「世界喰らいの腕」その2
切り裂かれたモンスターは痛みすら感じず首から下の概念が虚空へと消え去った。
モンスターは焦りと精神的に負荷がかかるくらいの泣き声を上げながら溶けた頭が地面に落下した。
「はぁ、はぁ、なんか凄いの出来た・・・」
身体が重い・・・魔力を多く使い過ぎたのかな・・・確か魔力を多く消費する魔法はその分身体に負担がきて・・・耐えきれ無いと・・・最悪の場合命の危険もある・・・けど・・・何か違う、何方かと言うと貧血に近いような?
頭がクラクラして気持ち悪い・・・何かあの力を使うと血が抜けていくようなものを感じる。
狂い炎の時も獣の力を使う時もその代償は血液?
「ユカリちゃん!!早くこっちに来なさい!!」
ユイさんの大声が洞窟中に響くのに身体が思うように動かない。私はユイさんが焦った顔で叫ぶモンスターを見ると頭部から異様に膨れ上がっている気泡に気付いた。
「なんか・・・ヤバイ?」
ユイさんは私の異常に気付き急いで駆け上がるも頭部は一気に・・・破裂した。
熟れた果実から蜜が噴出る、だが吹き出たモノは腐臭と腐肉が洞窟内に響く程の破裂音が私達を襲った。
☆★☆★ 一時間後〜
「・・・かり・・・ユカリちゃん!!」
私は目が覚めるとそこは近くの洞窟だった。
「うっぷ・・・何この臭い・・・吐きそう」
血生臭い、それに薬品と腐敗が混ざって何回も吐いた。
どうやらあの後破裂したモノが原因らしい。それにしてもこんなだだっ広い洞窟内でも充満する程の臭いは一体どれだけの人間があの赤ちゃんを守っていたのかな。
「ユカリちゃん、今小さい穴を空けたからそこから脱出しよっか♪」
ユイさんは私を起こすなりすぐに洞窟内を脱出した。
本当なら剣を拾うなりハルカさんの遺体を回収してあげようとしたけどしたけど互いに体力の限界でその後はすぐに家に帰ったがもう殆ど覚えてなかった。
☆★☆★ 一日後〜
私は仲間達を後にしてもう一度あの洞窟に急ぐが何故か出入りした場所が塞がれていて近未来区では腐臭のするスラム街で持ち切りだったらしい。
私は何とかあの洞窟に行こうとしたが何処を探しても研究施設の入口は見つけられなかった。
私は昨日の疲労もあってもうクタクタだ、もうあの場所には行けないのかと遣る瀬無いに浸っているとユイちゃんが私達のお家の前で立っていた。
「ユカリちゃん、ハルカがあげたバッグ覚えてる?」
少し疲労感が垣間見えるがいつものユイちゃんに戻っていた。
ユイちゃんは昨日ハルカさんがくれたバッグを渡された。
私は中を確認するとそこには手紙と何かのバッジが二つ入っていた。
「それは錬金アイテム【ポケットワープ】よ、自分が行ったことのある場所へ移動出来る錬金術の集大成よ」
ユイさんは何故かその事を饒舌に語ってくれた、私は説明を聞き終えるとすぐにあの洞窟へポケットワープを使って移動した。




