「命を燃やして」 その5
「今ならあの力も開放できる」
私はあの時のように集中して瞼を閉じる、一気に見開くとあの時と同じ“獣”の力が湧いてくる。
アヤちゃんに話をすると珍しく真面目な態度でこう言われた。
獣の力は過去に獣に噛まれたり傷を負うと発症する病気の一つ、本来なら何らかの恐ろしい病になるのだが私は何故かその病気に一切罹った事が無い。
皆は信じてくれなかったけど一回だけ獣?みたいなのに噛まれて二日寝たきりだったけどそれ以降は何も無かった。
何故それが災難級の病と混合したのか、何故共存してるのか分からない。
アヤちゃんは【星界で一人しかいない抗体者】なんて診断されたが誰も真に受けてなかったな。
「この力が私のならこれを使いこなせればユイさんと肩を並べられるかもしれない」
私はモンスターの目の前に立つと今度は容赦無く攻撃してきた。
「やあぁ!」
私は斬撃で返すと向かってくる触手を全て斬り払う。
「今だ!」
私は突進して突っ込むが即座に横から赤子の手が私の脇腹を捉えた。
「ぐふ!!」
巨体なだけあっていとも簡単に壁に吹っ飛ばされてしまった。
だが私はすぐに立ち上がり同じ戦法をする。
同じ返しをされたが私は瞬時にスライディングをして躱す。
「これでもう触手は使えないよ!!」
触手が出て来る所目掛けて斬撃を飛ばすと全てを両断に成功した。
「ひゃ!?」
だが大振りにしてしまい伸びた赤子に捕まってしまった。
「くっ・・・離して!!離してよ!!」
力が強くて抜け出せない!?このまま捻り潰されたら・・・
捻り潰されると思ったがまるでおもちゃのように振り回されたり叩きつけられたり、両手で遊ばれる。
「や、やめ!!」
私は何とか振り解こうとしたが指でお腹を押されて内蔵が破裂した。
「ゔっ・・・・がは!!??」
骨が砕けてそれが内蔵に刺さると口から嘔吐と一緒に血を吐き出す。
「た、助けて!!」
思わずユイさんを呼んでしまいそうになる、彼女は休んでいるから来るはず無いのに。
「ぐっ・・・・うぅぅぅぅ!!」
駄目だ逃げれない、藻掻いても不動のように動かない!!
私は唯一隙が出来たその瞬間に剣を振り下ろしたが・・・斬撃を放たれる前に皮膚に当たってついにその剣もへし折れてしまった。
「っ!!?こんな時に!?」
錬金爆弾は・・・・もう全部使った、トリックバスターは腕が防がれて撃てない、飛び道具も使い果たしもう手が無い。
「ま、まだ・・・まだやれる!!」
あの炎さえ使えれば・・・駄目だ。鼓動も感じない、炎も燃えない。駄目だ何も感じない。
「ゆ、ユイさん・・・」
私は苦痛の嘆きに藻掻くもユイさんが居ないと本当に何も出来ないんだと唇を噛み締める。
「私の可愛い女の子を殺すなんて許す筈無いわよ」
だがその時、上空から光の槍が片腕を貫いた。




