートル飛ぶ。

「ほら、見えるだろこれには天井がないから上から入るんだ。」

2人に説明した。

壁の内側に入る。

2人を地面に下ろした。

「・・・せめて飛ぶと言ってから飛びなさいよ!」

「うう、そうです。とてもびっくりしました。」

2人が俺に文句を言ってくる。

「そ、そうなのか。善処する。」

一応謝った。

「はあ、まあいいわ。それでこれがレグルスの言ってた工房?」

リーハが聞いてくる。

「ああ、そうだ。」

「そう、なら行きま」

キィ

リーハが立ち上がりその工房に行こうとした瞬間、工房の扉が開いた。

中からフードを被ったリーハよりも少し大きいぐらいの人が出てきた。

「・・・レグルス君、今度は外から呼んでくれれば開けると言ったんだが?」

「あ」

完全に忘れていた。

「す、済まなかった。」

素直に頭を下げる。

「いや、いいよ。すぎたことは仕方ないし。」

「そ、そうか。」

「それと、今回は船を見に、だよね?」

「ああ、そうだ。」

「それとあの2人は?」

「俺の仲間だ。」

「そう、なら2人も早く入って。」

そう言い中に入ろうとする、がリーハに肩を掴まれた。

「・・・」

「え、なに?ひゃっ!」

リーハが無言でフードを剥がす。

「ちょ、リーハ。なにをするんだ。」

「あー、やっぱり。」

なぜかリーハが1人で納得していた。

「レグルス、この子やっぱりエルフだったわ。しかも女、変声機で声変えていたみたい。」

「え?」

見てみるとそこには耳が長く、綺麗な金髪をした少女がいた。

「・・・まじ?」

森の中移動中

リ「ちょっと、ここの道全く整備されてないんだけど。」

レ「仕方ないさ、だって1人しか使ってないんだから。」

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