「夢幻の可能性」 その6
「ユイさ〜ん!!ユイさ〜ん!!」
ハルカさんに何とか追い付くと名前を呼ぶ、だが何処にも声が聴こえず代わりに不気味の化け物のような声が聴こえる。
嗄れたようなガラガラとした獣の声、鳥なんだかゴブリンなのか牛なのかよく分からない声や何から食べてる下品な咀嚼音も聴こえる。
私の不安は最高まで達して必死になりながらも名前を呼ぶ。
「ユイちゃん!!何処にいるの!!お願いだから出てきて〜!!一緒に帰ろう!!ユイちゃ〜ん!!」
ユイちゃんはもしかしたら獰猛な獣の胃の中に収められてしまったのか・・・或いは引き裂かれて死んだのか様々な恐怖の映像が頭の中に描かれていく脳を私は全否定した。
「ユカリちゃん、そんなに大声だしたら!!」
だがそれは私の失言でしか無かった、獣がいるということは誰かには聴こえてるということになり得る。
その声は次第に獣を呼び寄せてしまったのだ。
「ぐぎゃるるるううぅぅぅ!!」
だがその獣も普通じゃない、顔が六つに分離した犬の身体はズタズタに骨が剥き出しになっていてグロテスクでしかない。
六つに分かれた口から見える大量の牙は肉を裂くのには適している。
「これくらいなら―――― あ」
この程度ならいけると思ったがいつの間にか別の生き物まで呼び寄せていた、あっという間に囲まれてしまった
「ありゃりゃ、袋小路って奴ね」
「呑気な事言ってる場合じゃないですよ!?」
生き物達は我先にと飛びかかろうとして来そうな勢いだ。
化け物相手にどこまで通用するか分からないけどユイさんの為に頑張るしかない!
「お願いだからそこをどいて!!」
少しだけ足が竦む、でも勇気を出さないとユイさんはもう近くにいるはずなんだ絶対に逃げない。
「お姉さんも少し本気を出さないとまずいね♪」
ハルカさんは何故かにこにこしながら構えてるがこの際人手は多い方が有利だ、最後まで戦ってくれることを祈ろう。




