12.天使に名を連ねるかもしれない
本日2話目
部屋の扉が開いた
「お待たせ致しましたお客様、鎖の鍵とイロナに合う服を2、3着持ってきました。」
「ああ助かる。」
危なかった、もう少し主人が早くここに入ってきたら俺がイロナに抱きしめているところを見られるところだった。
「着替えさせてきますので一旦イロナを借りてってもいいですか?」
「構わない。」
イロナと主人が部屋から出ていった。
さて、とりあえずこの待っている時間でイロナの特訓メニューを考えるとしよう。
まあまずは基礎体力からつけないとだな、だから最初は筋トレから始めるか。
それが終わったら次に剣の基礎とイロナの使える魔法の属性の初級魔法を覚えさせよう。
それから基礎体力をつけつつ剣の技を覚えさせ魔法も難易度をどんどんと上げていこう。
「・・・フ、フフフ」
イロナの特訓メニューを考えていると部屋の扉が開いた。
どうやらかなり時間が経っていたらしい。
「お客様イロナの着替えが終わりました。それと少し汚かったので風呂にも入れさせておきました。」
イロナが入ってきた。
「おお。」
入ってきたのは煌めく短い藍髪を携え、美しい服を身につけている少女だった。
「ど、どうでしょうか?」
「すごく可愛いぞ、イロナ。」
「か、可愛い!?」
イロナがモジモジとしていた。
なんでだ?まあいいか。
「主人、いくらだ?」
「風呂代も込めて銀貨50枚です。」
金貨1枚を渡した。
「少々お待ちください、銀貨50枚を持ってきます。」
「いや大丈夫だ。こんないいものを見せてくれたんだ、銀貨50枚はその礼と思ってくれ。」
「そ、そうですか。分かりました。」
なんでみんな釣りをいらないと言うとそんな顔になるんだ?まあ、気にしても仕方ないか。
「さて、じゃあイロナ。行くか。」
「はい!ご主人様。」
屋敷を出た。
イロナと繁華街を歩いていた。
「なあイロナ。」
「なんでしょう、ご主人様。」
「そのご主人様やめてくれないか、気恥しいんだ。」
「ご主人様も可愛いところはあるんですね。」
「うるさい。」
「フフッ。」
「それで結局やめてくれるのか?」
「いえ、やめません。」
「何故だ?」
「私があなたのことをご主人様と決めたからです。たとえ奴隷契約がなくなっても。」
「?よく分からんがとりあえず俺のことをご主人様呼びし続けるってことか?」
「はい!」
困ったな、こんな幼い少女に俺をご主人様呼びしているところをリーハに見られたらどうしたものか。
だがイロナはご主人様呼びをやめる気はない、まずいな。
腹を括るしかないのか。
「ご主人様どうしたのですか?なんだか顔色が悪い気がするのですが。」
「ん、いやなんでもない。気にしないでくれ。」
「そうですか。」
しばらく歩いて行く。
「あ、そうだイロナ、お前が患っていたという呼吸困難はもう大丈夫なのか?」
不意にイロナに質問した。
「元々あれはショックで患ってしまったものなので、今はそれがなくなったので大丈夫だと思います!」
「そうか。それとイロナ、お前も冒険者ギルドに登録したいのだがいいか?」
「はい!」
「よし、それでは冒険者ギルドに行くとするか。」
それから少し時間が経ち、冒険者ギルドに着いた。
中に入ると中にいた者たちが一瞬俺のことを見ると焦ったかのように目を逸らした。
どうやら今朝のあれが効いたらしい。
何事もなくギルドの受付に向かう。
「またあなたですか、今度はどのような要件ですか?」
「こいつをギルド登録しに来たんだ。」
「はあ、分かりました。それではこのギルドカードに血を1滴垂らしてください。」
「待て、金は取らんのか?」
「・・・あなた今朝金貨1枚出しましたよね?だからいいです。」
「そ、そうか。」
なんだか受付の人が少しイラついていた。
「イロナ、このギルドカードに血を1滴垂らしてくれないか?」
「分かりました!」
イロナが針で自分の親指を刺すとそこから垂れた血をギルドカードに落とした。
「はい、これで完了です。説明は、必要ないですね。イロナさんはこの男から聞いてください。」
「は、はい。」
なんで投げやりになっているんだ?
俺が受付になぜそんな態度をしてるのか聞こうとした時うしろから何か大きなものが落ちた音がした。
振り向くとそこには大きな熊の死体を携えたリーハがいた。
「ん、ようリーハ。ランク上げは順調か?」
リーハが俺に近づいてきた。
「・・・この変態」
「?」
「この変態!」
思いっきりリーハに腹パンをされた。
そして俺は最後にイロナの戸惑った顔を見ながら、意識が飛んだ。
次回18:00予定




