16.努力の証と呼べるもの
今日もう2話投稿するかもしらん
シンク国から港町シーソルに行くまでの道中、特にといって大変なことは無かった。
腹が減ったら持ってきた食料を食べるか魔物を狩るか。
夜になったら火を焚くの繰り返し。
だがそんな平凡な道中にも少し見てはいられないものがあった。
「ほら、あと1km。」
「はあ、はあ、」
そう、リーハ直伝の基礎体力トレーニングだ。
かれこれ15日、リーハの「あと」と言う声とイロナの「はあ、はあ、」という声が絶え間なく続いている。
俺が心配して一旦休憩をとるべきじゃないかとリーハに言ったこともあった。
だが以外にも俺の言葉を否定したのはイロナだった。
なんでも、
「早くご主人様に役立つようになりたい」
だそうだ。
少し呆れてしまったがイロナの信念は強く、強制的にやめろとは言えない。
だがそれでもリーハのトレーニングが終わったらいきなりぶっ倒れるのはやめて欲しい、その間誰がお前のことをおぶっていると思う?俺だぞ、俺は一応体力も筋力もあるがさすがに数時間人1人をおぶるのは辛いんだ。
まあこんなことはイロナには言えないんだがな。
そんなことを思っているとイロナが倒れ込んだ。
どうやら今日の基礎体力トレーニングが終わったようだ。
イロナに近づく。
「お疲れ様。」
「・・・」
返事がない、顔を見ると眠っていた。
「リーハ、やっぱりやりすぎじゃないか?」
「大丈夫よ、ちゃんと人間の限界ギリギリまでにしてるから。」
「・・・もういいや。」
リーハは、やはり聞く耳を持っていなかった。
そんなことがあった日からはや1週間後、
「あと1km。」
「ふっ、ふっ、」
いつのまにかイロナの「はあ、はあ、」という声が聞こえていなくなっていた。
驚いた、イロナが全く息切れしていない。
「ふふっ、ほら。」
俺が驚いた顔をしていたら横からリーハがドヤ顔をしながら俺を見てきた。
「すごいな。」
「ふふん、私にかかればこんものよ、だけどイロ自身の努力の賜物でもあるわ、私の指定したトレーニング全部をやり遂げたんだもの。」
「そうなのか、それでこれからはどうするのだ?基礎体力がついたのなら魔法を教えてやりたいが。」
「いえ、まずは剣術の方がいいわ、魔法もいいけど習ってすぐに使えるのは剣だから。」
「そうか、分かった。」
「すぐに使い物にできるようにしてやるわ、シーソルに着くまであと一週間ぐらいだし。」
「・・・基礎体力トレーニングのようにやるのか?」
「ええそうよ、それがどうしたの?」
「・・・いや、なんでも。」
そう言うと俺はイロナの方を向き手を合わせた。
「幸運を祈る。」
それから3日後
最初の2日はリーハがイロナに剣の型を教えていたんだがどうやら2日でリーハの剣のすべての型を教えたらしく3日目からはずっと2人で打ちあっていた。
朝から晩まで、移動以外はずっと。
打ちあいが終わると大体リーハには傷一つ付いていなくて、イロナには大量の傷が付いている。
それを俺は毎回魔法で傷を治していた。
だが少しありがたい、基礎体力トレーニングでは終わった後、毎回俺がイロナを抱えていたが、それが魔法を使えばもう大丈夫になったのだから。
その日の晩
イロナはぐっすりと眠っていた。
「リーハ、イロナはどうだ?」
「うーん、すごいとしか言いようがないわね、だって2日で私の剣の型全部覚えちゃったんだもの。私の剣って自己流だから結構理解に苦しむと思ったのに。」
「そうなのか。」
「それに今日打ち合あって分かったんだけどイロ、かなり私の剣術をものにしてたわ、あれなら新米の騎士なら倒せると思うわ。」
「・・・そ、そうなのか。」
「多分だけどイロ、このまま剣を極めたら剣聖になれるかも。」
「・・・」
「まあそれもいいんだけどイロは魔剣師の才能があるんでしょう?」
「そうだ。」
「あーあ、いつか私イロに越されちゃうのかなー。どうしよう、イロが私を越えた途端私のこと嫌いになったら。」
リーハが夜空を見上げながら呟いた。
「そんなことはないと思うぞ。」
「なんでそう思うのよ。」
「なんとなくだ。」
「なによ、そういうこと言うならちゃんと根拠を持って言いなさいよ。」
「イテッ」
おでこにデコピンをされた。
そんな夜があったから4日後
遠くに建物が見えた。
「あ、ねえレグルス、あれじゃない?」
「うーむ、そうかもな。」
「なら早く行きましょう!久しぶりに美味しいものが食べたいわ!」
リーハが遠くの建物に向かって走り出した。
「おい、リーハ、ちょ、待て、あーくそ、イロナ、追うぞ。」
「はい!ご主人様。」
俺たちはリーハのあとを追った。
ちなみにイロナはこの4日間で剣を半分ぐらいまで極めた。
大体どのくらいかというとティガールの騎士団の副隊長とほぼ互角くらいだ。
もう俺を越されてしまった、少し悲しくなる、あの3年間はなんだったんだ。
トレーニング中のイロナ
ご主人様の役に立つんです、ご主人様の役に立つんです、ご主人様の役に立つんです、ご主人様の役に立つんです、、、




